【徹底解説!】労働安全衛生法

2016年11月12日

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労働者の安全と健康について定めた「労働安全衛生法」。2014年に大きく改正され、ストレスチェック等の新たな制度が創設されたことが記憶に新しい方も多いことでしょう。

労働安全衛生法はどのような法律で、これまでどのように改正されてきたのでしょうか。また、今後はどうなっていくのでしょうか。

今回は、労働安全衛生法のこれまでの改正の歴史や今後の見通しについて解説します。

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労働安全衛生法とは

労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的として定められた法律です。もともと労働基準法に定められていた「安全及び衛生」の規定が分離する形で、1972年に成立しました。

労働安全衛生法では、安全衛生管理体制や、労働者を危険や健康障害から守るための措置、機械や危険物・有害物に関する規制、労働者に対する安全衛生教育、労働者の健康保持増進措置などについて定められています。

労働安全衛生法の改正の歴史

労働安全衛生法は、1972年の成立以来、労働者を取り巻く環境や問題意識の変化を踏まえ、数次の改正を経て現行の規定となっています。

以下では、労働安全衛生法のこれまでの改正内容のうち、主要なものを取り上げます。

表はスライドできます

1972年
(S47)
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)成立
1977年
(S52)
労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律(昭和52年法律第76号)
  • 新規化学物質を製造・輸入する事業者に対し、有害性の調査を行い大臣に届け出ることを義務付け
1980年
(S55)
労働安全衛生法の一部を改正する法律(昭和55年法律第78号)
  • 建設業の事業場に対し、元方安全衛生管理者の選任を義務付け
  • 爆発や火災等が生じたことに伴い労働者の救護に関する措置がとられる場合における労働災害の発生を防止するための対策を講じることを義務付け
  • 元方事業者に対し、下請けの労働者すべてについて労働災害防止のための措置を講じることを義務付け
  • 建設業関連で重大な労働災害が起こりうる大規模な仕事を実施する場合に、大臣に届け出ることを義務付け
1988年
(S63)
労働安全衛生法の一部を改正する法律(昭和63年法律第37号)
  • 安全衛生推進者の選任の義務付け
  • 安全管理者等に対する教育等の努力義務化
  • 使用する機械の安全化のための措置
  • 危険・有害業務に就く労働者への安全衛生教育の努力義務化
  • 労働者の健康教育等の努力義務化
1992年
(H4)
労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律(平成4年法律第55号)
  • 建設業の元方事業者に対し、店社安全衛生管理者の選任の義務付け
  • 注文者から請負人に対する違法な指示の禁止
  • 快適な職場環境を形成するための事業者の措置の努力義務化
1996年
(H8)
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成8年法律第89号)
  • 産業医として選任されるための資格要件の規定
  • 健康診断の結果についての医師等からの意見聴取
  • 健康診断実施後の適切な措置
  • 医師等による保健指導の努力義務化
  • 一般健康診断結果の各労働者への通知の義務付け
  • 産業医の選任義務のない事業場に対し、労働者の健康管理の努力義務化
1999年
(H11)
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(平成11年法律第45号)
  • 深夜業に従事する労働者の健康管理の充実
  • 化学物質等による労働者の健康障害を防止するための措置の充実
2005年
(H17)
労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年法律第108号)
  • 事業者に対し、長時間労働者への医師による面接指導の実施を義務付け
  • 特殊健康診断の結果について、労働者本人への通知の義務付け
  • 安全管理者を選任すべき業種の事業場に対し、危険性・有害性等の調査(リセスアセスメント)を実施し、その結果に基づき必要な措置を実施することを努力義務化 ・安全管理者の資格要件の見直し
  • 安全衛生管理体制の強化
  • 製造業の元方事業者に対し、労働災害の防止のための措置を義務付け
2014年
(H26)
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)
  • 一定のリスクがある化学物質について、危険性または有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施を義務付け(2016年6月1日より施行)
  • 従業員50人以上の事業場に対し、医師等によるストレスチェックの実施を義務付け(2015年12月1日より施行)
  • 受動喫煙防止のため、事業者に対し、適切な措置を講ずることを努力義務化(2015年6月1日より施行)
  • 重大な労働災害を繰り返す企業への環境改善勧告・企業名公表等の仕組みの創設(2015年6月1日施行)
2019年
(H30)
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)
  • 産業医・産業保健機能の強化
  • 事業者から産業医への必要な情報提供が義務化、また労働者が産業医に直接健康相談ができる環境の整備が強化
  • 産業医がより一層効果的な活動を行いやすい環境の整備

労働安全衛生法の今後の見通し

2019年に施行した「労働安全衛生法の一部を改正する法律」では長時間労働による過労死や過労自殺の労災認定増加を踏まえ、労働者の健康管理に関わる問題の解消に焦点が置かれています。社員の労働環境を整えることは、従業員満足度の向上や人員の定着率改善といった多くのメリットを企業にもたらします。
今後も労働安全衛生法の見直しが定期的に行われていくことが予想されるので、改正内容を踏まえて積極的に職場の環境改善に努めましょう。

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