裁量労働制の残業代は?支払われるケースと計算方法を詳しく解説!

2022年4月21日

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裁量労働制とは、労働時間の配分や業務の進め方を労働者の裁量に任せる制度です。そのため、実際の労働時間にかかわらずあらかじめ労使間で定めた時間を働いたものとみなします。裁量労働制で働く労働者に残業代は発生するのでしょうか?今回は裁量労働制の定義、残業代が支払われるケース、その計算方法について解説します。

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裁量労働制を正しく理解しよう

裁量労働制とは

裁量労働制とはみなし労働時間制の一つで、労働基準法第38条の3,4に定められた働き方です。法令で定められた特定の職種に従事する際、業務遂行の手段や方法、時間配分などを労働者の裁量に委ねることができます。
例えば、裁量労働制でみなし労働時間を1日8時間として契約した場合、実際に働いた時間が5時間や9時間でも、契約した8時間を働いたこととされます。裁量労働制が適用される職種は、いずれも「何時間働いたら成果が出る」とは言い切れないものばかりです。斬新アイデアや企画を生み出したり、企業経営の方針を考えたりするなど、高度な職務に携わる労働者が時間を気にせず業務に専念できるメリットがあります。
一方で、いくら裁量労働制だからといって、無制限に労働者を働かせて良い訳ではありません。裁量労働制を始めるにあたっては、その業務の完了までにかかる時間を考慮したうえでみなし労働時間を定めなければなりません。さらに、労働時間の適正管理や労働者の健康や福祉を守るための施策などを企業は講じる必要があります。
また、裁量労働制を導入するためには、企業と労働者の間で労使協定を締結する必要があります。企業側が一方的に裁量労働制の導入はできないので注意しましょう。

裁量労働制の2つのタイプ

  • 専門業務型裁量労働制
  • 専門業務型裁量労働制とは、業務の遂行の手段や時間配分に関して、企業が労働者に具体的な指示を出すことが困難な業務において導入できます。弁護士、税理士、デザイナー、ゲームクリエイター、システム設計分析など、対象となる19職種が定められており、これら以外の職種では専門業務型裁量労働制を適用することはできません。

  • 企画業務型裁量労働制
  • 企画業務型裁量労働制とは、業務の遂行の手段や時間配分に関して、企業が労働者に具体的な指示をしない業務において導入が可能です。以下の要件をすべて満たすことが適用条件です。

  1. 業務が所属する事業場の運営に関すること
  2. 企画・立案・調査・分析の業務であること
  3. 業務遂行の方法を大幅に労働者の裁量に任せる必要があることが、業務の性質からも客観的に判断される業務であること
  4. 企画・立案・調査・分析という相互に関連し合う作業を、いつどのように行うかについての広範な裁量が労働者に認められている業務であること

フレックスタイム制度との違い

フレックスタイム制とは、一定期間について事前に決められた総労働時間の範囲内で、労働者が始業や終業の時間を自由に決められる制度です。働き方が労働者に委ねられているという点で裁量労働制と似ていますが、明確な違いがあります。まず、フレックスタイム制においては、総労働時間は労働者の裁量に任されておらず、定められた労働時間を守らなければなりません。清算期間中の総労働時間が管理され、労働者が契約した時間を不足なく働く必要があります。また、フレックスタイム制は裁量労働制のように対象職種の制限はありません。労使協定を締結すれば、パートやアルバイトで働く方もフレックスタイム制の対象にできます。

裁量労働制で残業代が支払われるケース

深夜労働の場合

裁量労働制を適用したとしても、深夜労働を行った場合は割増賃金が支払われます。裁量労働制における深夜労働も、一般的な深夜労働と同様に22時~5時に働いた時間です。裁量労働制では、働く時間帯も労働者の裁量に委ねられていますが、深夜割増手当を省略して良い訳ではありません。

法定休日に勤務した場合

法定休日に勤務した場合にも、割増賃金の支払いが必要です。法定休日とは、労働基準法で必ず設けるように定められている休日で、原則として企業は週に1日以上、4週を通じて4日以上の休日を労働者に与えなければなりません。 例えば、土曜日と日曜日の週休2日制を採用している企業の場合、いずれか一方の休日が法定休日、もう一方の休日を所定休日といいます。所定休日とは会社が独自に決められる休日で、必ず付与する義務はありません。また、土曜日と日曜日のどちらが法定休日に該当するかは、就業規則などで定められます。

みなし労働時間が法定労働時間を超える場合

みなし労働時間が法定労働時間を超えている場合には、法定労働時間を超えた部分が時間外労働として割増賃金の支払い対象になります。法定労働時間とは、労働基準法で定められた労働時間の限度であり、原則1日8時間・1週間40時間とされています。仮に、みなし労働時間が9時間の場合、法定労働時間の8時間を1時間超えているので、時間外の割増賃金を支払う必要があります。

裁量労働制の残業代の計算方法

深夜労働の場合

深夜労働を行った場合、25%以上の割増賃金が適用されます。残業代は以下の計算式で算出しましょう。

  • 1時間あたりの基礎賃金×1.25以上(割増率)×深夜の残業時間
  • 例えば、1時間あたりの基礎賃金が1,000円、割増率は25%、22時~24時まで深夜労働を行った場合の残業代は以下のように算出できます。
    1,000円/時間×1.25×2時間=2500円

法定休日に勤務した場合

法定休日に勤務した場合、35%の割増賃金が適用されます。残業代は以下の計算式で算出しましょう。

  • 1時間あたりの基礎賃金×1.35(割増率)×法定休日の労働時間
  • 例えば、1時間あたりの基礎賃金が1,000円、法定休日に4時間働いた場合の残業代は以下のようの算出できます。
    1,000円/時間×1.35×4時間=5400円

みなし労働時間が法定労働時間を超える場合

裁量労働制のみなし労働時間が法定労働時間を超えて設定されている場合、25%の割増賃金が適用されます。残業代は以下の計算式で算出しましょう。

  • 1時間あたりの基礎賃金×1.25(割増率)×時間外の労働時間
  • 例えば、1時間あたりの基礎賃金が1,000円、みなし労働時間が9時間で法定労働時間を1時間超えている場合の残業代は以下のようの算出できます。
    1,000円/時間×1.25×1時間=1,250円

まとめ

裁量労働制は、労働者をいくらでも働かせられる制度と誤解されがちです。実際は長時間労働防止のため、日々の労働時間管理や労働者の健康への配慮を行わなければなりません。また、みなし労働時間は、業務内容にかかる労働時間を正確に見極めたうえで設定する必要があります。労働時間の配分を労働者に委ねているからといって、深夜労働や法定休日労働を当たり前にさせては良い訳ではありません。割増賃金を正しく支払い、適正な労働環境を整備しましょう。

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