ファブレス経営とは?導入メリットや注意点などについて徹底解説

2025年8月22日

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ファブレス経営とは?導入メリットや注意点などについて徹底解説

ファブレス経営とは、自社で工場を持たず製造を外部委託し、企画・開発や販売に特化する経営手法を指します。設備投資や固定費を抑え、経営の柔軟性が高まるメリットがある一方、品質管理や供給の安定性に課題が生じやすい点がデメリットです。ファブレス経営が向いている業界としては、半導体メーカーや飲料メーカーが挙げられます。今回は、ファブレス経営の特徴や導入メリット・注意点などについて解説します。

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ファブレス経営の特徴

「ファブレス」とは

ファブレスは「fabrication facility less」というフレーズの略で、日本語にすると「製造施設が無い」という意味になります。つまり、自社として製造施設を保有せず、製造は外部に委託して企画や販売にリソースを割く戦略のことを「ファブレス経営」と呼ばれるようになりました。1980年代のアメリカの企業が発端とされ、半導体製造のコスト削減の一環として他社に製造を委託したことが結果的に功を奏し、世界的に広まったと言われています。

ファブレス経営と相性のよい業種

ファブレス経営は、製造の分野と企画設計の分野が分離していても問題がない、もしくは分離していたほうがメリットのある構造でなければいけません。具体的には、製造を自社で行う必要がなく、むしろリソースを分けることでコア業務に注力でき、競合他社との優位性が担保できる業種が向いていると言えるでしょう。

ファブレス経営を実施している主な企業としては、大手デジタル機器メーカーのアップル社や、インテリアや生活雑貨などを幅広く展開する株式会社良品計画(無印良品)などが挙げられます。どちらも短期間で新しい製品・商品の販売を続けるビジネスモデルであり、他社との競争力を確保する必要がある点が一致しています。

OEMとの違い

経営モデルには、「OEM」と呼ばれるものもあり、こちらも外部委託を軸としていることから、ファブレス経営と混同されがちです。ファブレス経営の違いは、OEMは「委託された工場側」の視点という点です。OEMは日本語に訳すと「相手先ブランド製造」となり、相手先は委託元を指すことから、製造する工場側から見た経営モデルであることがわかります。

ファブレス経営を導入するメリット

工場における設備投資が不要

ファブレス経営を行う発端でもあった、工場の建設や維持といったコストがかからないという点が、この経営モデルにおいてもっとも大きなメリットと言えるでしょう。工場は建設にかかる費用が膨大になるだけでなく、製品製造にあたって稼働中はランニングコストがかかるうえに、工場で勤務する人たちへの人件費も必要です。工場の規模が拡大すればするほど設備投資も膨れ上がることから、固定費の負担が大幅に軽減されるようになります。

自社リソースの最適化

前述した製造製品の販売サイクルが早く競争力を必要とする業界や業種は、常に商品企画やデザイン、設計を行うリソースを担保し、新たな製品を生み出さなければいけません。そのため、製造部門に必要だったリソースを商品開発や営業に割り当てることができ、自社の独自性や強みを発揮できるコア業務に注力する人材を増やすことが可能になります。

市場変化の柔軟な対応

前述の通り、ファブレス経営は市場への製品リリースのサイクルが早い業種に向いています。そのため、市場の情勢やトレンドに左右されずに、スピーディーな意思決定のもと生産や受注を進める必要があります。委託先へ受注量の調整や製造製品の転換を任せられるファブレス経営は、柔軟に市場変化に対応が期待できるでしょう。

ファブレス経営を実施する際の注意点

情報漏えいのリスク

製造を委託先に任せるということは、社内の情報を委託先に伝える必要があります。新製品の場合は特に、機密事項を伝えなければならないことも多く、委託先には信頼して情報を提供する必要があるでしょう。社外に情報を持ち出すプロセスが必要である以上、情報漏えいが発生する危険とは常に隣り合わせであることを意識しなければいけません。

品質・生産管理の徹底

情報漏えいのリスクに加え、生産ラインでのトラブルや品質の維持が、業務委託という特性上管理が難しくなる点も考慮しましょう。自社内のプロセスであれば、有事が発生した際には原因究明や改善へのフィードバックなどをスピーディーに行うことができますが、ファブレス経営下でこれを行うには業務委託先とのスムーズな連携が求められます。特に、委託先が海外である場合は、文化や言語の違いから生じるトラブルが起こりやすいため、品質基準や管理のプロセスに対して齟齬がないように準備しましょう。

ノウハウの蓄積には工夫が必要

製造プロセスに関与しないことは、上記のようにメリットもありますが、自社でノウハウを蓄積することが難しいことを意味します。不具合やトラブルが起こらない設計や、消費者がより使いやすいように改良するといったノウハウを得るためには、委託先の企業からもフィードバックや意見を共有し、商品開発や企画に落とし込む必要があります。したがって、製造委託先の企業とは綿密なコミュニケーションをとれるよう強固な信頼関係を構築できるように努めましょう。

まとめ

リソースを製品開発や企画などコア業務に注力し、自社のオリジナリティとブランド力を高められる「ファブレス経営」の戦略は、消費者や市場動向にスピーディーに対応できる優位性を持っています。しかし、製造プロセスを委託することで情報漏えいなどのデメリットが発生する可能性もあるため、委託先の企業選定は入念に行いましょう。

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