インポスター症候群とは、仕事において成功し周囲から良好な評価をされているにも関わらず、自分を過小評価してしまう心理状態のことを指します。症状が悪化してしまうと、仕事や日常生活に支障をきたしてしまいます。自分に自信が持てない状態では、失敗のリスクを恐れ積極的なチャレンジができなくなってしまうのです。そのため企業は、定期的な1on1ミーティングを実施し、社員が抱えている問題や不安を理解することが大切です。
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インポスター症候群とは
インポスター症候群とは自身の能力や実績を過小評価してしまい、自分は本当は不当に評価されているのではないかという強い不安を感じてしまう心理状態を指す言葉です。例えば、インポスター症候群の症状が出ていると、仕事で成功しても素直に受け止められません。自分はたまたま運が良かっただけであり、実力がないのに成功しているように見えるだけだと考えてしまうのです。また、周囲と常に比較してしまい、自分は劣っていると感じてしまう方も目立ちます。一見すると優秀で仕事ができる方でも、インポスター症候群で悩んでいるケースが少なくないのです。
インポスター症候群に陥る原因
インポスター症候群に陥る原因としては、主に以下の3つの要因が考えられます。
- 心理的要因:少しでもミスをすると、自己評価が大きく下がってしまうなど
- 人間関係の要因:成果主義が求められる社会で、常に周囲と比較してしまうなど
- 家庭環境の要:過度な期待や批判を受けて育ったなど
誰しもが1度はインポスター症候群に困った経験があるのではないでしょうか。例に挙げたような要因が複雑に絡み合って、インポスター症候群が生じます。
インポスター症候群になりやすいタイプ
インポスター症候群は男女問わず、多くの方に見られる心理状態です。なかでも、インポスター症候群になりやすい代表的なタイプをまとめてみました。
- 完璧主義の方
- 協調性がある方
- 勤勉な方
- 失敗を恐れる方
- 自己主張を避ける方
例えば、少しでもミスをすると自己評価が大きく下がってしまう完璧主義の方、上司や同僚の考えを察知することが得意な協調性がある方などは、インポスター症候群になりやすいです。周りからは評価されていても、些細なことがきっかけとなって自己評価が下がってしまいます。もし、自分のことを過小評価しているかもしれないと感じたら、インポスター症候群を疑ってみましょう。
インポスター症候群における主な問題点
自己評価が極端に低い
インポスター症候群に陥る方は自己評価が極端に低い特徴があります。自己評価が極端に低いと、仕事などで成果を出しても自分の能力や価値を評価できません。成果が出たのは運や周囲の方の協力のおかげだと思い、自身のスキルや実力については過小評価してしまうのです。そのため、上司や同僚から高評価を得られたとしても自信にはつながらず、人によってはさらに自己評価を下げてしまう傾向があります。
チャレンジしない
チャレンジに消極的になってしまう特徴も、インポスター症候群の方に散見される問題点です。インポスター症候群の方は自分に自信が持てず、課題に挑戦して成功しても周囲を騙していると感じてしまいます。そのため、失敗も過度に恐れる傾向があり、新しいチャレンジにも積極的になれません。もし、チャレンジに失敗したら自分の実力不足を原因と捉えてしまうので、極力リスクは回避しようと行動してしまいます。
他人と自分を比較してしまう
インポスター症候群で悩んでいる方は、他人と自分を比較してしまう傾向があります。インポスター症候群の方は自分に自信が持てないだけでなく、自分を客観的に捉えることが得意ではありません。そのため、自分を判断するために常に周囲を意識してしまい、他人との比較で自分の評価が低いと感じてしまいます。そうすると、優秀な方と比較しては、自分は劣っていると短所ばかりを気にしてしまうのです。結果として自己評価がさらに低くなってしまい、自分の実力を余計に認められなくなってしまいます。
インポスター症候群に対する企業の対応方法
メンター制度を導入する
メンター制度を導入すると、インポスター症候群の改善に効果が期待できます。メンター制度とは経験や知識が豊富な先輩社員であるメンターが経験の浅い社員に対して、仕事やキャリアに関する指導や相談に乗る支援制度のことです。メンター制度が導入されている職場であれば、インポスター症候群で悩んでいる方はネガティブな考えを相談できます。話しやすいメンターが近くにいれば1人で悩みを抱え込まずに済むので、インポスター症候群の方の気持ちを和らげることが可能です。
1on1を開催する
インポスター症候群への対処法としては、1on1の開催も有効です。1on1とは上司と部下が1対1で行う定期的な面談のことで、部下の成長を促すマネジメント手法として多くの企業で活用されています。インポスター症候群の方が自分の現状を正しく認識するためには、信頼できる他者からの丁寧なフィードバックが欠かせません。そこで、1on1であれば本人と周囲の認識のずれを解消できるので、正しく自己評価できるように導くことができます。
職場のコミュニケーションを活性化させる
職場のコミュニケーションを活性化させて、インポスター症候群に対抗してみましょう。例えば、以下のような取り組みをスタートする企業が増えています。
- 社内イベントの開催
- 社内SNSの活用
- フリーアドレス制度の導入
- サンクスカードの導入
- ミーティングスペースの設置
こうした社員同士がコミュニケーションを取れる場面を増やせれば、インポスター症候群で困っている方が悩みを共有できる機会が生まれます。周囲の言葉に耳を傾けられれば、偏った自分の思い込みや考え方を正すことが可能です。
まとめ
インポスター症候群で悩んでいる方は少なくありません。仕事で成功しても素直に受け止められず、自分の能力や実績を過小評価してしまう方はインポスター症候群の疑いがあります。インポスター症候群は珍しい症状ではありませんが、自己評価が極端に低くなるなどの弊害は軽視できません。企業としては職場のコミュニケーションを活性化させて、社員のインポスター症候群の改善を促進させましょう。