労働者の安全と健康について定めた「労働安全衛生法」。2014年に大きく改正され、ストレスチェック等の新たな制度が創設されたことが記憶に新しい方も多いことでしょう。
労働安全衛生法はどのような法律で、これまでどのように改正されてきたのでしょうか。また、今後はどうなっていくのでしょうか。
今回は、労働安全衛生法のこれまでの改正の歴史や今後の見通しについて解説します。
労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>労働安全衛生法とは
労働安全衛生法は、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的として定められた法律です。もともと労働基準法に定められていた「安全及び衛生」の規定が分離する形で、1972年に成立しました。
労働安全衛生法では、安全衛生管理体制や、労働者を危険や健康障害から守るための措置、機械や危険物・有害物に関する規制、労働者に対する安全衛生教育、労働者の健康保持増進措置などについて定められています。
関連記事:
労働安全衛生法の改正の歴史
労働安全衛生法は、1972年の成立以来、労働者を取り巻く環境や問題意識の変化を踏まえ、数次の改正を経て現行の規定となっています。
以下では、労働安全衛生法のこれまでの改正内容のうち、主要なものを取り上げます。
表はスライドできます
1972年 (S47) |
労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)成立 |
---|---|
1977年 (S52) |
労働安全衛生法及びじん肺法の一部を改正する法律(昭和52年法律第76号) |
|
|
1980年 (S55) |
労働安全衛生法の一部を改正する法律(昭和55年法律第78号) |
|
|
1988年 (S63) |
労働安全衛生法の一部を改正する法律(昭和63年法律第37号) |
|
|
1992年 (H4) |
労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律(平成4年法律第55号) |
|
|
1996年 (H8) |
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成8年法律第89号) |
|
|
1999年 (H11) |
労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(平成11年法律第45号) |
|
|
2005年 (H17) |
労働安全衛生法等の一部を改正する法律(平成17年法律第108号) |
|
|
2014年 (H26) |
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号) |
|
|
2019年 (H30) |
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号) |
|
労働安全衛生法の今後の見通し
2019年に施行した「労働安全衛生法の一部を改正する法律」では長時間労働による過労死や過労自殺の労災認定増加を踏まえ、労働者の健康管理に関わる問題の解消に焦点が置かれています。社員の労働環境を整えることは、従業員満足度の向上や人員の定着率改善といった多くのメリットを企業にもたらします。
今後も労働安全衛生法の見直しが定期的に行われていくことが予想されるので、改正内容を踏まえて積極的に職場の環境改善に努めましょう。