男性版育休とは?内容や給与について詳しく解説します

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男性の育児休業取得促進策として「男性版産休」制度が10月から新設されます。男性版産休制度を使うと、子供が生まれてから8週間以内の間で最大4週間の育児休業を取ることができます。またまとまった休業ではなく細切れに休業を取れることから、従来より柔軟な休業の取得が可能となります。今回は男性版産休制度の概要、従来の育児休業との違い、導入時の注意点、男性版産休取得中の給与について解説します。

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男性版産休制度が新設された

男性版産休制度とは

2021年6月に成立した改正育児・介護休業法で、男性版産休制度の新設が決定しました。産後パパ育休とも呼ばれる男性版産休制度は、既存の出産後休業をより使いやすく改善した制度で、2022年10月より施行される予定です。男性版産休制度を活用すれば、子供が生まれてから8週間以内に4週間まで休みを取得できます。さらに、休みを2回に分割して取得でき、現行の育休制度との併用も可能です。子供の出生直後の時期における男性の柔軟な育休取得の促進が期待されています。

男性版産休制度が新設される背景

男性の育休の取得率は未だに低い状況です。政府は2025年までに男性の育休取得率30%を目標に掲げましたが、2020年度の男性育児休業取得率は12.65%に留まっています。男性が育休を取得するための社内整備の遅れや、制度の認知と理解が追いついていないなど色々な課題を抱えている企業が少なくありません。男性が育休を取りづらい風土があったり、一度に長期で休業しにくかったりするケースがまだまだ目立っているのが現状です。こうした状況を少しでも改善して、女性の育児負担の軽減や少子化問題の解決を実現させるために、男性版産休制度の新設が決定されました。

従来の育児休業との違いをチェックしよう

新設される男性版産休制度と従来の育児休業制度の違いは以下の通りです。

表はスライドできます

男性版産休制度(2022年10月〜) 育休制度(現行)
対象期間取得可能日数 子供の出生後8週間以内に4週間まで取得可能 原則子が1歳(最長2歳)まで
申出期限 原則休業の2週間前まで 原則休業の1ヶ月前まで
分割取得 分割して2回取得可能 原則分割不可
休業中の就業 従業員が合意した範囲で休業中の就業が可能 原則就業不可

男性版産休制度の導入時の注意点

2021年6月に成立した改正育児・介護休業法には、男性版産休制度の設立に関連するいくつかのルールが含まれています。男性版産休制度の導入と併せて、企業が行うべきアクションのポイントをチェックしましょう。

育児休業の環境整備が義務化される

2022年4月1日から、現行の育児休業と新制度を取得しやすい雇用環境の整備が企業に義務付けられました。具体的な施策の例は以下の通りです

  • 育児休業に関連する研修の実施
  • 相談窓口の設置
  • 育児休業や産後パパ育休取得の事例の収集と提供
  • 育児休業の取得促進に関する方針の周知

上記の施策などから複数の措置を実施することが望ましいとされています。男女ともに仕事と育児を両立させることができるような職場の環境整備を進めましょう。

制度の周知と取得意向の確認が義務化される

育児休業に関連する制度の周知と意向確認が2022年4月1日より義務化されました。周知が必要なものとしては以下の項目が該当します。

  • 育児休業・産後パパ育休に関する制度の内容
  • 育児休業・産後パパ育休の申し出先
  • 育児休業給付の内容
  • 社会保険料の取り扱い

企業は、面談・書面交付・FAX・電子メールなどのいずれかの方法で、従業員に対して周知を実施しなくてはなりません。加えて、育児休業の取得意向の確認を忘れずに行いましょう。

育児休業の取得状況の公表が求められる

従業員の数が1,000人を超える企業は、育児休業の取得率の公表が2023年4月から義務化されます。公表が求められる内容は、「男性の育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」です。取得率の算定期間は公表を行う日の事業年度の、直前の事業年度と定められているので注意してください。インターネットなど一般の方が閲覧できる方法で公表しましょう。なお、自社のホームページ以外にも、厚生労働省が運営するウェブサイト「両立支援のひろば」での公表も可能です。

男性版産休を取得中の給与の考え方

育児休業給付金を受給できる

男性版産休の取得中は、育児休業給付金を受給できます。育児休業給付金とは、雇用保険の被保険者が1歳未満の子供の養育で育児休業を取得した際に受け取れる手当です。休業前の給与の67%に相当する額、181日目以降は50%相当額の給付を受けられます。育児休業給付金は非課税で、所得税や住民税の負担はありません。ただし、企業から給与が支給されている場合は注意が必要です。給与の支給額の割合に応じて変化する育児休業給付金の受給額は以下の通りです。

表はスライドできます

支給される給与の割合 育児休業給付金の支給額
13%(30%※)以下 育児休業給付金は全額支給される
13%(30%※)を超えて80%未満 「賃金月額×80%」と賃金の差額が支給される
80%以上 育児休業給付金は支給されない

育児休業給付金を計算してみよう

一般的な育児休業給付金の支給額は次の数式から算出できます。

  • 支給額の計算
  • 休業開始時賃金日額×支給日数×67%(181日目以降は50%)
    休業開始時賃金日額は、育児休業開始前6か月間の給料を180日で割った金額です。なお、育児休業給付金には支給上限額が設定されています。参考までに現在の給付率67%の支給上限額は301,902円、給付率50%の支給上限額は225,300円です。支給上限額は更新される場合があるので、事前に確認しましょう。

賞与の有無は企業によって異なる

育児休業中の賞与の支給は企業によって有無が異なります。もし、賞与の支給がある場合でも、支給額などの条件は企業側に決定権があります。例えば、賞与の支給額を決めるための算定期間は企業ごとに異なり、業績によっては賞与の減額や不支給が生じてもおかしくありません。もちろん、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法には、育児を理由に従業員に不利益な扱いをしてはならないと定められています。ただし、賞与の満額支給は保証されていないため、就業規則などを確認することが重要です。

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まとめ

育休は女性だけの制度とは限りません。働き方改革が多くの企業で実施されており、男性の育休についても制度を整えて推奨する動きが広がっています。企業には従業員よりも率先した育児休業に関する行動が求められています。男性の従業員の場合だと、育児休業の取得に対してまだまだ遠慮してしまうケースが少なくありません。育児休業の基本的な考え方と関連する制度の認知を高め、女性も男性も積極的に育児休業を取得できる職場環境の構築を目指しましょう。

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