リアリティショックとは、理想と現実のギャップに衝撃を受けることを指します。例として、入社前にイメージしていた仕事内容や人間関係などの理想と、入社後の現実との間に大きなギャップを感じることで、リアリティショックを受けることがあります。従業員がリアリティショックを受けると、モチベーション低下を引き起こすだけでなく、不安感からメンタルヘルスの不調などが起きやすくなるため、離職リスクも上昇し企業側としてもデメリットとなります。そのため企業は、1on1ミーティングやメンター制度といったサポート制度を充実させ、従業員のリアリティショック解消を図りましょう。
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理想と現実のギャップに衝撃を受けることをリアリティショックと言います。新しい環境に身を置いた際に「思い描いていたイメージと違う」とギャップを感じて思い悩むことを指す言葉です。リアリティショックは、新入社員だけでなくベテラン社員にも起こり得る点に留意しなければなりません。例えば、昇進や転勤によって、イメージしていた仕事内容とのギャップが大きく、リアリティショックが起きるケースもあるのです。リアリティショックを放置するほど、従業員の精神的な負担がかかるため、企業は事前に対策を講じておく必要があります。
リアリティショックが起きる4つの要因
仕事内容
華やかなイメージを抱いていたものの、入社してみると地味な仕事が多く、達成感を得られず思い悩んでしまうケースも少なくありません。自分のスキルや経験に自信があり即戦力になれると思って入社したものの、いざ実際に働いてみると思うように能力を生かせず理想と現実のギャップに落胆してしまうこともあります。入社前に聞かされていた仕事内容が入社後と異なっていたり、職場環境の変化で仕事内容が変わったりすることもリアリティショックの要因となるでしょう。
対人関係
入社後に、質問や相談をしづらいような風通しが悪い職場環境だとわかった場合、リアリティショックを引き起こすでしょう。質問や相談できない結果、ミスをしてしまい叱責されてさらなる悪循環に陥ることもあります。 また、既存の従業員との年齢層の差が大きく、考え方が理解できずにギャップに苦しむケースもあります。
他者能力
同期のスキルと自身のスキルに大きな差があると、理想と現実のギャップに耐えられず自信を喪失してしまうことがあります。反対に、周囲のモチベーションが低かったり、自身より圧倒的に仕事ができなかったりすれば、先行きに不安を感じるでしょう。このように、周囲のスキルや勤務態度が自身のものとかけ離れている場合、リアリティショックの要因となり得るのです。
評価
成果を出しても上司から認めてもらえない、昇給につながらないといった評価に対するギャップもリアリティショックの要因のひとつです。評価によるリアリティショックは、新入社員よりある程度勤続年数がある従業員に見られます。上司が成果を出している自分よりも仲の良い部下を優遇するといったケースも評価に対するギャップが生じ、不満が募ることになるでしょう。
リアリティショックが企業に及ぼす影響
モチベーションの低下を引き起こす
リアリティショックは、モチベーションの低下を引き起こします。理想と現実のギャップを消化できない状態が続くと、成果が上がらなくなり生産性の低下を招くでしょう。モチベーションが低下している従業員がいると、周囲にも影響を及ぼします。職場全体の士気が下がり、結果として企業の成長を妨げることになるのです。
メンタルヘルスの不調につながる
理想と現実のギャップに不満を抱えた状態が続くと、メンタルヘルスの不調を引き起こすおそれがあります。メンタルヘルスが不調のサインは、遅刻や欠勤が増える、仕事中に頻繁にミスをするなどです。無表情な状態が続いたり、急に怒りっぽくなったりする場合も注意しなければなりません。万全ではない状態で働き続けると生産性が上がらないだけでなく、限界が来て働けない状態になることもあるのです。
離職リスクが高まる
リアリティショックは、離職を考えるきっかけになります。新入社員や中途社員の早期離職に加え、ベテラン社員の離職も起こり得ることに留意しなければなりません。理想と現実のギャップが大きくなればなるほど精神的に追い詰められ、離職や転職について考えるようになるのです。新入社員においては、特に5月の連休明けの時期に離職や転職をする傾向にあります。
リアリティショックの解決策
採用時に可能な限り正確に情報を伝える
入社後にリアリティショックに陥る場合、採用ミスマッチが考えられます。採用サイトに写真や動画を掲載し、より雰囲気が伝わるようにしておきましょう。給与や休日、仕事内容についても採用時に事前開示することが大切です。採用したいからといって、プラスの面ばかりアピールしがちになりますが、リアリティショックを防ぐためにはマイナスな面も正直に伝える必要があります。
1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。 上司が一方的に評価を伝える人事評価面談とは異なり、上司は部下の話を聴く時間を多くとって信頼関係を築きます。内容は、仕事の悩みや不安、人間関係、体調面などです。1on1ミーティングで、理想と現実でギャップに感じていることはないか聞いてみましょう。部下のリアリティショックに早い段階で気がつけると、対策も講じやすくなります。
メンター制度を導入する
メンター制度とは、年の近い先輩社員が後輩社員と1対1でペアになり、信頼関係を築きながらサポートする制度です。 年齢が近く、気軽に相談できる先輩社員がいることで、心理的安全性を高められ、若手の孤立を防げます。リアリティショックに悩んでいる場合も相談しやすくなるでしょう。
まとめ
今回は、リアリティショックの概要や企業に及ぼす影響、解決策について解説しました。リアリティショックは若手社員だけでなくベテラン社員にも起こり得る心理現象です。モチベーション低下やメンタルヘルスの不調、離職リスクの上昇などさまざまな影響を及ぼすおそれがあるため注意しなければなりません。リアリティショックを解決するためにも、採用時に適切な情報開示を行い、1on1ミーティングやメンター制度の導入を検討しましょう。