ホワイトマーク認定制度とは、厚生労働省が規定した労働安全衛生に関する基準をクリアすると、安全衛生優良企業として公表される制度のことです。認定を受けると3年の間、厚生労働省のHPに公表されるほか、認定マークを広報に利用できるようになるため、「ホワイト企業」として採用時に評価を受けることができます。今回は、ホワイトマークの概要と取得のメリット、評価項目と取得のプロセスについて解説していきます。
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ホワイトマーク認定制度は、厚生労働省が平成27年6月に施行した「安全衛生優良企業公表制度」のことを指し、略して「Wマーク」とも呼ばれます。これは、労働者の安全や健康が尊重され、働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業を認定し、公表する制度です。認定項目は労働関係法令に基づいて規定されています。1度取得しても3年後には再度申請し直さなければならないため、常に働きやすい環境づくりに取り組むことが求められます。
ホワイトマーク取得の難度は?
労働関係法令を基準とした約80項目をクリアしなければならないため、取得の難度は高いといえます。マニュアルは80ページ近くあり、そのすべてを把握しなければなりません。自社だけで申請を進めるのは困難なため、専門家に相談する企業も少なくありません。例えば、取得できない企業の多くが引っかかっているのが残業時間の項目です。日頃から業務遂行のために残業を当たり前としていた企業は、この項目をクリアできずに認定を受けられなくなっています。
ホワイトマーク取得のメリット
採用力の強化
口頭でホワイト企業だと主張しても、現在の情報社会では通用しません。しかし、厚生労働省認定のマーク取得を公表すれば、安心できるホワイト企業として求職者からの信頼を得ることができます。
現代は、少子化問題の影響で労働者が減少の一途を辿り、圧倒的な売り手市場となっています。これに伴い、企業は選ぶ立場から選ばれる立場へとシフトチェンジしなければなりません。より多くの応募者・労働者を獲得するために、マーク取得は心強い味方です。なかには、マーク取得によって従来の約5倍の応募者を獲得できた企業も存在します。
離職率の低下
働きやすい環境をつくってマークを取得すべく、企業はあの手この手を使って労働環境の改善に取り組むことになります。具体的には、福利厚生が手厚くなったり、柔軟な働き方が導入されたりするでしょう。その結果、社員の満足度が高まり、労働者の離職を防ぐことができるようになります。なかには、「病気の治療と仕事の両立に向けた取り組み」の項目のために、時間単位で有給休暇制度を導入した企業も存在します。当該企業では、週1回の通院が必要な社員も少しずつ有給休暇を消化でき、退職せずに働き続けることができたとのことです。
企業のイメージアップ
マークを取得すると、厚生労働省のHPに認定企業として掲載されます。また、テレビやネット、専門誌などメディアから取材を依頼されることも少なくありません。その結果、ホワイト企業としての認知度が向上し、企業のイメージアップにつながります。なかには、ユーザーにホワイト企業であることを示すために、商品やパッケージにマークを印刷する企業も存在します。求職者だけでなくユーザーにもアピールできるのも、マーク取得の大きな利点といえるでしょう。
評価項目
大きく分けて3つの認定項目があり、それぞれがさらに細分化されています。いずれかが秀でているからといって認定を受けられるのではなく、全体的に高い水準を満たさなければならないため、認定基準は非常にシビアです。具体的な項目内容は以下のとおりです。
- 企業の状況として満たしているか(合計15項目)
- 企業の取り組みとして満たしているか(合計10項目)
- 積極的な取り組みをしているか(合計44項目)
過去3年以内に労働基準関係法令の違反で送検されていないか、など
各事業場に健康や安全に関する責任者を任命しているか、など
過去3年間のすべての年において有給休暇の取得率が70%に達しているか、など
取得のプロセス
取得のプロセスは以下のとおりです。プロセス自体は一見シンプルですが、取得認定は非常に難度が高いため、専門家の協力を仰ぐことを推奨します。
- 厚生労働省のHPで自己診断をする
- 自己診断で一定の基準を満たしたら、本社管轄労働局への申請書類を作成する
- 労働局に申請する
- 労働局が書類審査、ヒアリング調査を実施する
- 認定を受ける
- 厚生労働省のHPに認定企業として掲載される
まとめ
ホワイトマークは、厚生労働省がホワイト企業であることを認定し、公表する制度です。取得認定の難度は非常に高いといえますが、認定企業となると採用力の強化や離職率の低下、企業のイメージアップにつながります。この機会に、マーク取得へ向けて労働環境を見直してみてはいかがでしょうか?
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