ワークライフインテグレーションとは? ワークライフバランスとの違いや、メリット・デメリットについて解説します。


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ワークライフインテグレーションとは仕事とプライベートを統合し、両者の充実を図るための考え方です。従業員のプライベートの充実は仕事の効率性につながるため、従業員にとっても企業にとっても重要です。ワークライフインテグレーションは一般的に知られているワークライフバランスとはまた違った概念なので、その違いもあわせて把握しておきましょう。今回はワークライフインテグレーションの概要やワークライフバランスとの違い、ワークライフインテグレーション導入のメリット・デメリット、実際の導入事例について解説していきます。

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ワークライフインテグレーションが注目されている

ワークライフインテグレーションとは

ワークライフインテグレーションの「インテグレーション」には「統合、融合」などの意味があります。つまり、ワーク(仕事)とライフ(生活)の両方を統合して充実させる、という考え方です。ワークライフインテグレーションを取り入れるには、フレキシブルな勤務形態を整備する必要があります。例えばフレックスタイム制裁量労働制テレワークワーケーションなどの働く時間や場所を柔軟にする制度や、リエントリー制度のように、子育てなどで一度仕事を離れてもまた戻ることができる制度など、個人が柔軟に働くための制度を整備するのです。しかし、いきなりワークライフインテグレーションを取り入れるのは難しいため準備が必要です。必要な準備は、大きく3つに分けられます。

  • 環境面の整備
  • まず、ハード面で、テレワークのできる環境を整備します。外出先でもメールを受け取れるようにする、業務用パソコンのセキュリティを強化して持ち出せるようにする、社外からでもセキュリティで守られた社内システムやクラウドにアクセスできるようにするなどです。また、制度面では、前述したようなフレキシブルな勤務形態の整備、多様な働き方を実現するために正規・非正規の垣根を低くするなど、企業の意識改革も必要でしょう。

  • 人事評価制度の見直し
  • ワークライフインテグレーションでは、常に部下の顔を見て仕事をするわけではありません。評価をする上司も、される部下も、不安を感じることでしょう。直接顔を合わせなくても従業員の働きぶりを評価できる制度を整える必要があります。現在は、リモートで働く従業員の仕事を見える化するツールなども販売されているので、それを利用するのも一つの方法です。

  • 従業員への働きかけ
  • ワークライフインテグレーションの目的は、フレキシブルな勤務形態により従業員が仕事とプライベートの両方を充実させ、生産性をあげることです。そのためには、従業員が生産性向上に対する高い意識を持つことや、自分で考えて業務を進めていく自主性が必要です。ワークライフインテグレーションを始める前に、従業員への周知や教育を行いましょう。

ワークライフバランスとの違い

ワークライフインテグレーションよりも先に、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。もともとワークライフバランスも、従業員が仕事とプライベートを両立できるように考えられた概念です。例えば「育児や介護があるので仕事を辞めなければならない」「仕事が忙しすぎて家族のために時間をとれない」など、どちらかを犠牲にすることがあってはならない、という考え方です。そこには、仕事とプライベートの間に明確な線引きがあります。一方、ワークライフインテグレーションでは同じく仕事とプライベートの両立を目指していますが、その間に線は引きません。仕事とプライベートはどちらも人生の一部であり、両立することにより充実感や幸福感を得られるもの、と考えるのです。

ワークライフインテグレーションが注目される背景

2019年4月の大規模な法改正で始まった働き方改革から数年が経ち、新型コロナ感染症の流行なども影響し、多様な働き方を取り入れる企業が増えています。テレワークをはじめ、フレックスタイム制や時短勤務など、働く時間や場所を自由に選べるワークライフインテグレーションの考え方が受け入れられるようになってきました。また、日本の少子高齢化は進む一方であり、若い労働力は減少しています。日本全体の企業の99%以上を占める中小企業では、若くて優秀な人材の採用と、現従業員のストレスによる転職防止のために、新しい働き方を導入しようという動きが高まっています。

ワークライフインテグレーションのメリット・デメリット

メリット1:生産性が向上する

ワークライフインテグレーションを導入するためには、環境整備や社内ルールの整備が必要です。そのため、おのずと働きやすい環境が構築されます。働きやすい環境と仕事とプライベートの統合により、従業員は充実感を得ることができ、仕事に対するモチベーションもアップするでしょう。従業員のモチベーションアップは仕事の生産性向上にもつながります。

メリット2:働き方の選択肢が増える

ワークライフインテグレーションの目的は、仕事とプライベートの両立です。さまざまな個人の暮らしにすべて企業のルールを当てはめることはできませんが、従業員が自分の暮らしに合った働き方をするための選択肢は、これまでよりも多くなるでしょう。採用に関しても、働き方の選択肢が多ければ、育児や介護などの事情を抱えた経験者や、セカンドキャリアの熟練者など、多様な人材に出会うことができます。まさにダイバーシティ&インクルージョンです。

メリット3:スキルアップを促進できる

「仕事とプライベートは別」ではなく「仕事も人生の一要素」と考えるようになると、仕事に関する意欲もわき、業務に役立つ資格をとったり勉強をしたりといった自己啓発に力を入れる従業員も出てくるでしょう。また、両方の経験を大切にできるため、プライベートでの経験を仕事に生かすなど、一つの経験を仕事とプライベート両方で生かすことができます。

デメリット:マネジメントには工夫が必要

フレックスタイム制やテレワークなど、時間のくくりのない勤務形態の場合、勤怠や人事評価などのマネジメントには注意が必要です。労働時間だけではない評価方法を導入するなど、さまざまな働き方をする従業員が不公平感を感じないよう、工夫する必要があります。

ワークライフインテグレーションの導入事例

オリンパス株式会社

オリンパス株式会社では、従業員が、家庭の事情などにより仕事を続けるのが困難な状況を支援するために、ワークライフインテグレーションを導入しています。具体的には、テレワーク勤務制度の利用日数上限や利用条件の拡充、やむを得ない理由で退職した場合に採用試験に再応募できる「リエントリー制度」、役職者が育児や介護などで役職を続けるのが困難な場合に一時的に役職を離れることができる「役割フレックス制度」などです。また、リフレッシュ休暇や有給休暇、ボランティア休職、育児・介護休職など、休暇制度も充実しています。

西日本高速道路株式会社

西日本高速道路株式会社は、従業員が仕事と生活の充実によりそれぞれの持つ力を100%発揮できるよう、ワークライフインテグレーションを推進している企業です。休暇制度は、有給休暇のほかにポジティブ休暇、ボランティア休暇、結婚休暇、創立記念特別休暇などがあり充実しています。また、時差出勤制度やテレワーク制度、家庭の事情により退職した社員が一定の条件のもと復帰できる「ジョブリターン制度」など、柔軟な働き方に対応できるよう制度を整えています。特徴的なのは、妊娠、出産、育児、そして介護について、細かい段階に区切って休暇や勤務時間の対応を定め、仕事との両立を図っている点です。

J.フロント リテイリング株式会社

J.フロントリテイリング株式会社では、従業員の心身の健康のために、ワークライフインテグレーションが重要な役割を果たすと考えています。フレックス制度やテレワーク制度を推進しており、フレックス制度ではコアタイムや日数制限をなくし、テレワーク中の私用での中抜けも認められている点が特徴です。また、勤務間に一定の休息をとる「インターバル制度」を取り入れています。テレワークも自宅に限らずサテライトオフィスなど、自宅以外での勤務が可能です。育児や介護についても、休職や休暇、時短勤務などを組み合わせて、仕事との両立を図っています。また、育児や介護に限らず、趣味やシニアライフの充実などを理由に短時間勤務を選択できる制度や、転勤のないエリア限定社員などの制度を導入しています。

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まとめ

仕事と生活の両立というと、ワークライフバランスをイメージする方が多いでしょう。しかし、ワークライフインテグレーションでは、仕事と生活は相反するものではなく、両方が人生の一部であり、統合的に充実させていくべきものだと考えます。企業の生産性を上げるためには、まず従業員の人生の充実が必要だという考えが広まりつつあるのです。

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