裁量労働制でも勤怠管理は必要です! 裁量労働制の種類と注意点を解説

2019年12月5日

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裁量労働制とは、あらかじめ労使間で取り決めた時間分を働いたとみなす制度のことで、実働時間が規定時間より長くなっても残業代は発生しません。裁量労働制は業務内容によって企画業務型と専門業務型に分かれており、それぞれで導入の要件が異なります。今回は、裁量労働制の意味や企画業務型と専門業務型の違い、裁量労働制とフレックスタイム制との違い、裁量労働制における勤怠管理の重要性について解説していきます。

裁量労働制とは

裁量労働制とは労働時間制度のひとつであり、労働時間を実労働時間ではなく、あらかじめ労使間で定めた一定の時間として把握するという制度です。その名の通り、労働時間の管理を労働者の裁量に任せるという制度ですので、使用者は残業の指示や、その他早出などの労働時間に関する指示を労働者に対して行わないことが前提となっています。
裁量労働制の適用はすべての労働者について可能なわけではなく、法律によって定められた一部の業務に従事する者のみに限定されます。さらに、それらの業務の性質に応じて裁量労働制は企画業務型裁量労働制と専門業務型裁量労働制の2種類に分けられ、それぞれ対象となる業種、導入の際の手続きや要件が異なります。企画業務型と専門業務型の詳細については次項で説明していきます。

企画業務型と専門業務型との違い

企画業務型裁量労働制

企画業務型の対象となるのは、事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査、分析の業務です。その性質上、業務の遂行を労働者の大幅な裁量に委ねる必要性があり、使用者が遂行の手段や時間配分の決定について具体的な指示をしない業務に限られます。導入要件として、委員会の委員の5分の4以上の多数による議決により、以下の事項について決議し、その決議内容を所轄の労基署長に届け出る必要があります。

  1. 対象業務の範囲
  2. 対象労働者の具体的範囲
  3. 1日あたりのみなし労働時間数
  4. 対象労働者に適用する健康・福祉確保措置
  5. 対象労働者からの苦情処理のための措置
  6. 本人の同意の取得・不同意者の不利益取扱いの禁止に関する措置
  7. 決議の有効期間の定め
  8. 4・5・6等に関する記録を、7の期間およびその後3年間の保存

また、労使委員会についても、以下のように要件が定められています。

  • 委員の半数が、過半数労働組合(これがない場合は過半数代表者)に任期を定めて指名されていること
  • 委員会の開催の都度、議事録を作成し、3年間保存をすること
  • 議事録を、作業場の見やすい場所への掲示、備付け等によって労働者に周知していること
  • 委員会の招集、定足数等委員会の運営に関する規程が定められていること
  • 上記の規程の作成・変更について、委員会の同意を得なければならないこと
  • 委員会の委員であること等を理由として不利益な取扱いをしないようにすること

専門業務型裁量労働制

他方の専門業務型は、業務の性質上、その遂行方法を労働者の大幅な裁量に委ねる必要性があり、業務の遂行の手段や時間配分の決定に具体的な指示をすることが困難な業務が対象となります。適用が可能な対象業務は、以下の19種類に限られています。

  • 新商品または新技術の研究開発等の業務
  • 情報処理システムの分析または設計の業務
  • 記事や放送番組制作のための取材または編集の業務
  • デザイナーの業務
  • プロデューサーまたはディレクターの業務
  • コピーライターの業務
  • システムコンサルタントの業務
  • インテリアコーディネーターの業務
  • ゲーム用ソフトウエアの創作の業務
  • 証券アナリストの業務
  • 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発業務
  • 大学における教授研究の業務
  • 公認会計士の業務
  • 弁護士の業務
  • 建築士の業務
  • 不動産鑑定士の業務
  • 弁理士の業務
  • 税理士の業務
  • 中小企業診断士の業務

導入要件として、以下の事項を定めた労使協定を締結して所轄の労基署に届け出る必要があります。

  1. 制度を適用する業務の範囲
  2. 適用者には業務遂行の方法・時間配分の決定等に関する具体的な指示をしないこと
  3. 1日あたりのみなし労働時間数
  4. 労使協定の有効期間
  5. 健康・福祉確保措置
  6. 苦情処理措置
  7. 5および6に関し労働者ごとに講じた措置か記録を、協定の有効期間およびその期間満了後3年間保存すること

裁量労働制とフレックスタイム制

労働時間の管理が労働者に委ねられているという点で、裁量労働制はフレックスタイム制と似ているように思えるかもしれません。しかし両者はまったく別の労働形態ですので、注意が必要です。

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制は労働者が私生活と業務の調和を図りながら働けるようにすることを目的とした制度であり、始業時刻と就業時刻を労働者の判断に委ねる労働形態です。1ヶ月以内の一定期間における総労働時間をあらかじめ設定しておき、労働者はその範囲の中で始業と終業の時刻を自由に決定して労働を行います。週単位で労働時間が法定労働時間内に収まっていれば1日の労働時間の規制が適用されない、変形労働時間制の一種です。

裁量労働制とフレックスタイム制の違い

裁量労働制とフレックスタイム制とでは、労働時間の算出の仕方が異なります。フレックスタイム制は出退勤の時刻が自由なだけで、労働時間自体は実労働時間を集計して算出します。一方、裁量労働制は先述の通り、実労働時間にかかわらずに労働時間を一定時間とみなして計算します。

裁量労働制における勤怠管理の重要性

裁量労働制は労働時間の管理を労働者に任せるため、勤怠管理は必要ないと誤解されがちですが、たとえ裁量労働制を適用している場合でも勤怠管理は必ず行わなくてはなりません。

労働時間の把握が必須項目

その理由のひとつが、使用者は労働者の労働時間を把握しなければならないという点です。出退勤の時間は自由ですが、裁量労働制を適用する場合は「労働者の健康・福祉を確保するための措置」をとることが使用者に義務付けられているため、その一環として、労働者の労働時間を正確に把握しなければなりません。

裁量労働制であっても割増賃金は発生

2点目に、裁量労働制であっても、そうでない場合と同様に割増賃金は発生します。したがって休日や深夜労働には別途割増賃金を支払う必要があるため、そのためにも適切な勤怠管理を行うことが必要です。

まとめ

今回は裁量労働制の意味や企画業務型と専門業務型の違い、裁量労働制とフレックスタイム制との違い、裁量労働制における勤怠管理の必要性について解説してきました。この機会に自社の労働形態について一度見直してみてはいかがでしょうか。

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