オープンブックマネジメントとは?得られる効果と注意点について解説

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オープンブックマネジメントとは、経営側が財務情報や経営状況を全従業員に共有する、全員参加型の経営手法のことを指します。全従業員が財務情報や経営状況を理解することで、企業全体で目標達成に向けて協力し合う文化が促進され、生産性の向上につながります。一方、財務情報などを従業員に共有することで、情報漏洩のリスクも高まります。そのため、企業は情報共有の範囲や方法に工夫が必要です。

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オープンブックマネジメントを活用する企業が増えている

オープンブックマネジメントとは

オープンブックマネジメントとは、財務情報や経営状況を従業員に共有する、全員参加型の経営手法です。「オープン」には「開示」、「ブック」には「帳簿」という意味があり、会計帳簿を全従業員に開示するという意味から、オープンブックマネジメントと言われています。企業経営の透明性に重きを置いた経営手法であり、企業と従業員の信頼関係が向上するのも、オープンブックマネジメントのメリットの一つです。一方、機密性の高い情報を不特定多数の従業員に共有するため、情報漏洩のリスクが高まるというデメリットもあります。

オープンブックマネジメントが注目される背景

そもそもオープンブックマネジメントとは、マネジメント・ライターのジョン・ケース氏が1990年代に著書「Open-Book Management」のなかで提唱した経営手法です。オープンブックマネジメントが注目されるようになった背景には、ビジネス環境が目まぐるしく変化するなか、トップダウン型の従来のマネジメント手法では成果が出にくくなったことがあります。経営や業績が不透明だと、経営層は「従業員は当事者意識や危機感が足りない」といった不満を、従業員は「不透明な経営や業績の不振は経営層に責任がある」といった不信感を抱きがちです。従業員も一人ひとりが当事者意識を持って業務を遂行することが求められるなか、経営層と従業員の乖離を解消する手法として、労使間で情報を共有するオープンブックマネジメントが注目を集めています。

オープンブックマネジメントで実施すること

オープンブックマネジメントで実施すべきことは、以下の3つです。

  • 数字の共有
  • 権限の移譲
  • 評価制度のルール化

まずは、会計帳簿そのものや企業が利益を生む仕組み、資金の流れといった数字を従業員に共有します。その上で、当事者意識を持って業務を遂行できるよう権限を移譲し、現場にある程度の裁量を与えることが重要です。また、数字に紐づいてどのような評価や処遇を受けるのか、評価制度や評価基準をルール化する必要があります。経営の透明性を高め、企業と従業員の信頼関係を構築するには、成果を公平・公正に分配する仕組み作りが必要不可欠です。

オープンブックマネジメントで得られる効果

生産性が向上する

オープンブックマネジメントは、従業員の生産性を高めます。全従業員が自社の財務情報や経営状況を把握できていれば、従業員が一丸となって課題の解決や経営目標の達成に向けて注力することが可能です。経営に関わっているという当事者意識が芽生えることで、どのように動けば企業の利益を最大化できるのかを考えて行動するため、従業員の生産性が向上します。このような意識が企業文化として浸透すれば、従業員の積極性が増し、ひいては組織としての生産性を高めることも可能です。

企業と従業員の信頼関係が強まる

オープンブックマネジメントは、企業と従業員の信頼関係を強化します。自社の財務情報や経営状況といった、トップダウンで共有される情報は、従業員にとっては分かりにくいものです。しかし、財務情報や経営状況を開示することで当事者意識が芽生え、従業員一人ひとりが企業にとってなくてはならない存在であると実感できます。情報を公開して経営の透明性を高めることで、はじめて企業と従業員の信頼関係を構築することが可能です。ただし、単に情報を公開しただけでは、従業員は内容を理解できません。従業員の財務リテラシーや情報公開の範囲を十分検討した上で、段階的に情報を公開することが重要です。

経営の課題を認識できる

オープンブックマネジメントによって財務情報や経営状況を公開することで、従業員は自社の経営課題を認識できます。経営や業績が不透明だと、経営層は危機感を持っていても、従業員は当事者意識を持てず、労使間に乖離が生じてしまうケースも少なくありません。オープンブックマネジメントによって自社の置かれた状況を共有することで、このような乖離を解消することが可能です。また、情報共有によって全社一丸となって経営課題の解決に注力できるため、経営促進も期待できます。

オープンブックマネジメントの注意点

情報漏洩のリスクが高まる

オープンブックマネジメントは機密性の高い情報を不特定多数の従業員に共有するため、情報漏洩のリスクが高まります。ただし、上場企業や大企業の場合はそもそも財務諸表の開示義務があるため、情報漏洩を考慮する必要はありません。一方、非上場の中小企業は、競合他社に財務情報や経営状況を知られたくないと思うのも当然です。しかし、財務情報が公開されたからといって競争上の優位性が損なわれるわけではないため、一概にデメリットと言えないのも実情です。逆に、オープンブックマネジメントはメリットも大きいため、過度に心配する必要はありません。

部署ごとに公開する情報を選定する

オープンブックマネジメントを実行する場合、すべての情報を突然公開すると逆効果になってしまう可能性もあります。例えば、財務リテラシーの低い従業員に細かな情報を公開すると、誤解が生じて不信感を抱かれてしまうケースも少なくありません。オープンブックマネジメントを導入する場合、まずは財務リテラシーを養う教育の機会を設け、習熟度に応じて段階的に情報を公開することが重要です。また、無用な混乱を生まないためにも、部署ごとに公開する情報を取捨選択し、自分の部署に関係ある情報のみを公開しましょう。

財務データに紐づけた説明が求められる

経営方針や経営戦略を共有する場合は、財務データに紐づけて説明する必要があります。例えば、過去の財務データから実際の数字を共有することで、従業員に当事者意識や危機感が芽生えやすくなるでしょう。また、売上高がいくらで営業利益がいくら、というように数字を細かく分解し、従業員の働きがどのように企業の利益に結びついているのかを示すことも大切です。このように、オープンブックマネジメントでは過去の財務データを細かく分析しながら、来期以降の課題を具体的な数字に落とし込み、従業員と共有します。具体的な数字から、従業員一人ひとりがどのくらい働けばよいのかを意識付けることが重要です。

まとめ

今回はオープンブックマネジメントについて解説しました。オープンブックマネジメントとは、財務情報や経営状況を従業員に共有する、全員参加型の経営手法です。生産性の向上や、企業と従業員の信頼関係の強化といった効果が期待できます。一方、情報漏洩のリスク、公開すべき情報の選定、財務データに紐づけた説明などには留意が必要です。労使間の乖離を解消し、信頼関係を構築する手段として、オープンブックマネジメントの導入を検討してみましょう。

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