自律分散型組織とは?自律分散型組織のメリットと注意点について解説

2024年4月9日

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自律分散型組織とは、役職による指示系統が存在せず、各従業員がそれぞれに意思決定権を持ち、自律的に動くことで運営する組織のことを指します。自律分散型組織では、ヒエラルキーによる圧力がなく、各従業員がそれぞれ臨機応変に動くことができるため、企業全体としても柔軟に変化に対応することが可能になります。しかし上司やリーダーが存在しない自律分散型組織では、各従業員が自らの業務を自己管理する必要があるため、高い自己管理能力が求められます。

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自律分散型組織が注目されている

自律分散型組織とは

自律分散型組織とは、管理監督者による指示ではなく、各従業員の自発的な行動や意思決定によって自律的に運営される組織のことです。英語では「Decentralized(分散型)Autonomous(自律的)Organization(組織)」と言い、頭文字を取って「DAO(ダオ)」などと略される場合もあります。DAOは従来の中央集権型組織のようなヒエラルキー構造を持たず、管理職層を廃したフラットな構造の組織です。ヒエラルキーに縛られることなく、各従業員が臨機応変に対応できることから、変化の激しい内外環境や新しい働き方にも対応しやすくなります。

自律分散型組織の種類

自律分散型組織は、アジャイル型組織・ティール組織・ホラクラシー組織の3種類に分類できます。アジャイル型組織は、業務の遂行と平行して改善を続ける組織形態です。権限を持つ小規模チームを形成し、各チームが課された業務を遂行していく問題解決型の組織を指します。ティール組織は組織改革の専門家であるフレデリック・ラルー(Frederic Laloux)氏が提唱した概念で、5段階に分類された組織進化の最終的な段階です。従来のマネジメントとは異なる考え方で、組織を一つの大きな生命体として捉え、メンバー同士が共鳴しあいながら進化する組織を指します。ホラクラシー組織は、各メンバーが裁量権を持ち、上下の関係ではなく横の繋がりで成り立つ自律的な組織です。ホラクラシー組織では、グループごとに明文化されたルールに則り意思決定を行います。

自律分散型組織の必要性

自律分散型組織が求められる背景には、VUCAへの対応が挙げられます。VUCA(ブカ/ブーカ)とは「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取った略語で、日本語では「目まぐるしく変化する予測困難な状況」を表すビジネス用語です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックや、世界各地で勃発する戦争の影響で、より一層困難を極めており、VUCAへの対応はあらゆる組織において喫緊の課題となっています。自律分散型組織は、上からの指示ではなく各従業員が自発的に行動するため、ビジネス環境や働き方の変化に対応しやすく、VUCA時代に必要性が高まっている組織形態です。

自律分散型組織のメリット

従業員エンゲージメントが向上する

自律分散型組織では各メンバーに裁量権や意思決定権が与えられるため、当事者意識が強く醸成されます。日頃の業務を通して組織への貢献を強く実感することから、従業員エンゲージメントが向上するのも大きなメリットです。愛社精神とも言える従業員エンゲージメントが向上するとモチベーションも高まるため、生産性や仕事の質も向上します。仕事の質が向上すると、顧客が企業に感じる愛着を示す顧客エンゲージメントも高まるため、最終的には企業価値が向上するのも重要なメリットです。

業務効率化を図れる

従来の中央集権型組織では、経営層が会社の方針を策定し、各部署・部門の管理職やリーダーがチーム目標に落とし込んで、各チームメンバーに業務指示を出すという流れで仕事を行ってきました。いわゆるトップダウンの手法は、方針策定から業務遂行までにタイムラグがあり、業務改善にも多大な時間と手間がかかるという問題があります。一方、自律分散型組織は各メンバーが裁量権を持つため、意思決定のスピードが早いのも特徴です。メンバーの意思決定が直接業務に反映されるため、稟議制のように起案と承認を繰り返す必要もありません。

従業員の個々の強みを発揮しやすい

自律分散型組織は、従業員が持つ個々の強みを発揮しやすいのも特徴です。各メンバーに大きな裁量が与えられるため、自由に意思決定をしながら自分らしく業務を遂行できます。意思決定をする場合も、中央集権型組織のように上司にお伺いを立てたり、稟議を通したりする必要もありません。そのため、各メンバーの考えがダイレクトに仕事に反映され、個人の持つ知識や能力、才能などを遺憾なく発揮しやすくなります。現場で自由に意思決定をできるため、経営層や管理職層では思いつかなかったようなアイデアが生まれやすくなるのもメリットです。

自律分散型組織の注意点

高い自己管理能力が求められる

自律分散型組織は中央集権型組織とは異なり、従業員を管理監督する管理職やリーダーがいません。自律分散型組織では、自ら考え、意思決定をし、進捗管理を行って仕事を遂行する必要があります。自分自身を律する高度な能力が求められるため、自己管理能力が低い従業員は仕事が滞り、最終的には事業運営に影響を及ぼす恐れもあるため注意が必要です。自己管理能力の低下を防ぐ対策としては、グループやチームごとに進捗を管理したり、経営層と従業員が定期的に面談したりして、業務遂行に問題がないことを確認する方法が挙げられます。

情報共有が困難になる

従業員個人が裁量権や意思決定権を持つ自律分散型組織では、上司の許可を得たり稟議を回したりする必要がありません。自らの意思決定に基づき自律的に業務を遂行するため、自分の仕事を他部署や他部門に情報共有しにくくなるという問題があります。例えば、何らかのミスやトラブルが発生した場合でも、周囲がその事実に気づきにくいのは深刻な問題です。内容の如何によっては、経営を脅かすリスクに発展する恐れもあります。このようなリスクを回避するには、課題を共有できるミーティングの場を定期的に設けるなど、情報共有と課題解決の仕組みを構築しておくことが重要です。

リーダーシップが欠如する

自律分散型組織はリーダーシップを持って組織を牽引する人材が不要となるため、組織としてのリーダーシップが欠如する恐れがあります。トップダウンで組織を動かさなければならない場合であっても、MVV(Mission・Vision・Value)などが十分に伝わらず、従業員がついてこないかもしれません。マネジメント人材が育ちにくい環境でもあり、重要な局面で決定力が不足してしまう可能性もあります。意思決定のミスマッチを防ぐためには、MVVを全社で共有し、従業員に浸透させることが重要です。

まとめ

今回は自律分散型組織について解説しました。自律分散型組織はDAOといい、管理監督者の指示ではなく、各従業員が自発的に考え行動し、自律的に運営される組織です。従業員が臨機応変に動くため変化に対応しやすく、VUCA時代の現代ではその必要性が日増しに高まっています。従業員エンゲージメントが高まり、業務効率化を図れる一方、高い自己管理能力が求められ、情報共有が難しくなる恐れもあるため注意が必要です。

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