水平分業とは?垂直統合との違いについて徹底解説

水平分業とは?垂直統合との違いについて徹底解説

水平分業とは、製品の企画・開発・製造・販売などの工程を、分野ごとに強みを持つ複数の企業が分担して担う形態を指します。すべての工程を一社で担う垂直統合とは異なり、外部企業と役割を分け合う点が特徴です。各社が専門領域に集中できるため、効率的な事業運営やコスト負担の分散が期待されます。一方で、企業間の連携や調整が不可欠であり意思疎通の難しいことや市場変化へ追随できないリスクがあるといった課題も生じます。今回は、水平分業の特徴や垂直統合との違いなどについて解説します。

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水平分業とは

複数企業で工程を分担する形態

水平分業とは、製品やサービスのサプライチェーンにおいて、複数の企業がそれぞれの得意分野を担い、工程を分業するビジネスモデルを指します。多くの場合、製品の核となる開発や製造、販売などは自社またはグループ会社が担当し、それ以外の業務を外部企業へ委託する構造が一般的です。専門性の高い企業と連携することで、自社の弱みを補完できる点が大きな特徴です。また、設備投資や人材確保にかかる負担を抑えながら、経営資源を中核業務へ集中できるため、事業の効率化やコスト管理の面でも効果が期待できるでしょう。近年はIT技術の進展によりアウトソーシングが活発化し、水平分業を採用する企業が増えているようです。

水平分業に適した事業

水平分業は、製品の企画や販売に価値が集中する事業に特に適しています。例えば、ある大手IT企業は、最も競争力のある部品や素材を世界中から調達する工程を自社で実施し、組み立て業務は外部企業に委託しています。外部委託によってコア業務にリソースを割けるようになったことで、商品企画と販売に専念し高い利益を確保しているようです。また、技術革新の速い分野では、異業種や他社との戦略的連携により、ソフトウェアや設計を自社が担当し、製造を専門企業に任せるケースもあります。このように、水平分業を取り入れると、専門性を活かしつつ効率的に事業を拡大できるかもしれません。

半導体産業における水平分業の広がり

近年、半導体業界では水平分業が急速に広がっています。特に工場を持たない半導体メーカーは、製造を外部の受託会社に委託し、自社は設計や開発に集中することで競争力を高めているようです。ある調査によると、ファウンドリー市場は前年比で20%以上の成長が予測されており、外部委託による生産体制が業界全体の拡大を支えています。また、従来は半導体製造に関わってこなかったITやクラウド関連企業も、自社向けの半導体設計に参入するケースが増えており、水平分業を活用することで、新規参入や事業拡大のハードルが下がっていることがわかります。

 

水平分業の特徴

事業の効率化とコスト分散が図れる

水平分業の大きなメリットの1つは、投資リスクを抑えられることです。企業は自社の得意分野やコア業務に集中できるため、不要な設備投資を削減でき、事業が期待通りに進まなかった場合の損失も最小限に抑えられます。また、得意分野以外の業務に割く労力を減らすことで、全体の業務効率も向上します。さらに、自社の強みや専門性(コア・コンピタンス)を明確にすることで、差別化を図りやすくなり、新商品や新技術の開発に追加投資する余力も生まれます。こうした点から、水平分業はリスク管理と効率向上の両方に貢献する手法といえるでしょう。

市場変化への追随が遅くなる

得意分野に資源を集中する企業では、その分野の市場が縮小した場合に、迅速な対応が難しくなるケースも少なくありません。また、複数の企業が関わるサプライチェーンでは、受託会社を含めた全体の意思疎通や調整がどうしても複雑になりやすく、市場や経済の変化に柔軟に対応することが困難です。このように、水平分業は効率化や専門性の向上というメリットがある一方で、市場変化への追随が遅くなるリスクもともないます。

イノベーションを生む可能性がある

市場変化への追随に課題がある一方、水平分業は革新的な製品開発を可能にする例もあります。その代表例がアクションカメラ市場で急成長したGoPro社です。設立者のニコラス・ウッドマンは、サーファーがカメラを装着して撮影していた光景をヒントに、サーファー目線で迫力ある映像を撮影できる小型カメラを開発しました。このとき、主要デバイスはソニーから調達し、生産は自社工場を持たずファブレスで行う水平分業型を採用しました。その結果、2010年ごろからアクションカメラ市場で注目を集め始め、最終的にはシェア1位を獲得するまでにいたりました。競争の激しい市場で短期間に力をつけた例として、水平分業がイノベーションを促すモデルとしての可能性を示しているでしょう。

 

垂直統合との違い

「垂直統合」は、すべての工程を一つの企業グループで完結させる形態

垂直統合とは、製品の企画・開発から設計、部品調達、製造、販売まで、上流から下流の工程を一社または1つの企業グループで完結させるビジネスモデルです。この形態のメリットとして、企業内に多彩なノウハウを蓄積できることや、設計書や生産プロセスなど機密性の高い情報を保護しやすいことが挙げられます。特に製造業では、自社内で蓄積したノウハウを別の製品や事業に活用できる点が大きな強みといえるでしょう。過去に世界で成長した日本の代表的な製造企業も、この垂直統合の体制を持つことで技術力を高め、国際競争力を築いたと評価されることがあります。

人材活用からみる「水平分業」と「垂直統合」

水平分業と垂直統合は、人材活用の方法にも当てはまります。自社で採用・教育した社員を中心に業務を進める場合は「垂直統合」、外部の専門人材を積極的に活用する場合は「水平分業」に分かれます。人材活用における垂直統合のメリットは、社員のエンゲージメント向上や長期間にわたるノウハウの蓄積ができる点です。一方、水平分業は外部の専門家を取り入れることで課題解決や業務改善が迅速に進み、企画開発の効率も高められます。ただし、水平分業では内部人材のモチベーション低下や、企業独自の強みや専門性(コア・コンピタンス)を損なうリスクも考えられます。そのため、内部と外部の人材活用のバランスが特に重要になります。

自社に適した分業形態はどちらか

「水平分業」と「垂直統合」のどちらのモデルを選ぶかは、企業ごとの状況によって異なります。近年はITAI技術の発展により、業務プロセスを自動化したり、アウトソーシングを導入したりすることへの抵抗感が減少しているためか、水平分業を採用する企業が増えているようです。これにより、業務効率や生産性の向上が期待できるため、時代に合った選択といえるかもしれません。ただし、企業独自の強みや得意分野を維持している場合は、垂直統合を継続する方がその価値を守ることにもつながります。水平分業を導入する際は、自社の強みや得意分野を整理し、リスクがある側面を十分に検討したうえで導入を進めましょう。

 

まとめ

水平分業とは、複数の会社が得意分野を分担し、事業全体の効率化やコスト分散を図る手法です。専門性を活かせる一方、市場変化への対応力低下といった課題もあります。垂直分業との違いを理解したうえで、自社の強みや人材活用を踏まえ、最適な分業形態を選択することが重要です。

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