寝坊や遅刻を繰り返す社員への対応を解説!

2020年6月5日

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職場に遅刻を常習的に繰り返す社員がいる場合、企業の秩序に悪影響を及ぼす可能性があります。まずは遅刻の原因を探し、根本から遅刻癖を直す必要があります。また、遅刻の際の処分やペナルティなどを明示し、繰り返さないように指導しましょう。今回は、遅刻を繰り返す社員の原因の探り方や、指導方法とその際に気をつけるべきポイント、懲戒の可能性について解説していきます。

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遅刻を繰り返す社員への初動対応

当該社員を頭ごなしに叱りつけるだけでは意味がありません。初動対応としては、遅刻などの勤怠に関する事態が発生した際に必要となる手続きや懲戒処分の可能性など、具体的な罰則規定を示唆した上で、徹底した指導を行うことが大切です。

遅刻をする原因の探り方

遅刻しがちな社員の勤怠を改善するには、その原因を把握することが一番の近道です。具体的には、当該社員と上司の1on1や、人事部社員も参加しての2on1でヒアリングを行うことなどが挙げられます。中には家族の介護などといったセンシティブな事情を抱えていることも少なくありません。社員の様子を見つつ、必要に応じて人事部と連携するなど、柔軟な対応を心掛けましょう。

  • 社員本人に責任がないもの
  • 遅刻をしてしまう理由の中には、公共交通機関の遅れなど、本人には手の打ちようがないものもあります。このようなケースで懲戒処分を行なうことは妥当ではありません。
    なお、労働基準法で「ノーワーク・ノーペイの原則」が定められているため、遅刻をした時間分の給与を支払わないという対応は可能です。しかし、安易に罰則的な対応をとるよりは、事前に遅れを見込んで始業時刻に間に合うように出社するよう促すなど、まずは注意指導をベースとした対応を検討するのが良いでしょう。

  • 社員本人の責任によるもの
  • 寝坊など、社員本人の責任による遅刻ももちろんあり得ます。雇用契約では企業と社員の間で労務提供を行う時間である「所定労働時間」が明確に規定されており、寝坊で遅刻を繰り返すなどという行為は、この所定労働時間に関する契約を反故にする「労務提供義務違反」にあたります。
    こうした違反を放置してしまうと、周囲の社員へ悪影響を与えてしまうことも考えられます。そのため、特段深刻な理由もなく遅刻を繰り返す場合には、より厳しく注意指導を行う必要があります。

注意指導の方法

注意指導を行う方法には、口頭および書面での注意や面談によるヒアリングなど、段階や状況によりいくつかの方法があります。口頭で注意指導を行っても遅刻が頻発してしまうようであれば、面談で問題点の洗い出しや可能な対応を練るのも方策の1つです。このような対応を行うことで、自然と当該社員の勤怠が改善していくことも期待できます。

指導の際に気を付けるべきポイント

注意指導を行う中で、遅刻をしてしまう理由が、当該社員本人も認識していない深刻な問題によるものであると発覚するケースも存在します。例えば、睡眠時無呼吸症候群や鬱といった心身の病による遅刻だった場合などです。そのため、懲戒処分などの可能性を伝えて反省を促すことも大切ですが、遅刻の責任の所在についてはじっくりと確認を行うよう、細心の注意を払いましょう。
なお、このような申告な問題の可能性がある場合の対策としては、当該社員の様子を直に観察し、必要を感じれば産業医やかかりつけ医への受診をすすめる、といったことが挙げられます。

社員の遅刻に関するNG対応

社員の遅刻に関する主なNG対応は、以下のとおりです。

  • すぐに懲戒処分を行う
  • 遅刻をした従業員に対して注意指導を行わず、すぐに懲戒処分を実施することは避けましょう。懲戒処分を行うには客観的かつ合理的な理由が必要です。注意や指導といったステップを行わずに懲戒処分を行うと、懲戒権を濫用したとみなされる可能性があります。

  • 何も対応しない
  • 遅刻に対して何も対応を行わないのも良くありません。対応を行わないままでは、ほかの従業員へ悪影響が発生するなど、企業においての損失が懸念されます。遅刻を繰り返す原因がメンタルの不調だった場合に的確な対応を行わなければ、企業の安全配慮義務違反に問われる恐れもあるのです。

  • 理由の確認を行わない
  • 勤怠不良となっている従業員に対し、理由の確認を怠ってはいけません。遅刻を繰り返すからといって、従業員の怠慢によるものと決めつけてしまうことは危険です。子育てや介護など、やむにやまれぬ事情があるケースも考えられます。また、メンタルの不調に理由があった場合は、早期の対応が求められます。まずは従業員に、遅刻の理由をヒアリングしましょう。

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懲戒処分を行う際の注意点

遅刻を繰り返す社員が心身に深刻な問題を抱えておらず、再三の注意指導でも勤怠状況が改善されない場合には、社内規定に則った「懲戒処分」を検討することになるでしょう。
ここでは、懲戒処分を行う際の注意点を解説していきます。

注意指導記録を確認する

懲戒処分の検討段階で最も重要な根拠となるのが、それまで行ってきた注意指導の記録です。いつ・どのような理由による遅刻があり、どのような注意指導を行ってきたのかという記録を、できるだけ詳細に残しましょう。細かく記録されていれば、人事部などへの報告ですぐに活用することが可能です。
また、詳細な記録を残しておくことで、後から「言った・言わない」のトラブルが発生することを未然に防ぐこともできます。懲戒処分の検討材料としても、無用なトラブルを避けるためにも、正確かつ詳細な内容の注意指導記録は有用です。

就業規則・雇用契約を確認する

多くの企業では、雇用契約書や就業規則の中に「懲戒事由の定め」がしっかりと明記されています。遅刻を繰り返す当該社員も1度は目を通し、内容を理解した上で署名捺印をしているでしょうから、それらの記載に不備がなかったかどうかについても念のため確認をしておきましょう。
こうした書類は、基本的に社員と企業の双方で保管がなされているため、「言った・言わない」のトラブルは発生しません。注意指導記録と併せて提示することで、「懲戒事由の定めに抵触したため就業規則に則り懲戒処分を行う」という企業側の意思を、反発を抑えつつより明確に示すことができるでしょう。

段階を踏んで懲戒処分を行う

就業規則・雇用契約書に「懲戒事由の定め」の明記があり、これを犯しているという認定があって初めて、企業側は社員の懲戒処分の検討が可能となります。懲戒処分には多くの種類・段階が定められており、通常一足飛びに重い処分を課すことはできません。ここでは、懲戒処分の内容を3段階に分けてご紹介します。

  • 戒告・譴責(けんせき)
  • 「戒告」と「譴責」は、懲戒処分の中でも軽いものです。口頭あるいは書面によって注意を行うことで、規則を犯してしまった当該社員に対して反省を促します。戒告は口頭で反省を伝えるだけで処分が完了しますが、譴責は「始末書」などの書面の提出が求められます。自分がどのような懲戒事由を犯してしまったのかを記載し、それに対する反省・謝罪を行った上で、「同じ間違いを犯さない」と誓約するのが一般的です。

  • 出勤停止・減給
  • 「出勤停止」は、労働契約を継続しつつ、懲戒事由に抵触した罰則として一定期間当該社員の就労を禁止する処分です。出勤停止期間中は勤続年数に通算されず、給与の支給もないのが一般的です。
    「減給」は、労働基準法で定められている規定に基づき、当該社員が本来企業に対して行うはずだった労務提供への報酬、つまり給与額から一方的に一定額を差し引く処分を指します。なお、同じく労働基準法で規定されている「ノーワーク・ノーペイの原則」に基づき給与がカットされることもありますが、これは懲戒処分における減給にはあたりません。

  • 懲戒解雇
  • 懲戒処分の中でも最も重い処分とされるのが「懲戒解雇」です。主に会社秩序違反行為に対する制裁罰として課されます。例えば、業務上の地位を利用した犯罪や重大なハラスメント行為など、特に悪質なケースでの適用が一般的で、遅刻を理由とした懲戒処分ではあまり見られないものです。最終的に解雇という結果になるとしても、前述のような相当の理由がない限りは、依願退職をすすめるか、通常の解雇として処理を行うのが適切でしょう。

まとめ

「遅刻をしない」ということは、社会人として当然の常識です。やむを得ない理由もなく遅刻を繰り返す社員を放置することは、社内秩序を乱すだけではなく業績にも関わる問題にもなりかねません。企業として懲戒処分などを検討する際には、無用なトラブルを回避するためにも段階を踏み、詳細な注意指導記録を残しておくことをおすすめします。

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