KPI(Key Performance Indicator)とは、重要業績評価指標と訳され、最終目標における達成度合いを定量的に計測・評価するための指標のことを指します。KPIを設定することで、目標達成に向けて最短ルートで個々人が活動することができるようになります。KPIを設定する際には、「SMARTの法則」や「KPIツリー」が効果的です。今回は、KPIの意味、得られる効果や設定方法について解説します。
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KPIとは
KPIは、日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」などと訳される言葉です。その名の通り、企業において重要な業績を用いて、最終的な目標までの道筋を明確にする指標や数値を指します。目標までのプロセスや進捗を、KPIという可視化できる指標を用いれば、ゴールや目標達成までの動向を明確に示すことが可能です。
KGIとの違い
企業が設定する目標達成は、KPIのほかにも「KGI」という似た名称の指標もあります。KGIは「重要目標達成指標」と訳され、KPIを設定した先にある最終目標やゴールをKGIとして設定するものです。つまり、KPIを設定した先にある目標がKGIであり、KGIの目標に合わせたKPIを組み立てていくという関係性になっています。
KPIが必要とされる背景
KPIをはじめとした目標設定を管理する重要さは、現代社会における人材の多様化や、業務プロセスの肥大化・煩雑化などが理由として挙げられるでしょう。市場経済のデジタル化やグローバル化などにともない、これまでになく多くの情報と対峙し、業務をこなさなければいけません。このような複雑な状況を整理し、正しい筋立てをあらかじめ把握しておくことで、最終目標への達成率を高めることが狙いのひとつなのです。
KPIの導入で得られる効果
目標が見える化する
達成したい最終目標を山の頂上と想定したとき、わかりやすい登山道がなければどのように山を登ればよいのかわかりません。そこで、KPIでは登山道のように、目標にたどり着くまでにこなす必要のあるプロセスや業務、小さな目標を策定でき、頂上に進むための道筋を示す役割を果たします。
モチベーションがアップする
目標までの道筋が明確になると、企業やそこで働く従業員にとっても指針となり、効率よく主体的に業務を遂行できる環境が整います。従業員それぞれが与えられた業務の意味や重要性を理解し、目標達成への道筋が共有されていれば、働くモチベーションの向上につながります。
公平な評価基準を設定できる
従業員の評価基準が定量化できていない場合、内容によっては企業に対する不信感につながる要因となってしまいます。KPIを設定し組織全体の指標として定めることで、客観的かつ公平に評価基準を定められるようになるため、企業に対する従業員の信頼獲得が期待できるでしょう。また、評価基準が明確であれば評価を下す側にとっても、負担なくスムーズに実施できるメリットもあります。
KPIの設定で有効なフレームワーク
SMARTの法則
KPIをはじめ、目標設定の手法として用いられるフレームワークの一つとして、「SMARTの法則」があります。SMARTの法則は以下の5つの英単語から構成されており、それぞれの頭文字が名称の由来です。
- Specific(具体性)
- Measurable(測定可能)
- Assignable(達成可能)
- Realistic(関連性)
- Time-bound(明確な期限)
KPIは最終目標(KGI)を目指すうえで必要となるプロセスや業務での目標を定めることを念頭に、従業員全員が共通認識として理解できる内容を設定しなければなりません。そのうえで、具体的な数字や比率を測定できれば、結果の共有や課題抽出、業務の改善につながるサイクルが出来上がります。最後に、KPIに期限を設けることで日々の業務やタスクに対して優先順位をつけやすくなり、生産性の向上が期待できるでしょう。
KPIツリー
KPIは最終目標1つに対して複数の設定が基本であるため、KPIツリーという樹形図のようなフォーマットを作成できれば、現在の状況がわかりやすく把握できるようになります。KPIツリーでは各KPIとKGIとの関連性や、達成したKPIとできなかったKPIの可視化が可能です。また、課題や問題点の洗い出しや見直しが早期に実施できたり、目標達成の度合いを一目で把握できたりするメリットもあります。
SWOT分析
SWOT分析は、企業の内部と外部の環境を、以下の4つの要素に分けて現状分析をする方法です。
- Strength(強み)
- Weakness(弱み)
- Opportunity(機会)
- Threat(脅威)
外部の環境要因として、まず「機会」と「脅威」を分析します。機会は市場調査や顧客のニーズ調査などを指し、脅威はその名の通り自社にとって脅威になる経済情勢や市場動向などのことです。次に、自社の強みと弱みをそれぞれ客観的に把握し、どのような点をさらに伸ばすべきなのか、そしてどのような点を改善すべきなのかを導き出します。
まとめ
適切にKPIを設定することによって、企業としてのゴールやそれに向かうための道筋が明確になり、それぞれの従業員が何をすべきなのかを可視化できます。結果を出すためには、ただ目標設定をして満足するのではなく、KPI設定に必要となるフレームワークを生かしながら目標達成を目指しましょう。