男性育休とは?取得者側と企業側それぞれのメリット

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男性育休とは、父親を対象とした育児休暇や育児休業のことです。これまで育休は女性が取得するものというイメージがありましたが、最近は女性だけでなく男性にも育休を求める意識が高まっています。男性育休を行うことで、取得者にとっては夫婦関係の改善や母親が復職を早めることができるといったメリットがあり、企業側には高い男性育児休業取得率を公表することによって、社会的評価が得られるといったメリットもあります。

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男性育休とは?

父親を対象とした育休のこと

男性育休とは、父親を対象とした育児休暇や育児休業のことで、配偶者の出産・育児のタイミングで取得できます。そもそも育児休暇とは、配偶者出産休暇や子の行事参加など育児に関する目的で利用できる休暇制度のことです。育児休暇の導入は会社の努力義務とされています。対して、育児休業は育児・介護休業法第2条に基づく制度(労働者の権利)で、労働者から申し出があれば必ず取得させなければなりません。

男性の育休取得率の現状

男性の育休取得率は右肩上がりで少しずつ上昇しているものの、女性と比較してまだまだ低いのが現状です。厚生労働省「育児・介護休業法の改正について~男性の育児休業取得促進等~」によると、令和3年度の男性の育休取得率は13.97%、女性は85.1%でした。 同資料によると、男性(正社員)について、出産・育児のための休暇・休業の取得を希望していた人のうち、育児休業制度を利用した割合は19.9%に対し、利用しなかった割合は37.5%となっています。育休を利用しなかった理由として以下が挙げられています。

  • 会社で育児休業制度が整備されていなかったから
  • 職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への理解がなかったから
  • 収入を減らしたくなかったから

このように、育児休業制度の未整備や理解不足、金銭的な問題などが、男性が育休を取得できない要因となっています。

令和4年4月1日より、改正育児・介護休業法が施行

厚生労働省は、男性が育休を取得しづらい環境を変えるために、育児・介護休業法を令和4年4月1日より段階的に改正することを決定しました。改正ポイントは以下のとおりです。

  • 雇用環境整備、個別の周知・意向確認の措置の義務化
  • 育児休業と産後パパ育休を取得しやすい環境づくりのために、育児休業・産後パパ休業に関する研修の実施や相談窓口の設置、取得事例の収集・提供、周知などの措置が義務づけられました(雇用環境整備)。また、本人または配偶者の妊娠・出産を申し出た労働者に対して育休に関する事項の周知と休業の取得意向の確認を個別に行わなければなりません(個別の周知・意向確認の措置)。

  • 有期雇用労働者の育児・介護休業要件の緩和
  • 改正前は、➀引き続き雇用された期間が1年以上②1歳6か月までの間に契約満了しない、いずれも満たす労働者が育児休業や育児休業給付の対象者でしたが、改正後は②のみになりました。

  • 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
  • 子の出生後8週間以内に4週間まで、2回に分割して取得できる制度です。労使協定を締結した場合は、労働者が合意した範囲で休業中の就業もできます。

  • 育児休業の分割取得
  • 子が1歳(最長2歳)まで育児休業制度を分割して2回取得できるようになりました。

男性育休の取得者側のメリット

育児休業給付金や社会保険免除制度を利用できる

雇用保険の被保険者であれば、子が1歳(両親が取得する場合は1歳2か月。保育所に入所できない場合は最長2歳)に満たない子を養育するために育休を取得した際に育児休業給付を受けられます。詳しくはハローワークにあるリーフレット「育児休業給付の内容及び支給申請手続について」をご確認ください。育児休業給付は非課税で、育休中は健康保険料や厚生年金保険料など社会保険料が免除されます。休業前の手取り賃金の8割程度が支給されることになるため、経済的にも安心して育児に専念できるでしょう。

妻の産後うつを防げる

産後の妻の死因1位は自殺で、産後うつのピークは2週間~1か月とされています。産後は女性が母体回復のために安静にしなければならない時期でもあるのです。この期間に男性がまとまった育休を取得し育児や家事に積極的に参加することで妻の負担を軽減し、産後うつの予防が期待できます。女性の「自分ばかり育児している」という気持ちを解消し、夫婦関係も良好に保てるでしょう。

妻のキャリアロス期間を短縮できる

男性が育休を取得することで妻は復職を早められ、キャリアロス期間の短縮が可能です。なかには、男性が6か月間育休を取得したことで、仕事へ1年以内に復職できたという女性もいます。 就業中断期間が短いことで、復帰後の順応も比較的スムーズになるようです。

男性育休の企業側のメリット

助成金を受けられる

男性労働者の育休取得に貢献した中小企業には「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」が支給されます。支給要件は以下のとおりです。

  • 第1種:男性が育休を取得しやすい「雇用環境整備」「業務体制整備」を実施し、子の出生後8週間以内に開始する連続5日間以上の育児休業を取得した男性労働者が出た場合
  • 第2種:第1種を受給した事業主において、3事業年度以内に育児休業取得率の数値(%)が30ポイント上昇した場合

表はスライドできます

育児休業 男性の育休取得者 支給額
第1種 20万円

代替要員加算:20万円

※代替要員を3人以上確保した場合は45万円

第2種 第1種の受給後、

  • 1事業年度以内に30ポイント以上上昇:60万円(75万円)
  • 2事業年度以内に30ポイント以上上昇:40万円(65万円)
  • 3事業年度以内に30ポイント以上上昇:20万円(35万円)

※()内の金額は、生産性要件を満たした場合の支給額

企業のイメージアップにつながる

厚生労働省イクメンプロジェクト「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」の公表による企業のメリットとして、以下の回答が寄せられています。

  • 社内の男性育休取得率の増加
  • 男性の育休取得に対する職場の雰囲気のポジティブな変化
  • 新卒・中途採用応募人材の増加
  • メディアからの問い合わせの増加
  • 他企業からの問い合わせの増加

これらの回答から、企業のイメージアップによって人材獲得の面でも効果を感じている企業があることがわかりました。 

従業員エンゲージメントが向上する

厚生労働省イクメンプロジェクト「令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査」の育休取得率向上に向けた取組による効果として、以下の回答が寄せられています。

  • 職場風土の改善
  • 従業員満足度・ワークエンゲージメントの向上
  • コミュニケーションの活性化
  • くるみん認定等の認定取得
  • 離職率の低下
  • 労働生産性の向上

これらの回答から、男性の育休取得率向上の取組は、育休の取得を希望している当事者だけでなく、他の従業員のワークエンゲージメントや人材確保など企業全体へ好影響を及ぼすと考えられます。

まとめ

ここまで、男性育休の概要や、取得者側と企業側のそれぞれのメリットについて解説しました。男性労働者が育休を取得しやすくすることで、企業は助成金の受給を受けられるほか、企業のイメージアップや人材確保、従業員エンゲージメントの向上などさまざまなメリットを得られます。この機会に、自社の男性労働者の育休促進に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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年次有給休暇の基本ルールと取得義務化の注意点について解説!

年次有給休暇の基本ルールと取得義務化の注意点について解説します

目次

  • 1.年次有給休暇5日の取得義務化とは?
  • 2.年次有給休暇についておさらい
  • 3.年次有給休暇5日取得義務化の注意点
  • 4.企業が作成・保管する「年次有給休暇管理簿」とは?
  • 5.企業が行うべき対応
  • 6.AKASHIで従業員の休暇をひとめで管理
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