部下のメンタル不調のサインを見抜くには?テレワーク中のメンタルケアを強化しましょう

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新型コロナウイルスの流行や働き方改革により、テレワークが普及したことで、上司が部下と直接対面する機会が減りました。職場で働く部下の姿を目視出来ないため、ちょっとした変化に気付くことができず、メンタル不調への対策が遅れてしまうケースが考えられます。今回は、メンタル不調の原因や、部下との適切なコミュニケーション、そして部下がメンタル不調になった場合の対応に関して解説します。

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テレワークとメンタル不調の関係

仕事環境の変化

テレワークは、通勤の負担が低減され、自宅や喫茶店などでリラックスしながら働けるメリットがあります。しかし、普段から慣れているオフィス以外の場所での勤務は不便に感じる場面も少なくないでしょう。例えば、自宅に家族がいて仕事に集中できなかったり、家事が気になって休憩時間にも休まず動いてしまったり、自宅のインターネットの通信速度が悪くて思うように仕事が進められなかったりする場合など、小さな変化や問題が積み重なり、大きなストレスの原因になってしまうことが考えられます。

コミュニケーション不足からくる孤独感

オフィスでは、上司や同僚とコミュニケーションを取る機会があります。たとえ些細な会話であっても、安心感や一体感を生み出すために、コミュニケーションが持つ役割は重要です。そのため、テレワークで一日中誰とも会話しない日が続くと、人によっては孤独感を抱いてしまう場合があります。また、業務のフィードバックなども大切なコミュニケーションのひとつです。テレワーク下では、自分の仕事ぶりに対して正しい評価がされているかどうか不安になりがちなので、評価方法にも工夫が必要です。

コロナ疲れ

新型コロナウイルスは、仕事だけでなく私たちの生活全体に大きな変化を及ぼしました。ソーシャルディスタンスの徹底やマスクの着用など、決まりごとが増えた生活に、いわゆる「コロナ疲れ」を感じる人は少なくありません。さらに、外食やイベントなど、多くの息抜きや楽しみにも制限がかかるため、ストレスが発散できずに蓄積されやすくなっています。テレワークの導入によって業務上に大きな支障はなくなったとしても、コロナ禍という非常事態において、従業員には少なからずメンタルへ負担がかかっているという意識が大切です。

業務量の増加

コロナ禍において、事業内容を転換せざるを得ない企業は少なくありません。例えば、実店舗における販売業を、オンラインショップに切り替えるケースなどです。このような場合、下準備も整わないまま、初めての業務に取り組まなければならないことも多く、従業員にとって大きな負担になる可能性があります。テレワークをしているとはいえ、業務量がかえって増加し、これまでにない疲労を抱える原因になっているかもしれません。

メンタル不調のサイン

テレワーク下で、部下のメンタル不調に早めに気付くためには、どのようなサインに注意するべきでしょうか。直接顔を見ることができない状況では、以下のような変化に気を付けましょう。

ミスが増えている

業務をするうえで、普段ならしないようなミスが増えてきたと感じたら、メンタル不調のサインかもしれません。ちょっとした失敗は誰にでもあるため、本来であれば気にするものではありませんが、ミスの頻度が増加したり、簡単な業務にもミスが目立つようになったりした場合は、特に注意しましょう。

チャレンジ意欲がなくなる

意欲の低下はうつ病などのメンタル不調の代表的な症状です。仕事にやる気が起こらない、気力が減退している、すべてが億劫だと感じる状態が続くようであれば、メンタル不調が生じているかもしれません。この症状は仕事だけでなく、勉強や家事、楽しみにしていたイベントなど生活全般に影響する傾向があります。

遅刻や欠勤が増える

メンタル不調の特徴的な症状として、倦怠感や疲労感、不眠や眠気などの睡眠障害が挙げられます。テレワークにもかかわらず勤怠が安定しなかったり、オンラインミーティングへの遅刻が多発したりする場合は、メンタル不調が原因となっているかもしれません。このような傾向に早めに気付くためにも、勤怠管理システムを導入するなどして、テレワーク中の従業員の勤怠状況に気を配る必要があります。

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テレワーク中のメンタル対策

コミュニケーションの機会をつくる

テレワークの場合、オフィスで何気なく交わされるコミュニケーションが不足しがちです。距離が離れているぶん、積極的にコミュニケーションの機会を設けましょう。チャットやビデオ通話などのコミュニケーションツールは、すでに多くの企業で導入されています。日常的なやりとりはチャット、会議や個人面談などはビデオ通話、というように、状況に応じて使い分けると効果的です。また、定期的にオフィスに出社する機会をつくり、直接対面して話す場を設けることも大切です。

プレッシャーをかけない

テレワークにおいては、「部下がサボっているのではないか」と、つい考えてしまう上司は少なくありません。実際に、人によってはテレワークで業務効率が落ちてしまうケースがあることも事実です。しかし、だからといって、部下に対し頻繁な業務報告を義務付けたり、働きぶりを疑う発言をしたりすることは、大きなストレスになります。一般に、テレワークは仕事とプライベートをはっきりと区別することは困難です。そのため、一定の業務管理を超え、行動すべてを監視するかのようなマネジメントはやめた方が良いでしょう。テレワークに取り組む従業員を信用し、大まかな管理を意識しましょう。

ストレスチェックやサーベイツールを活用する

テレワーク中の従業員のメンタル状態が気になる場合は、ストレスチェックやサーベイツールを上手に活用してみましょう。インターネット環境やパソコンがあれば誰でも簡単に自身のメンタル状態を把握できるサービスが多数リリースされています。厚生労働省でも、「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を無料で配布しており、ストレスチェックの受検・ストレスチェックの結果出力・集団分析などに対応しています。

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部下がメンタル不調になった場合の対処法

産業保健スタッフに相談する

従業員にメンタル不調の兆候がみられる場合、上司が安易に判断するのは危険です。社内の産業保健スタッフや産業医がいる場合は、対応を引き継ぐべきでしょう。多くの企業では、産業保健スタッフが一次窓口となり、従業員と産業医との面談日程を設定します。産業医からは、従業員の症状に基づいて医学的な立場から、従業員の健康状態や職場環境の改善などについての助言を得られるでしょう。ただし、産業医の役割は診察や治療ではないため、必要に応じて心療内科などへの受診を勧める場合が一般的です。

休職の診断書が出たら速やかに休職させる

従業員が医療機関を受診した結果、「休職を要す」「自宅安静が必要」などの診断が下された場合、企業としては速やかに当該従業員を休職させましょう。その際、従業員は診断書の提出が必要になるため、あらかじめ診断書を取るように伝えておくとスムーズです。
休職が必要と診断されている従業員を働かせることは絶対に避けなければなりません。休職が遅れると体調悪化の危険性があり、企業が安全配慮義務違反に問われる可能性があります。業務の引き継ぎが必要である場合も、できる限り要点のみの確認にとどめ、自宅からメールや電話などを使用して求職する従業員が体力・気力を消耗しない方法で行いましょう。

復帰後の業務量や内容を調整する

部下にメンタル不調の兆候が出たり、それによって休職したりした場合、職場環境や業務内容に問題がないか確認しなければなりません。メンタル不調は、プライベートが原因となって発症することもありますが、長時間労働や職場の人間関係が原因である可能性もあります。場当たり的な対応ではなく、部署や企業組織全体の問題を洗い出し、対策を講じる必要があるでしょう。また、部下の体調不良の原因が職場にある場合、以前と同じ環境に復職させてしまうとメンタル不調が再発してしまう恐れがあります。このような心配がある場合、産業保健スタッフなどと相談のうえ、配置転換などを柔軟に検討していきましょう。

まとめ

最近では、業務上テレワークの実施が難しい業種以外では、多くの企業でテレワークが浸透しています。通勤時間の短縮や、業務の効率化など、従業員と企業双方にメリットの大きいテレワークですが、実施するなかで大小さまざまな問題が指摘されています。特に、従業員の姿が見られないことで、企業側が知らぬうちに従業員のメンタル不調を悪化させてしまうケースが増えています。テレワークは従業員にとって楽な働き方であるという企業側の認識も、従業員に思わぬ負担をかけているかもしれません。部下のメンタルケアを心掛けながら、テレワークのメリットが活かせる運用を目指しましょう。

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