ミッショングレード制とは?制度がもたらす効果や導入手順について徹底解説

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ミッショングレード制とは、役割の大きさや難易度に応じて報酬や評価を行う制度です。この制度によって、公平で納得感のある評価が可能となり、従業員のモチベーションや成長を促進します。一方、業務内容の定義が曖昧だと不公平感が生じるリスクや、評価基準の策定に時間がかかってしまいます。制度の透明性を確保し、明確な基準を設けることで効果を最大化できます。今回はミッショングレード制の意味、効果や導入手順について解説します。

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ミッショングレード制とは

役割に応じて等級を決めその成果を評価する制度

「ミッショングレード制」は日本語では「役割等級制度」ともいい、役割に応じて等級を決め、その成果を評価する制度です。役割(ミッション)と等級(グレード)で序列化するミッショングレード制は、従来の年功序列を置き換える新たな評価制度として導入する企業が増えています。年功序列とは異なり年齢やキャリアにはとらわれず、与えられた役割に対し果たした成果によって評価するのがミッショングレード制の特徴です。難易度が高く、重要度が大きい仕事で成果を出せば、それに見合った評価を得られるなど、客観的な評価がしやすいという特徴もあります。

ミッショングレード制と他の評価制度との違い

人事評価制度には他にも、「職能等級制度(アビリティ・グレード)」や「職務等級制度(ジョブ・グレード)」などがあります。「職能等級制度(アビリティ・グレード)」は、人単位で等級が決められており、職種にかかわらずその人の能力に応じて給与が決まる制度です。経験が重視されるため年功序列の要素が強く、ゼネラリストの育成に向いています。一方、「職務等級制度(ジョブ・グレード)」は仕事単位で等級が決められており、年齢や経験にかかわらず担う仕事によって給与が決まる制度です。欧米では一般的な評価制度で、主にスペシャリストの育成に向いた評価制度といわれています。「役割等級制度(ミッショングレード制)」は役割によって等級が決められており、人にも仕事にも偏ることがない、これら2つの中間的な評価制度です。

ミッショングレード制が求められる背景

ミッショングレード制が求められる背景には、働き方の多様化やビジネス環境のグローバル化などがあります。コロナ禍で働き方が大きく変わり、テレワークやフレックスタイム制といった働き方も一般的になっています。働く場所や働く時間だけでなく、成果に基づく評価が求められた結果、役割に対する成果によって客観的に評価できるミッショングレード制を採用する企業も増えてきました。また、グローバルなビジネスでは柔軟な対応や迅速な意思決定が求められます。日本では一般的な職能等級制度では意思決定に時間を要するため、役割に基づき自律的に行動し、柔軟かつ迅速に対応できるミッショングレード制が求められるようになったのです。

 

ミッショングレード制がもたらす効果

業務内容が明確になり適切な賃金を支払える

ミッショングレード制では業務内容が明確になるため、役割に対する成果に応じて適切な賃金を支払えるようになります。従来の年功序列では企業全体の人件費は年々上昇しますが、ミッショングレード制では役割に対する成果に基づき随時給与が決まります。その結果、成果の伴わない賃金はカットできるため、企業全体としての人件費を削減することが可能です。従業員は成果に応じて適切な賃金を受け取れるため、賃金に対する納得感が大きく、モチベーションも高まる可能性があります。従業員のモチベーションが高まれば生産性も向上するため、最終的に企業価値を高めることも可能です。

従業員の主体性が醸成される

年功序列では年齢や経験を重ねると自動で賃金が上昇するため、受動的になってしまう従業員も少なくありません。一方、ミッショングレード制では役割が明確で、与えられた役割に対し果たした成果によって賃金が決まるため、従業員の主体性を醸成することが可能です。評価の根拠や目指す目標が明確になるため、モチベーションを維持しやすいというメリットもあります。役割や成果というかたちで目指すべき到達点が示されることで、従業員は現状を把握したうえで今後の働き方を決められるのも、ミッショングレード制がもたらす効果です。

組織内の連携が促進される

例えば、職務等級制度では仕事単位で給与が決まるため、従業員は決められた仕事のみを追い求めて働くケースが見られます。一方、ミッショングレード制は従業員一人ひとりが役割を持ち、給与にも明確に反映されるため、目標や課題を組織内で連携して取り組む傾向にあるのが特徴です。ミッショングレード制では従業員が他のメンバーと連携し、より効率よく仕事を進められる仕組みになっています。また、組織内連携によって大きな成果を実現すれば給与にも反映されるため、より一層組織内の連携が期待できます。

 

ミッショングレード制の導入手順

制度の方向性を策定する

ミッショングレード制を導入するには、企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や目標を再確認し、抱える経営課題や求める人材を明確化しましょう。年功序列のように他社のケースをそのまま当てはめても機能しない可能性が高いため、「抱えている経営課題は何か、その課題はどのように解決すべきか」という視点を持つことが重要です。また、ミッショングレード制を導入した後のゴールを明確化し、経営陣と従業員で共有する必要があります。

役割定義書を作成する

役割定義書とは、各等級の従業員が果たすべき役割を明示した書面です。役割定義書を作成する際は役職の境界を明確化し、基準や役割が曖昧で機能不全を起こさないように気をつけましょう。役割定義書を作成する流れは、以下の通りです。

  1. 役職を振り分け等級を決める
  2. 評価基準を決める
  3. 等級ごとの報酬を決める

滞りなく制度を運用するには、明確な役割定義書の作成が何より重要です。分かりやすい役割定義書を作ることでマネージャーとメンバーの意思疎通が促進され、ミッショングレード制をスムーズに運用できます。

従業員に周知し理解を促す

制度が構築できたら、従業員に周知して理解を促しましょう。納得感のある制度設計は当然ですが、滞りなく運用するには従業員の理解が欠かせません。説明会を開催したり、マネージャーと面談の機会を設けたりするなど、制度を会社全体に浸透させることが重要です。説明会や面談では、導入の背景やもたらす効果、従来との変更点、人事評価の流れなど、制度のあり方を包括的に説明してください。従業員の疑問を解説し、納得感を持ってもらう機会を設けることも大切です。ミッショングレード制は従業員に不満を抱かせる可能性もあるため、双方納得が行くまでコミュニケーションを取りましょう。

 

まとめ

今回はミッショングレード制について解説しました。ミッショングレード制とは、役割に応じて等級を決め、その成果を評価する制度です。新しい働き方に対応するため、従来の年功序列の代わりにミッショングレード制を導入する企業が増えています。もたらす効果や導入手順を把握したうえで、ミッショングレード制の導入を検討しましょう。

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目次

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  • 3.各制度の導入に必要な対応
  • 4.働き方の多様化による課題
  • 5.AKASHIで労働時間管理を簡単に
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