36協定届の新様式で押さえておきたいポイントを解説します

2020年1月16日

イメージ

働き方改革関連法で時間外労働の上限が変更されたことに伴い、36協定の届出様式も新しいものへと変わりました。大きな変更点としては、届出が一般条項と特別条項付きの2種類に分かれることが挙げられます。延長時間の限度を超える届出は無効となり受理されないため、注意が必要です。今回は、36協定の概要と36協定届出の変更点、新様式の種類、新様式での記入の際の注意点について解説していきます。

労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>

36協定とは

36(サブロク)協定は、労働基準法第36条の規定により労使間で締結されるもので、法定労働時間を超えて労働者を労働させる場合、労働基準監督署長に届け出ておかなくてはなりません。法定労働時間は、1日あたり8時間、1週間あたり40時間とそれぞれ定められています。それ以上の労働をさせる場合、または休日に勤務させる場合も、36協定の締結が必要です。もし36協定なしに法定労働時間を超える労働をさせてしまうと、労働基準法違反として雇用主に6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられますので、注意しましょう。

36協定の種類

36協定の届出には、一般条項と特別条項付きという2種類の届出があり、主な違いとしては労働時間の上限幅があげられます。それぞれの種類について以下にて説明します。

一般条項

一般条項は36協定そのものです。一般条項を締結する場合、1週間あたり15時間、1ヶ月あたり45時間、1年あたり360時間までの時間外労働が認められています。なお、1年単位の変形労働時間制という特別な制度の対象者については1週間あたり14時間、1ヶ月あたり42時間、1年あたり320時間と、時間外労働時間の上限が若干異なるため、注意しておきましょう。

特別条項付き36協定

特別条項付きとは、労働者が一般条項で定められた労働時間の上限を超えて労働しなくてはならない特別な事態が起きた際に、あらかじめ特別条項を付与しておくことでさらなる労働が可能になる36協定です。特別な事態とは、業務量が拡大し、臨時的に労働時間を増加させなくてはならなくなった場合などを指します。以下にて詳しく説明します。

36協定届出の変更点

働き方改革関連法の施行に伴い、36協定の届出に関する規定が変更となりました。
まず、一般条項のみの場合は従来通り提出書類が1枚で済むのに対し、特別条項付き36協定を締結する場合では提出書類が2枚必要になりました。特別条項付き36協定の提出書類2枚目には、特別条項を適用する特別な事態について詳細な記述が求められます。さらに、特別条項付き36協定の書類2枚目には「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保する措置」という欄があります。こちらも具体的な内容を求められますので、特別条項付きを提出する際には、以前と比べて労働者の健康状態を鑑みた対策を練る必要があります。
また、以前までは特別条項付き36協定を締結することで、一時的に労働者を何時間でも労働させることが可能となっていました。しかし今回の変更によって、特別条項を適用させる場合であっても、次のように労働時間の上限が設けられることになりました。

  • 時間外労働時間は1年あたり720時間以内
  • 時間外労働と休日労働の合計は1月あたり100時間未満
  • 時間外労働と休日労働の合計について、2~6ヶ月ごとの平均が全て80時間以内
  • 1月あたりの時間外労働が45時間を超える月は年間6ヶ月まで

このため、特別条項付きの届出には新規追加されたこれらの上限規制についての確認欄が設けられることになりました。

新様式について

先述のように、36協定には一般条項と特別条項付きの2種類があり、今回の変更に伴い、一般条項の様式が従来通りであるのに対し、特別条項付きの様式が変わりました。それぞれの様式は、厚生労働省のウェブサイトでダウンロードすることができます。

新様式に記入する際の注意点

新様式では従来とは記入事項が大きく異なる箇所があるので、どのような書き方をすべきか具体的に見ていきましょう。ここでは、新様式になり、大きい変更があった特別条項付きに追加された2枚目の書類について解説していきます。

「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」

特別条項付き36協定の書類2枚目の裏面には、こちらの欄の説明として、「当該事業場における通常予見することのできない業務量の大幅な増加等に伴い臨時的に限度時間を超えて労働させる必要がある場合をできる限り具体的に記入すること。なお、業務の都合上必要な場合、業務上やむを得ない場合等恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを記入することは認められないことに留意すること」と書かれています。
つまり、クレーム発生や機械トラブルといった予見できない事態で、その対応のために一時的に労働時間が増加してしまう可能性があるものについて、具体的な記述が必要となりました。そのため、「業務の都合上必要な場合」などのあいまいな記述は避け、「納期のひっ迫」などのように理由を明記するようにしましょう。

「限度時間を超えて労働させる場合における手続き」

こちらの欄には、限度時間を超えて労働させる場合にどのような手続きをとるのかを明記しましょう。例えば「労働者代表者に対する事前申し入れ」など、自社にあった手続き方法を書くのが良いです。

「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」

こちらの欄では、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置として、書類の裏面に書かれた10項目の中から少なくとも1つを選び、具体的な措置を記述しましょう。ちなみに、10項目のうちの②に記載されている労働基準法第37条第4項に規定する時刻とは、午後10時から午前5時まで(一部午前6時までの地域または期間あり)とされています。いずれの項目でもある程度方向性が定まっているので、その中で自社にあった措置を記述しましょう。

関連記事:

まとめ

36協定届出が新様式に変わり、新たに追加された規則を見ると、労働者の健康や福祉に対して雇用主側がより配慮していく仕組みが強化されたことがわかります。この際に、今一度労働環境の見直しを測ってみるのも良いかもしれません。

クラウド型勤怠管理システム「AKASHI」
勤怠管理システムを導入することで、効率的かつ確実に労働時間を管理することが可能となります。ソニービズネットワークス株式会社が提供するクラウド型勤怠管理システム「AKASHI」は、36協定設定、年休管理簿や労働時間の把握など、あらゆる法改正や複雑な就業ルールに対応する機能をフレキシブルに対応します。15年以上のノウハウを活かした充実のサポート体制で導入後も安心です。
今ならAKASHIのサービスを30日間無料でお試しいただける無料トライアルを実施していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「AKASHI」の資料・事例集を
ダウンロード >
tag

勤怠管理システム
「AKASHI」

カンタン登録ですぐにお試し可能です

30日間無料 全機能を体験できます 無料トライアル 今すぐ試してみる 30日間無料 全機能を体験できます 無料トライアル 今すぐ試してみる

活用方法や事例をご紹介

資料・事例集をダウンロード

毎日開催中。まずは聞いてみる

個別オンラインデモ