パートを休日出勤させた場合の割増賃金はどうなる?

イメージ

パートやアルバイトの従業員を休日出勤させた場合、正社員と同様に休日割増賃金を支払わなければなりません。しかし、法定休日と法定外休日の違いや就業規則・雇用契約の規定によって、割増賃金の計算が異なるので注意が必要です。今回は、パートやアルバイトを休日出勤させる際の条件や、休日出勤手当がつく基準、労働基準法・就業規則・雇用契約を元にした割増賃金の計算方法について解説します。

労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>

パートやアルバイトの休日出勤

パートタイム労働者の働き方の決まり

パートやアルバイトは、法律上はどちらも「短時間労働者(パートタイム労働者)」と呼ばれ、パートタイム労働法の対象になります。パートタイム労働者は、「1週間の所定労働時間が、同じ事業所の一般の労働者に比べて短い労働者」と定義されており、この条件に当てはまる従業員であれば、準社員や嘱託、臨時社員など、名称は異なってもすべてパートタイム労働者として扱われます。

  • 基本は一般労働者と同じ
  • パートタイム労働者の働き方のルールは、基本的には一般労働者と変わりません。一般労働者を雇用する場合と同様に、労働基準法を遵守した雇用管理が必要になります。法定労働時間も、一般労働者と同じ1日8時間以内、1週間は40時間以内と定められています。

  • 1日3時間勤務のパートタイム労働者を7日働かせるのは違法?
  • 労働基準法第35条では、使用者は労働者に対し、少なくとも「週1回以上」の休日を付与しなければならないと定めています。そのため、たとえ3時間という短い勤務時間であっても、パートタイム労働者を7日連続で働かせると違法になります。

パートタイム労働者の休日出勤とは

  • 法定休日と所定休日の違い
  • 休⽇には、法定休日と所定休日があります。法律上の「休日出勤」とは、法定休日に働く場合を指すことを覚えておきましょう。
    法定休日とは、週に1日必ず付与しなければならないとされる休日です。一方、所定休日は、企業が任意で設定する休日なので、義務ではありません。そのため、法律上、休日は週に1日だけ与えれば問題無いということになります。しかし、所定労働時間が8時間の場合、5日勤務すれば法定労働時間の40時間に達してしまいます。週休2日制をとっている企業が多いのは、このような事情からなのです。

  • 祝日や休日は関係無い
  • 企業の休日には、祝日や創立記念日など独自の休日がありますが、これらは所定休日に当たるため、法定休日と重なっている場合を除けば、この日に出勤しても休日出勤にはなりません。パートタイム労働者は短時間勤務が多いことを考えると、労働時間が週40時間に達することはあまり無いと考えられます。そのため所定休日に働いても法定時間外労働にならず、割増賃金の支払い対象にならない場合が多いでしょう。

  • 割増賃金の計算法
  • 法定休日に出勤をすると、労働時間が週40時間を超過していないパートタイム労働者にも割増賃金が発生します。詳しくは後述しますが、仮に法定休日に従業員を働かせた場合は割増率35%以上の休日割増賃金を支払わなければなりません。また、休日出勤の代わりに、後日代休を取得させたとしても、法定休日に働いた事実は変わりませんので、割増分の賃金を支払うことに変わりありません。

36協定が必要な場合

使用者が労働者に法定労働時間を超えて労働を命じる場合には、36協定を締結する必要があります。36協定とは、労働基準法36条に基づく労使協定で、時間外労働における業務の種類や、時間外労働時間の上限などを定めます。パートタイム労働者は、一般労働者よりも短時間の勤務をしているため、36協定を締結していない場合がほとんどでしょう。しかし、繁忙期などで連日勤務や残業が積み重なれば、法定労働時間をオーバーしてしまうことも考えられます。このような場合に備え、パートタイム労働者にも36協定の締結が必要かどうか、よく確認しましょう。

関連記事:

割増賃金の計算方法を学ぼう

割増賃金の種類

  • 時間外割増賃金
  • 法定労働時間を超えて従業員を働かせる場合、割増率25%以上の時間外割増賃金の支払いが必要です。また、月45時間・年間360時間の限度時間を超えた場合は、25%を上回る増賃金の設定が求められます。さらに、時間外労働が1ヶ月に60時間を超えた場合は、50%以上の割増賃金を支払わなければなりません。(50%以上の割増賃金については、中小企業は2023年からの適用になります)

  • 休日割増賃金
  • 法定休日に従業員を勤務させる場合、割増率35%以上の休日割増賃金の支払いが必要です。

  • 深夜割増賃金
  • 22時から5時までの時間帯に従業員を勤務させる場合、割増率25%以上の深夜割増賃金が発生します。

ケース1:法定休日に出勤した場合

法定休日の労働には、35%以上の休日割増賃金が発生します。例えば、午前9時から午後18時まで働き、1時間休憩した場合では、「1時間あたりの賃金×35%以上×8時間」で法定休日の賃金を算出できます。ただし、22時以降に勤務させた場合は25%以上の割増賃金が追加になるので、22時以降の時間あたりの単価は1.6倍以上にしなくてはなりません。また、法定休日と時間外労働の割増賃金は重複しないので注意しましょう。

ケース2:法定外休日に出勤した場合

次に、法定外休日に出勤したケースを考えてみましょう。法定外休日に関係する割増賃金は、時間外割増賃金と深夜割増賃金です。1日8時間と1週間40時間の法定労働時間以内の勤務であれば、「1時間あたりの賃金×労働時間」で賃金を算出できます。もし、法定労働時間を超過した場合は、「1時間あたりの賃金×1.25以上×超過時間」で賃金を算出しましょう。また、22時以降に勤務させた場合は、25%以上の深夜割増賃金の加算を忘れないようにしましょう。

ケース3:法定休日が定められていない場合

法定休日を特定していない企業では、法定休日を従業員の働いていない日に設定できます。例えば、土日休みの企業で、従業員が土曜日に勤務した場合、働いていない日曜日を法定休日にすることが可能です。ただし、土日いずれも勤務した場合については、厚生労働省の見解が発表されており、「暦週の後順の日」を法定休日にするべきとされています。暦週とは、就業規則などで特に定めが無い場合、日曜日から土曜日までを意味するため、この場合は、土曜日が法定休日になります。

まとめ

労働基準法に定められている労働時間や休日出勤、割増賃金についてのルールは複雑であるため、理解していない人も少なくありません。そのため、祝日に出勤することを休日出勤と勘違いしている人や、割増賃金の計算方法が不明瞭なケースは、労働現場ではよく見られます。パートタイム労働者は、人や時期によって労働時間に可変性があるため、適切な労働時間と休日が管理できているか、注意しなければなりません。休日出勤や割増賃金についてのルールを労使でよく確認することが大切でしょう。

労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>
tag

勤怠管理システム
「AKASHI」

カンタン登録ですぐにお試し可能です