リファラル採用とは?導入のメリット・デメリットや導入時の注意点を事例とともに解説します

2023年1月10日

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リファラル採用とは、自社の従業員に信頼できる知人や友人を紹介してもらい、採用する手法のことです。リファラルという言葉には英語で「紹介」の意味があります。労働人口の減少や新卒の離職率の高さが問題となっている現代において、優秀な人材を確保し継続的に働いてもらうことは企業にとって大きな課題の一つです。その点リファラル採用では、企業のことをよく知っている自社の従業員が、人柄を知っている知人・友人を紹介するので、企業と人材のミスマッチが起こりにくく、定着率が高くなります。今回は、リファラル採用の概要、メリットやデメリット、リファラル採用を導入する際の注意点や費用、実際の導入事例まで解説します。

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リファラル採用について

リファラル採用の概要と特徴

リファラル採用(referralrecruting)とは、自社の従業員から友人や知人など採用者候補を紹介してもらう採用手法のことです。特徴は、採用者候補が自社の従業員による紹介である点、特別な選考ステップは設けずほかの採用方法と同様の選考ステップで採用合否を決定する点などが挙げられます。紹介とはいえ採用が確約されているわけではなく、不採用となる可能性もあります。この採用手法が注目を集めている背景に、労働力人口の減少やテクノロジーの進化による個人の働き方やビジネスモデルの多様化が考えられます。ハローワークや求人媒体、人材紹介サービスなどの採用活動では、応募を待っていても採用要件に合う人材がなかなか見つからない状況です。そこで、企業は待つだけでなく採用候補者を自ら探しにいくことが求められるようになり、リファラル採用が導入されるようになりました。

縁故採用との違い

縁故採用とは、血縁関係がある人物を紹介する採用手法とされています。この採用手法では、求める人材のスキル要件や人物要件はほとんど関係なく、コネのみで入社するイメージが強いことからネガティブな印象を持つ人も少なくありません。一方、リファラル採用は血縁関係にある人物だけでなく、知人や友人を自身の会社へ紹介します。従業員の紹介であっても経験やスキルなど自社の採用基準を満たし、採用試験に合格した人物のみを採用します。縁故採用は採用を前提とした特別な選考である点に対し、リファラル採用はほかの採用手法と同様の選考ステップで採用合否を決定するという点が大きな違いでしょう。

リファラル採用のメリットとデメリット

リファラル採用のメリット

この採用手法のメリットとして、以下が挙げられます。

  • 採用のミスマッチが起こりにくい
  • 自社の従業員からある程度社内の雰囲気や業務内容など実際の職場環境について聞いているため、入社後にミスマッチが起こりづらく、早期離職のリスクを低減できます。

  • 採用コストを抑制できる
  • この採用手法であれば、求人媒体の掲載費用や人材紹介サービスの紹介手数料などの外部コストをかけずに採用可能です。

  • 転職潜在層を採用できる
  • 転職活動は行っていないものの「条件に合う会社があれば転職したい」という転職潜在層を他社と競合することなく採用できる可能性があります。

リファラル採用のデメリット

メリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • 不採用時にケアが必要となる
  • 紹介された人を不採用とする場合、従業員との関係に影響が出ることも考え、不採用時の対応もフロー制度に組み入れて置く必要があります。ほかの採用手法以上に紹介者と紹介された人のケアが求められます。

  • 採用までに時間がかかる
  • この採用手法は短期間での人材確保には不向きで、採用候補者に転職の意思がない場合は応募してもらうまでに多くの時間がかかります。

  • 人材が同質化する傾向がある
  • 仲の良い友人や知人など価値観が共通している人を紹介することで似たような人材が集まりやすく、思考がマンネリ化して新しい発想が生まれづらい側面もあります。

リファラル採用の導入しよう

リファラル採用を成功させるプロセス

まずはこの採用手法に特化した制度を作りましょう。後述する紹介報酬の支払いや採用活動費の負担範囲なども制度に盛り込みます。制度の周知を徹底し、この採用手法に伴う従業員の負担を軽減しましょう。

リファラル採用のコスト

この採用手法では、必要に応じて以下のコストが発生します。

  • 紹介報酬制度
  • 採用候補者が採用となった際に紹介者にインセンティブを支払う制度で、数万~数十万円の報酬の支給や有給休暇を増やす、人事評価への加点などがあります。

  • 採用活動費
  • イベント参加や外食、交際費などを支給または負担することで、従業員が積極的に採用活動に取り組むようになります。

リファラル採用の注意点

先ほどご紹介したプロセスにおいて、以下の注意点に気を付ける必要があります。

  • 継続的に認知促進を行う
  • 社内向けのメールマガジンや研修を通して定期的に周知しましょう。社内で制度の浸透が進んでいない場合、制度自体を知ってもらえないどころか、採用につながらない可能性もあります。

  • 従業員の負担を軽減する
  • 制度が複雑な場合、説明をする従業員の負担が大きくなります。紹介方法のレクチャーをしたり、動画やパンフレットを事前に用意したりするようにしましょう。また、面談の日程調整などは人事が担当し、紹介する従業員の負担を軽減しなければなりません。

リファラル採用の導入事例

株式会社メルカリ

株式会社メルカリはリファラル採用をいち早く導入し、成功を収めています。株式会社メルカリでこの採用手法が自然に行われる最大の理由は「従業員が自分の仕事を外部で話すことを推奨している」からです。加えて、経営陣自らが率先してリファラル採用を行い、一般従業員が巻き込まれて動き、採用にボリュームが生まれるというようなステップを踏んでいることが成功のカギとなっています。

freee株式会社

freee株式会社では、従業員1人ひとりに「知人を会社に紹介したい」と思えるような組織作りをしています。取り組みのひとつに「お弁当制度」があります。これは、紹介予定の知人とご飯を食べるときにあえて社内に来てもらって食事をしてもらう制度です。入社時にこの制度を周知し、友人を気軽にオフィスに呼べるようにしています。そのほか、必要としている人物像やその人のスキルを従業員に公開する、紹介カードを作る、協力者に感謝の気持ちを伝えるなどの取り組みを行い、必要としていたエンジニアの採用率の向上に成功しています。

株式会社SmartHR

株式会社SmartHRがリファラル採用を導入したきっかけは、アンケートを実施した際に従業員全員が「会社を知人に紹介したい」と答えたことです。株式会社SmartHRでは、候補者が不採用になった場合の「ごめんねごはん制度」を用意しています。これは、候補者が不採用となった場合に会社負担で紹介した従業員と候補者が会食に行ける制度です。友人や知人に「万が一不採用になっても美味しいご飯をご馳走するから応募してみない?」というように誘えることから、紹介する従業員の心理的負担にも配慮しています。結果として、従業員の約30%がリファラル採用で入社しています。

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まとめ

ここまで、リファラル採用について解説しました。現在の採用活動でなかなか成果を得られない場合や、離職率が高い場合はリファラル採用を検討してみてはいかがでしょうか。導入する際は「制度を設ける」「従業員に周知を徹底する」「従業員の負担を軽減する」これら3つのポイントが重要となります。従業員が友人や知人に紹介したくなるような組織作りができているか確認するために、まずはアンケートを実施しましょう。

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