新型コロナウイルスの影響で在宅勤務やテレワークといった勤務形態が定着してきました。この勤務形態は出社の手間や移動時間が削減できるメリットがある一方、働いている様子が確認できないというデメリットがあります。そのため、従業員がさぼっていても、それを発見することは難しく、企業としては何かしらの対策を講じる必要があります。今回は、在宅勤務の現状、従業員が在宅勤務中にさぼる原因と対策について解説します。
労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>在宅勤務の現状
2022年10月の都内企業のテレワーク実施率は54.1%
そもそも在宅勤務はテレワークによる働き方の一つで、自宅で仕事を行うことを指します。昨今の新型コロナウイルス感染症対策として、多くの企業で在宅勤務が導入されました。
2022年10月の都内企業のテレワーク実施率を見てみると、54.1%という結果が出ています。緊急事態宣言が終わってもテレワーク実施率は高い水準を維持しており、従業員の働き方が多様化していることが分かります。
在宅勤務のメリット・デメリット
- 在宅勤務のメリット
- 在宅勤務のデメリット
在宅勤務の主なメリットとして、従業員のライフワークバランス向上が挙げられます。在宅勤務であれば職場までの通勤時間を削減できるので、従業員はその分の時間をオフの時間に充てられます。自分の趣味や家族と過ごす時間が増えれば、勤務先に対する満足度の向上も期待できるでしょう。また、多様な働き方の実現は人材確保にも有利に働きます。「在宅勤務であれば働ける」という求職者の需要を逃さずにすむことで、人材不足を解消できるかもしれません。
在宅勤務の主なデメリットとして、仕事とプライベートの線引きが難しいことが挙げられます。自己管理を徹底できる従業員ばかりではないため、勤務時間中であっても仕事に集中できないケースもあり得ます。また、職場に比べるとコミュニケーション不足になることや、セキュリティリスクが高まることもデメリットとして考えられます。
在宅勤務で仕事の効率は上がった?
在宅勤務を取り入れることで、通勤やオフィス内で発生しやすい人間関係によるストレスを軽減できます。また、急な打ち合わせや会議、電話対応などで業務が中断されることも少なくなるので、従業員は集中して仕事に取り組むことが可能です。こういった理由から、在宅勤務によって生産性や業務効率が高くなったというケースも目立ちます。
一方、在宅勤務は仕事の管理が難しく、場合によってはさぼりが発生してしまうケースも珍しくありません。上司が直接部下の仕事を見ることができないため、気が緩んでしまう従業員が一定数いるためです。仕事の効率を安定して向上させるには、さぼりを防止するための取り組みが求められます。
従業員が在宅勤務中にさぼる原因
オンとオフを切り替えられない
オフの時間を過ごす自室で仕事を行わなければならない従業員は多くいます。そのため、始業時間を過ぎても仕事モードになれずにだらけてしまうケースは少なくありません。朝起きて食事をして同じ場所で仕事を行うとなると、ついだらけてしまうのは想像に難くないでしょう。仕事と私生活が入り混じってしまうとメリハリがつかず集中力が低下して、仕事の効率が悪くなってしまいます。
仕事の目的を理解していない
例えば営業であれば、お客様に喜んでいただき売上をアップさせるなど、タスクの先には必ず目的があるものです。しかし、メール送付や資料作成などの目の前のタスクに追われていると、業務全体の目的を忘れてさぼってしまいがちです。自分が行っているタスクの目的をしっかりと理解できていないと、在宅勤務のモチベーションは低下してしまうでしょう。
評価が不明でモチベーションが低下する
在宅環境における業務姿勢をきちんと評価する指標がないと、モチベーション低下につながりさぼりが生じる原因となってしまいます。例えば、仕事に取り組む姿勢や周囲を巻き込む力など、在宅勤務であっても定性的な側面を評価することは重要です。リモートで判断しやすい成果だけでなく、業務スピードやレスポンスの良さなどのプロセスや姿勢も含めて総合的に評価しましょう。
仕事の進捗が見える化されていない
仕事の進捗が周囲と共有されていないと、どの程度の業務量を処理しているのかは本人にしか分からず、自分でその日の仕事量を調整してさぼることも可能です。こうした事態を防ぐためには、仕事の進捗を見える化してタスクを把握し、従業員への仕事の割り振りを適切に行うことが必要です。
従業員が在宅勤務中にさぼらないための対策
コミュニケーションツールを活用する
コミュニケーションツールを有効活用すれば、従業員の仕事への意欲を高められます。代表的なコミュニケーションツールは以下のとおりです。
- メール
- チャットツール
- ビデオ会議
- ファイル共有
- 社内SNS
- タスク管理
- バーチャルオフィス
コミュニケーションが不足していると生産性が低下する恐れが高まるだけでなく、上司と部下の信頼関係の構築にも悪影響を及ぼします。在宅勤務中は業務に関するやりとりだけでなく雑談を含むコミュニケーションの総量が少なくなりがちなので、コミュニケーションツールの導入など積極的な対策検討が求められます。
勤務ルールを見直す
在宅勤務を考慮したルールになっているか、改めて見直してみましょう。例えば、事前に仕事内容・要件・納期を決めて期日までに成果物を納品してもらうように指示を出すなど、仕事の進め方を在宅勤務に合ったスタイルに変えることが考えられます。求められている成果物が明確になれば、在宅勤務中だからといって仕事に手を抜けないからです。
ほかにも、中抜けを認める規程の整備も有効です。在宅勤務中にはさまざまな理由で離席しなければいけないケースが生じます。企業として公式に中抜けのルールを定めることで、さぼらずにメリハリをつけて仕事に取り組めるようになるのです。具体的なルールとしては、認められる中抜けの回数や1回あたりの時間を定めるようにしましょう。
勤怠管理ツールを導入する
勤怠管理ツールは従業員の労働状況を効率的に管理できるサービスで、多くの企業で導入が広がっています。勤怠管理ツールの導入で期待できる主な効果は以下のとおりです。
- 労働時間を正確に集計できる
- 不正打刻を防止できる
- 人的ミスを削減できる
- 管理工数を減らせる
- 法改正に対応できる
曖昧な勤怠管理をしていると、従業員のさぼりを誘発しかねません。勤怠管理ツールで従業員の労働時間を適切に管理し、さぼり予防策を講じましょう。
関連記事:
まとめ
昨今、在宅勤務という働き方がかなり一般的となりました。多様な働き方を実現できるなどメリットの大い勤務形態ですが、従業員の勤怠管理や評価といった側面には課題があることも事実です。特に、従業員の働いている姿が見えずコミュニケーションが不足しやすい状態で、仕事へのモチベーションを維持させるためには工夫が必要です。勤務ルールを見直すだけでなく、コミュニケーションツールや勤怠管理ツールなどを積極的に活用して従業員の働きやすい環境を整備しましょう。