タレントアクイジションとは?導入のメリットや注意点について徹底解説

中心化傾向とは?リスクや改善方法について徹底解説

タレントアクイジションとは、即戦力採用にとどまらず、中長期的な視点で優秀な人材を発掘・確保する戦略的な採用手法を指します。従来の採用活動と異なり、企業の将来像や人材ポートフォリオを踏まえて候補者との関係構築を重視する点が特徴です。メリットは、採用の質向上や離職率低下、組織の持続的成長につながることであり、一方で、成果が出るまでに時間がかかり、運用コストが高いというデメリットもあります。今回は、タレントアクイジションの特徴や利点、運用における課題などについて解説します。

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タレントアクイジションとは

タレントアクイジションの特徴

タレントアクイジションとは、「優秀な人材(Talent)」を「獲得(Acquisition)」するという意味で、経営戦略を実現するために必要な人材を中長期的な視点で確保していく考え方です。採用広報や選考のような一時的な活動ではなく、採用活動前から採用後までを見据えた戦略的な取り組みを行うのが特徴です。タレント人材が活躍できる体制が整っていない場合は、基礎の組織づくりから始めるケースもあります。

タレントアクイジションが注目される背景

近年、多くの企業が従来の採用活動からタレントアクイジションへの取り組みにシフトする動きが見られているようです。その背景には、採用市場の競争激化や候補者の選択肢の増加があり、従来の受け身型の採用では優秀な人材を十分に確保できなくなったことにあります。LinkedIn社の調査によると、約87%の採用担当者がタレントアクイジションの方が自社で戦略的に機能していると回答しており、企業側からの積極的なアプローチによる採用活動が質の高い人材獲得に不可欠な要素であることがうかがえます。経済産業省「IT人材需給に関する調査報告書」によると、特にITやデジタル領域では2030年に最大79万人の人材不足が予想され、クリエイティブ領域や戦略領域でも専門人材の争奪戦が続くことが考えられます。

リクルーティング(採用)との違い

タレントアクイジションと従来のリクルーティング(採用)は、目的やアプローチが大きく異なります。リクルーティングは、主に欠員補充など短期的な目的で候補者からの応募を待つ「守り」の姿勢ですが、タレントアクイジションでは企業の中長期的な成長を見据え、経営戦略と連動した人材定義から獲得後の活躍支援まで行います。さらにオウンドメディアやリファラル、ダイレクトリクルーティングなど多様な手段を用い、転職潜在層を含む人材に積極的にアプローチします。そのため、タレントアクイジションは、企業の未来を支える「攻め」の採用戦略といえるでしょう。

 

タレントアクイジションのメリット・デメリット

メリット1:潜在層へのアプローチができる

タレントアクイジションでは、転職意欲が高まる前の「潜在層」にもアプローチできる点が大きなメリットです。自社にプールした候補者と継続的に関係を築くことで、企業に適した優秀な人材を、最適なタイミングで採用できる可能性が高まるでしょう。従来のリクルーティングのように母集団形成を重視するのではなく、質に重点を置いていることも特徴です。そのため、企業との相性が良い人材を単願で獲得できるケースも多いといえます。

メリット2:マッチ率の高い人材確保

自社が求めるスキルや価値観を持つ人材に能動的にアプローチできるため、入社後のミスマッチを防げることが考えられます。企業が応募を待つ従来型の採用では、実際に応募があるまで候補者のスキルや志向が見えにくく、入社後、実際に業務を進めることでギャップが生じることもありました。一方で、タレントアクイジションは採用ブランディングや、メディアやSNSなどによる情報発信を通じて自社カルチャーを理解してもらえるため、採用後の定着率やエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

デメリット1:実施難易度が高い

タレントアクイジションは比較的新しい手法であり、日本でも注目されるようになったのは近年のことです。そのため、事例やノウハウはまだ十分とは言えず、実践しながらPDCAを回して仕組みを確立していく必要があります。人材分析や採用ブランディング、候補者サポートなど幅広い業務が含まれるため、一般的な採用よりも手間や時間がかかるでしょう。また、成果がすぐに数字として表れにくいため、導入を検討する段階では経営層の理解を得にくい場合があります。そのため、現状の体制や工数を見極め、段階的に進める計画策定が欠かせません。

デメリット2:短期的に進めるのは難しい

長期的な視点で自社に合う人材を獲得する手法のため、短期的に進めるのは難しいのが現実です。特に、中小企業やベンチャー企業では、中長期的な採用計画を十分に整備していない場合も少なくありません。そのため、タレントアクイジションを始める際には、まず企業としてどのビジョンを目指すのか、どのような人材が必要かを一から整理する必要があります。この作業を自社だけで進めるのは非常に負担が大きく、慎重な準備が求められるでしょう。

 

タレントアクイジションの導入方法

現状や課題の分析

タレントアクイジションを導入するには、まず自社の現状を把握することが欠かせません。従業員の評価やスキルのデータを分析し、ポジションや強み、市場における立ち位置を整理することで、将来自社に必要な人材像が見えてくるでしょう。また、採用を単なる人員補充ではなく、事業成長への投資と捉え、成果や貢献度を数字で可視化することが重要です。加えて、ワークフォース・アナリシス(労働力分析)を活用すれば、既存従業員の育成や生産性向上の余地も把握でき、どの人材を採用・育成すべきかの優先順位を具体化できます。段階的に分析を進めることで、導入の精度と効果を高めることができるでしょう。

事業戦略や社内ブランディングの策定

現状や課題の分析が完了したら、次は経営戦略と連動した人事戦略の策定に取りかかります。これは単に必要な人材を補充するだけでなく、中長期的な視点に立ち、事業計画に基づいて必要な人材を適切なタイミングで「獲得」「育成」「配置」できる体制を整えることを意味します。併せて企業ブランディングの強化も行い、SNSや自社メディアで理念や社風、働き方などを発信し、優秀な人材を惹きつけるために社内外から自社の魅力を伝えましょう。現場責任者との連携や候補者体験の向上も意識し、採用活動を企業成長のための投資として位置付けることがポイントです。

候補者とのアプローチを実施

準備が整ったら、タレント人材へのアプローチを実施します。タレントアクイジションでは、その特徴から企業側から能動的に接触することが重要で、スカウトメールやカジュアル面談の提案などで直接タレント人材とコミュニケーションを取ります。即時の採用が難しい場合でも、関係を継続的に築き、今後の採用に向けて準備しておくことが求められます。また、タレントプールの活用、SNSやイベントでのソーシャルリクルーティング、社員紹介によるリファラル、企業ブランディング、社内転職の促進(インターナルモビリティ)など、多様な手法を組み合わせることで、競合に左右されず自社独自のルートを築き、優秀な人材を確保しやすくなるでしょう。

定着支援を進める

採用活動で優秀な人材を確保できた後は、その人材が長く活躍できる環境を整えることが、タレントアクイジション成功の鍵となります。具体的には、入社前の研修スケジュールや事前課題の共有、配属予定の上司や同僚との懇親会など、組織に所属することへの安心感と自分の存在価値を実感してもらいましょう。入社後は、OJTや外部研修でスキル向上を支援し、定期的な1 on 1面談を通じて悩みや課題に寄り添います。このような継続的なサポートにより、就労へのモチベーションを維持させて、長期的な定着と企業エンゲージメントの向上へとつなげやすくなります。

 

まとめ

タレントアクイジションは、単なる採用ではなく、中長期的に優秀な人材を獲得・育成し、組織全体の成長を考える戦略的手法です。企業の現状分析やブランディング、能動的アプローチ、入社後の定着支援を組み合わせることで、質の高い人材を確保し、離職率低下や企業の持続的な成長が期待できるでしょう。

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