勤怠管理がますます重要に! 厚労省、労働時間の適正な把握のためのガイドラインを公表

2017年3月9日

2017年1月末、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、自己申告による労働時間と実労働時間の乖離について実態調査を促したり、労働時間の範囲を明示したりするなど革新的な内容であり、今後企業には、ガイドラインに沿った労働時間管理が求められます。

今回は、ガイドラインの内容について解説します。

ガイドライン策定の背景

労働基準法の規定により、企業は労働者の労働時間を適正に把握する責務を有しています。しかし実際は、企業が労働時間を適正に管理していない状況があり、過重な長時間労働や割増賃金の未払いといった問題が生じています。

このような問題を解決するため、2017年1月、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を新たに策定し、公表しました。

今後、企業はこのガイドラインに基づいて、労働者の労働時間を適正に把握することが必要です。

ガイドラインの適用範囲

ガイドラインの対象となる事業場は、労働基準法の労働時間に関する規定が適用される全ての事業場です。これらの事業場では、下記の者を除いた全ての労働者について、労働時間を適正に把握しなければなりません。

ガイドラインの対象外となる者

  • 林業以外の農林水産業に従事する者
  • 労務管理について経営者と一体的な立場にある管理監督者(部長等)
  • 監視や断続的な労働に従事する者で、労働基準監督署から許可を得た者
  • みなし労働時間制が適用される労働者

なお、ガイドラインの適用対象外となる者についても、企業においては適正な労働時間管理を行う責務があることに留意が必要です。

労働時間の考え方

労働時間とは、「使用者の指揮命令下に置かれている時間」のことをいい、使用者の明示的・黙示的な指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に該当します。ガイドラインでは、具体的に、次のような時間も労働時間として扱われなければならないことが示されています。

労働時間に該当する時間

  • 使用者の指示により、業務に必要な準備行為(制服への着替え等)や業務終了後の業務に関連した後始末(清掃等)を事業場内において行った時間
  • 使用者の指示があれば即時に業務に従事することを求められており、労働から離れることが保障されていない状態で待機している時間(いわゆる「手待時間」) ・業務上義務付けられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間

これらの時間が労働時間に該当することは、すでに過去の判例において示されてきました。今回のガイドラインは、労働時間の範囲を改めて明示したものだといえます。

関連記事:着替えや仮眠も?!―「労働時間」の範囲、徹底解説!

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

労働者の労働時間を適正に把握するために、企業は下記のような措置を講じることが必要です。

始業・終業時刻の確認・記録

企業は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録することが必要です。これらは原則として、下記のいずれかの方法で行うこととされています。

始業・終業時刻の確認・記録の原則的な方法

  • 使用者が自ら現認することにより確認し、適正に記録すること
  • タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること

なお、自己申告制などにより始業・終業時刻の確認や記録を行わざるを得ない場合は、以下のような措置を講じなければなりません。

自己申告制により始業・終業時刻の確認・記録を行う場合の措置

  • 自己申告制の対象となる労働者に対して、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うよう十分な説明を行うこと
  • 労働時間の管理者に対して、自己申告制を適正に運用することなどについて十分な説明を行うこと
  • 自己申告された労働時間と実際の労働時間が合致しているかどうかについて必要に応じて実態調査を実施し、乖離が生じている場合には労働時間の補正をすること
  • 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について理由を報告させる場合、その報告が適正に行われているかどうかを確認するとともに、その時間が使用者の指揮命令下に置かれていると認められる場合には、労働時間として扱うこと
  • 労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じないこと

自己申告制により労働時間を把握する場合は、労働者に対して実際よりも過少に労働時間を申告させるなど不適正な運用がなされることのないよう、特に留意が必要です。

賃金台帳の適正な調製

企業は賃金台帳を作成し、労働者ごとに労働日数や労働時間数、休日労働時間数、時間外労働時間数、深夜労働時間数といった事項を適正に記入しなければなりません。賃金台帳にこれらの事項を記入していない場合や虚偽の労働時間数を記入した場合には、労働基準法により30万円以下の罰金に処されます。

労働時間の記録に関する書類の保存

企業は、労働者名簿や賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、3年間保存しなければなりません。3年間の起算点は、それぞれの書類ごとに最後の記載がなされた日となります。

労働時間を管理する者の職務

事業場において労務管理を行う部署の責任者は、その事業場内における労働時間管理の適正化に関する事項を管理し、労働時間管理上の問題点を把握するとともに、その解消を図ることが必要です。

労働時間等設定改善委員会等の活用

企業は、事業場の労働時間管理の状況を踏まえ、必要に応じて「労働時間等設定改善委員会」などの労使協議組織を活用し、労働時間管理の問題点や解消策等の検討を行うことが必要です。

特に、自己申告制によって労働時間の管理が行われている場合については、労使協議組織の積極的な活用が望まれます。

まとめ

今回のガイドラインは、厚生労働省が2016年12月末に公表した「過労死等ゼロ」緊急対策の一環として策定・公表されたものです。厚生労働省は、過労死等ゼロを実現するために強力に取組を進めていく方針を示しており、特に今後、労働者の自己申告した労働時間と実労働時間の乖離が厳しく追及されるようになることが予想されます。

勤怠管理システムを導入することなどにより、客観的に労働時間を管理する体制を構築するとともに、ガイドラインに沿って適切に労働時間を管理していくことが必要です。

関連記事:長時間労働や過労死を撲滅! 厚生労働省、「過労死等ゼロ」緊急対策を公表

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