働き方改革によって多様な働き方が可能になると、全従業員の勤怠状況を手作業で管理することは一層難しくなっています。そこで、多くの従業員に馴染みの深いエクセルを用いて勤怠管理を行うことで、働き方に合わせてカスタマイズしながら、計算を効率化することができます。今回は、エクセルを用いた勤怠管理表の作り方やメリット、デメリットについて解説していきます。
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勤怠管理表とは
勤怠管理表とは、従業員の毎日の出勤時間や欠勤の情報をまとめた書類のことです。これをもとに給与が計算されます。近年、働き方改革によって、フレックスタイム制や変形労働時間制、裁量労働制などの導入が進んでいます。それにより、雇用形態が多様化して従業員の労働時間もまちまちになり、全従業員の勤怠状況を紙ベースの手作業によって管理することが難しくなっています。そこで以下では、最も普及している表計算ソフトであるエクセルを使って、効率的に勤怠管理表をつくる方法を紹介します。
エクセルを用いた勤怠管理表の作り方
- 自分で作る場合
勤怠管理表の目的は、1ヶ月分の出勤時間、退勤時間、休憩時間、実労働時間、残業や早出、深夜残業の時間、早退や遅刻の有無等を記録し、1ヶ月分の合計実労働時間を求めることです。作り方は様々ありますが、ここでは一番簡単な、「出勤時間」、「休憩時間」、「退勤時間」、「実労働時間」を求める方法を紹介します。
まず、ある列に1ヶ月分の日付を記載します。そしてその次の列から、「出勤時間」、「休憩時間」、「退勤時間」、「実労働時間」用の列を準備します。ここで、エクセルのSUM機能を活用します。実労働時間のセルに、「=(退勤時間のセル)-(出勤時間のセル)-(休憩時間のセル)」と入力し、それを1ヶ月分の実労働時間の行全てにコピーアンドペーストします。そして、1ヶ月分の実労働時間が出たところで、合計時間を出します。合計するためには、最終日の実労働時間のセルの下の空白のセルに「SUM」の関数を挿入し、実労働時間の列の数値をドラッグして全て選択します。このとき、合計時間が正しく表示されないことがあります。その場合は、当該のセルを右クリックし、「セルの書式設定」を開きます。そして、「表示形式」タブの「ユーザー定義」を選択し、種類の欄に「[h]:mm」と入力します。「h:mm」だと24時間までしか表示できないのですが、「[h]:mm」とすることで24時間以上の時間数を表示させることが可能になります。
以上のようにすることで、「出勤時間」、「休憩時間」、「退勤時間」、「実労働時間」をエクセルで表示させることができます。これを応用し、残業や早出、深夜残業の時間、早退や遅刻の有無等の記録ができるエクセル表も作ってみてください。
- 無料のテンプレートを使う場合
「勤怠管理表 エクセル テンプレート」で検索すると、エクセルの勤怠管理表のテンプレートがたくさん出てきます。それらの中から、自社で使いやすいと思うものをダウンロードし、それを自社の就業規則等に合うように適宜改変しながら使ってください。
- コストがかからず導入しやすい
- カスタマイズが自由自在
- 管理や保管がしやすい
- 勤怠管理の手間がかかる
- 労働時間の客観的な把握と認められない可能性
エクセルを用いた勤怠管理表のメリット、デメリット
エクセルでの勤怠管理には、メリットとデメリットの両方が存在します。以下で見るように、会社の規模があまり大きくない場合にはメリットがデメリットを上回りやすく、また、試しに導入してみるということも比較的容易にできます。自社の状況を踏まえて、判断してみてください。
メリット
新しい勤怠管理システムを導入するには、初期費用や月額の料金などがかかります。その点、エクセルであれば最初からパソコンに入っていることも多く、費用がかからない場合が多いです。そのため、非常に低いハードルで勤怠管理表を導入することができます。
エクセルは好きなようにカスタマイズできる点も魅力的です。先ほども述べたように、「勤怠管理表 エクセル テンプレート」で検索すると、エクセルの勤怠管理表のテンプレートが多数出てきます。気に入ったものをベースにして、自社や人事部が使いやすいようにカスタマイズしていけば、自社の体制にもマッチした使いやすいエクセルの勤怠管理表ができあがります。また、就業規則が変更になった際も、すぐにカスタマイズすることができるので、すばやく対応することができます。
エクセルは社内共有がしやすく、従業員に手軽に確認してもらうことができます。また、法律上、従業員の勤怠データは3年間保管することが義務付けられています。エクセルであればデータであるため、物理的な保管場所を用意する必要がなくなります。
デメリット
エクセルで勤怠管理を行うと、全従業員の勤怠の情報を手で入力しなければならず、従業員が多いとその工程も多くなって時間がかかってしまいます。また、入力の確認も行わないといけないため、その手間がかかってしまいます。打刻がきちんと行われていれば問題ないのですが、もし従業員が打刻漏れをしていた場合、本人に確認を取り、全て手作業で修正をするため、非常に時間がかかってしまう場合があります。また、出張等で打刻できない場合も、手作業での入力が必要になる場合があります。このように、専用の勤怠管理システムに比べれば手間がかかり非効率的で、人事部の負担になってしまうときがあります。
2019年4月の働き方改革関連法によって、使用者には「労働時間の客観的な把握」が義務付けられています。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、「従業員の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録する」ための原則的な方法として、次の2つが記載されています。
「使用者が、自ら現認することにより確認すること」
「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」
そのため、自己申告による管理であるエクセルでは客観的な記録と認められず、ガイドラインの条件を満たさない可能性があります。
まとめ
働き方改革によって雇用形態が多様化したため、全従業員の勤怠状況を手作業で管理することが難しくなってきました。そこで、エクセルを用いて勤怠管理を行うと、紙よりも効率的に勤怠情報を管理することができます。エクセルでの勤怠管理のメリット、デメリットを比較しながら、自社での勤怠管理のより良い方法を模索してみてください。
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