週20時間未満の障害者雇用で給付金がもらえる制度を解説します

2021年6月9日

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改正障害者雇用促進法のうちの1つに、週20時間未満で障害者を雇用する企業に対しての特殊給付金制度があります。この制度では、10時間以上20時間未満の短時間就労が可能である障害者の雇用機会を確保することを目的に、特例で給付金が支給されます。今回は改正障害者雇用促進法の概要や20時間未満の障害者雇用の背景、支給対象、申請方法について解説します。

改正障害者雇用促進法の概要

障害者雇用促進法は、企業の障害者雇用を促進させ、職業リハビリテーションなどを通じて障害者の就労の安定を推進するために制定された法令です。社会状況の変化などに応じて複数の改正が実施されており、2016年には、障害者に対する合理的配慮の提供義務と差別禁止が規定され、2020年には、週20時間未満の障害者を雇用する企業への特例給付金が新制度として盛り込まれました。

合理的配慮の提供義務

合理的配慮とは、障害のある方が障害のない方と平等でいられるように、障害の特徴や場面ごとに発生する困難を取り除くための調整や変更を指す言葉です。 障害者雇用促進法では、企業に合理的配慮の提供が義務づけられており、障害者が企業で働くにあたって、なんらかの不都合や不便がある場合、企業はこれを改善しなくてはなりません。ただし、改善のために必要な措置が、企業に対して過重な負担を及ぼす場合は適用外とされており、合理的に考えて実現が困難な配慮の実施までを義務付けるものではありません。

合理的配慮の具体例

企業が実施できる合理的配慮の具体例を障害別に紹介します。合理的配慮を考える際の参考にしましょう。

  • 共通
  1. バリアフリーやユニバーサルデザインを導入する
  2. 障害の専門的知識を有する従業員などを配置する
  • 精神障害
  1. 仕事の具体的な内容や優先順位を明確にする
  2. 別室などの落ち着いて休める場所を用意する
  • 視覚障害
  1. 音声信号や点字ブロックなどの安全設備を敷設する
  2. パソコンなどで読上機能を使えるように資料のテキスト形式データを提供する
  • 聴覚・言語障害
  1. FM式補聴器などの補聴環境を整備する
  2. 筆談・手話・コミュニケーションボードなどで意思疎通を行う
  • 知的障害
  1. 生活能力や職業能力を育む環境を整備する
  2. 絵や写真などの視覚的に分かりやすいものを用いて説明する
  • 肢体不自由
  1. 車いすやストレッチャーなどを使用できる環境を整える
  2. 業務に必要な物は手の届く高さや取りやすい場所に置く

改正障害者雇用促進法における特例給付金の概要

週20時間未満の障害者を雇用する事業主に対する特例給付金

この特例給付金は、短時間就労の障害者を雇用する企業に対する支援策として、新たに設立されました。特例給付金の活用によって、これまで雇用対象とされてこなかった、短時間就労を希望する障害者の方への雇用機会が創出されることが期待されています。

20時間未満の障害者雇用の背景

民間企業の場合、常用雇用で働いている労働者の総数の2.2%に相当する人数の障害者を雇用しなければならないとする、法定雇用率の達成が義務付けられています。しかし、週20時間未満の勤務時間で働く障害者は、法定雇用率のカウント対象とならないため、雇用対象になりにくいという課題がありました。

障害者のなかには、長時間の勤務は難しくても、短時間であれば働きたいという想いを持っている方が多くいるにもかかわらず、受け口がないために働けないというケースも少なくありません。健常者の働き方の多様性を尊重するのと同様に、障害者の方の特性に対応した働き方の選択肢をより拡大すべきという考えから、20時間未満の障害者雇用について特例給付金制度が制定されました。

特例給付金の支給要件

支給対象

以下の条件をすべて満たす障害者の方を雇った支給対象です。

  • 障害者手帳などを保持する障害者
  • 1年を超えて雇用される見込みの障害者
  • 週所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者

週所定労働時間が10時間以上20時間未満であっても、実労働時間が10時間未満の場合は対象の障害者に含まれないので注意しましょう。

申請方法

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の公式Webサイトから申請用紙がダウンロードできます。申請書を作成したら同一のWebサイトから電子申請が可能です。もしくは機構の都道府県支部へ郵送あるいは持参しての提出もできますので、やりやすい方法で申請を行いましょう。

申請をする際の注意点

企業で働いている、週所定労働時間20時間以上の従業員の総数によって申請期間が異なります。100人超えの企業の場合、20時間未満の障害者雇用をした翌年4月1日~5月15日、100人以下の企業では翌年4月1日~7月31日が申請期間です。ただし、2019年度の申請期間は休日の関係で、100人超えの企業は2022年4月1日~5月17日、100人以下の企業は2022年4月1日~8月2日と期日に変更がありますので注意しましょう。また、期限を過ぎた申請に対しては支給対象外として扱われてしまうので、ゆとりを持った申請をおすすめします。

まとめ

多様な働き方を実現していくため、また、労働力不足を補うため、障害者雇用は企業が取り組まなければならない大きな課題です。ただ単に、法定雇用率の達成のために障害者を雇用するのではなく、それぞれの個性や特性に目を向け、的確に人材を活用する姿勢は、組織全体のマネジメント力の向上にも繋がるでしょう。短時間就労の障害者は、法定雇用率にカウントされないことから、これまで雇用対象になりにくかった背景がありますが、今回の特例給付金制度の制定をきっかけに、短時間就労だからこそ活躍できる職種において、障害者雇用を検討してみてはいかがでしょうか?

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