法定割増賃金率引き上げの対策はできている?増賃金率引き上げの改正内容や対策について詳しく解説します

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2023年4月より法定割増賃金率引き上げの猶予措置期間が終了し、中小企業の法定割増賃金率も大企業と同様の50%に引き上げられます。割増賃金率の引き上げは人件費の増加につながるため、中小企業の経営に大きな影響を及ぼす可能性があります。労働時間を適切に管理するなどの対策を講じるためにも、まずは割増賃金率引き上げについて把握しましょう。今回は、割増賃金率引き上げの内容や適用基準、割増賃金率引き上げの注意点や対策を詳しく解説します。

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割増賃金率が引き上げられる

そもそも割増賃金とは

割増賃金とは、残業を行った従業員に対して基礎時給以外に支払う追加の賃金を指します。法定労働時間より長い時間の労働は従業員に大きな負担をかけるため、労働の対価である賃金を増やして支払う制度です。深夜や休日の労働に対する割増賃金には、時間外・休日・深夜のそれぞれで割増率が異なります。時間外労働と深夜労働は割増率25%以上、休日労働は35%以上と定められています。

割増賃金率の引き上げについて

2023年4月1日から中小企業の割増賃金率に変化が生じて、月60時間を超える時間外労働の割増賃金率が増加します。従来は大企業のみ50%の割増率が設定されており、中小企業は通常の時間外労働と同様に25%でした。今回の引き上げにより、中小企業も大企業と同様に割増率50%が求められるようになります。時間外労働の抑制が目的で、賃金を増やす代わりに有給休暇を増やす方法も可能です。有給休暇を増やす場合、もともとの年次有給休暇とは別に数えられます。

割増賃金が適用される基準

割増賃金が適用には、労働時間に関する一定の基準が定められています。時間外労働や休日労働の基準には、法定労働時間と法定休日が適用されます。企業で独自に定める、所定労働時間や所定休日とは関係ないため注意が必要です。割増賃金の種類と割増率は以下の通りです。

種類 支払う条件 割増率
時間外 法定労働時間を超えた場合 25%以上
36協定の限度時間(1ヶ月45時間、1年360時間)を超えた場合 25%以上
時間外労働が1ヶ月に60時間を超えた場合 50%以上
休日 法定休日に勤務させた場合 35%以上
深夜 22時から5時までの間に働かせた場合 25%以上

割増賃金率引き上げの注意点

割増賃金の計算に気を付ける

割増賃金率の変更にともない、企業は従業員の労働状況に即した正しい割増率を適用し、賃金を支払わなくてはなりません。割増賃金の計算方法は以下の通りです。

  • 1時間あたりの賃金×該当する割増賃金率×時間外・休日・深夜労働の時間数
  • 計算にあたり、月給制の場合も1時間あたりの賃金に換算する点に注意が必要です。1時間あたりの賃金は、月給を1年間における1ヶ月平均所定労働時間で割って求めます。なお、この計算にける月給には扶養手当や通勤手当など、従業員の家族や通勤状況によって変動する手当は含まれません。

深夜労働では割増賃金率が加算される

従業員の労働が深夜に及んだ場合、複数の割増賃金率が加算されるケースがあります。基本的に深夜帯は法定労働時間に含まれておらず、法定労働時間外の労働による25%の割増も追加で発生します。この場合の割増率は、25%+25%となり50%です。また、休日の労働は35%の割増が発生するため、深夜労働の25%と合わせて60%の割増率となります。

賃金未払いには罰則がある

割増賃金率の変更により、従業員への賃金未払いが起こらないよう注意する必要があります。賃金の未払いは労働基準法第24条違反となり、企業に30万円以下の罰金が科せられます。また、労働基準関係法令違反に係る公表事案により、社名と違反内容が公表されるため社会的信頼の失墜にもつながりかねません。割増賃金について正しく理解するようにしましょう。

割増賃金率引き上げへの対策

適正な労働時間を把握しよう

割増賃金率引き上げにより、各従業員の正確な労働時間の把握が重要になります。労働時間はタイムカードやパソコンなど、客観的な方法での記録を原則とし、記録した書類は5年間の保存が必要です。やむを得ず、従業員自らの自己申告によって労働時間を把握する場合は、企業に十分な説明を行わなくてはなりません。また企業側も、従業員からの自己申告を妨げる措置を行うことは禁止されているため、申告があった場合は適切に対応しましょう。

長時間労働を是正しよう

割増賃金は、時間外労働や休日労働などを行った際に発生します。そのため労働時間を可能な限り法定労働時間内に収めることで、企業の経済的負担の軽減につながります。長時間労働は人手不足や非効率な業務進行が原因になりやすく、同じ人数でよりスムーズに業務を進められるような高い生産性が求められます。省力化投資や意識改革など、生産性向上につながる色々な対策を行いましょう。

代替休暇を検討する

長時間働いている従業員に代替休暇を付与する選択肢もあります。代替休暇は割増賃金の代わりに有給休暇を付与する制度で、月60時間を超える時間外労働を行った従業員に対して適用できます。代替休暇制度を導入するためには、過半数組合や過半数代表者との間で労使協定を結ばなくてはなりません。労使協定では代替休暇の単位や期間、取得日の決定方法などの内容を決めましょう。なお、代替休暇の取得は各従業員の自由です。代替休暇の取得を選ばなかった従業員に対しては、通常どおりに割増賃金を支払う必要があります。

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まとめ

この記事では割増賃金率の引き上げについて概要や注意点、対策を紹介しました。割増賃金率は労働条件によって異なるため、正しく理解しておかなくてはなりません。従業員の労働時間の正確な把握だけではなく、可能な限り長時間労働や深夜労働が発生しないよう努めることも重要です。割増賃金率引き上げを機に自社の労働環境を今一度確認し、従業員が楽しく働ける取り組みをスタートしてみてはいかがでしょうか。

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