ガラスの天井とは?存在する問題点と排除する方法について徹底解説

2024年10月23日

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ガラスの天井とは、女性や人種を理由に十分な素質や実績を持つ人物の昇進を妨げる、見えない障壁や限界を指す言葉です。ガラスの天井が存在する職場では、意思決定の場に女性やマイノリティがいないため、多様な視点からのアイディアが生まれにくくなってしまいます。フレックスタイム制やテレワークといった柔軟な働き方を導入し、育児や介護をしながらでも働き続けられるようになれば、ガラスの天井対策につながります。

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ガラスの天井に困っている方がいる

ガラスの天井とは

ガラスの天井とは、優れた能力や資質、十分な実績や成果があるにもかかわらず、性別や人種などを理由に昇進が妨げられている状態を指す言葉です。目には見えない障壁や限界をたとえた言葉で、特に「女性であるから」「マイノリティであるから」といった理由で、不当な扱いを受けた場合に用いられます。「ガラスの天井(glass ceiling)」という言葉はアメリカの企業コンサルタントであるマリリン・ローデンが用いたのが初めてで、その後ウォールストリート・ジャーナル紙が特集記事のなかで取り上げ、広く一般に知られるようになりました。

壊れたはしごとの違い

壊れたはしごとは、キャリアアップに必要なはしごは最初から壊れており、女性の昇進ははしごの1段目、すなわちキャリアアップの最初の段階から難しい状態であることを意味する言葉です。「壊れたはしご(broken ladder)」という言葉は近年になって使われ始めた表現で、それ以前は女性のキャリアアップが難しい原因はガラスの天井だと思われてきました。しかし、そもそもキャリアアップのはしごは1段目から壊れており、女性が昇進できないのは壊れたはしごが原因だと考えられています。実際に近年の調査では、グループリーダーや主任といった、初級レベルの管理職に就く女性の割合が低く、いくら上級レベルの女性の昇進を改善しても、根本的な解決にはつながらないことがわかりました。昇進の男女格差をなくすには、壊れたはしごを解消する取り組みが必要です。

ガラスの天井が生まれる背景

具体的な要因は企業風土や職場環境によっても異なりますが、ガラスの天井が生まれる背景には以下のような要因があります。

  • 性別に関する固定観念
  • 無意識の偏見や思い込み
  • 女性自身による仕事の制限や線引き

性別に関する固定観念は「ジェンダー・ステレオタイプ」と呼ばれるもので、いわゆる「男性は外で仕事、女性は家で家事育児」といった考え方です。特に日本ではこのような考えが根強く、ガラスの天井を生み出していると考えられています。また、世間一般やマスコミによる「男性らしさ」「女性らしさ」のイメージから、「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれる無意識の偏見や思い込みが形成されている可能性もあるでしょう。さらに、女性自身が「ここからは男性の仕事」「これは女性の仕事ではない」といったように、無意識に仕事に制限や線引きをしてしまっている可能性もあります。

ガラスの天井の問題点

人材が流出する恐れがある

ガラスの天井が存在するとキャリアに対する満足度が低下するため、転職志向や退職志向が高まります。具体的には、キャリアアップや昇進が難しいとわかると、仕事に対するモチベーションは大きく低下するため、転職や退職を真剣に考える従業員も少なくありません。従業員は長期的なキャリア形成が困難になり、企業にとっては生産性や業務品質が低下する恐れがあり、注意が必要な状態です。女性やマイノリティが意欲を持って働ける職場環境を構築しないと、従業員のエンゲージメントが低下し、人材が流出する恐れがあります。

多様な意見が生まれにくくなる

ガラスの天井によって女性やマイノリティを排除してしまうと、多様な意見が生まれにくくなります。具体的には、女性やマイノリティの昇進が妨げられると、管理者層は男性やマジョリティが中心となるため、思考が硬直化してしまうケースも珍しくありません。そのような状態では新たなアイディアは生まれにくく、組織の成果も陳腐化しがちです。消費行動が複雑化する現在、変化の激しい市場で生き残っていくには、柔軟な思考が必須です。「柔軟な思考」「柔軟な組織」を実現するには、ガラスの天井を打ち破って多様な意見が生まれやすい環境を構築する必要があります。

企業イメージが低下する

ガラスの天井が根強い旧態依然とした組織は、企業イメージが低下する恐れがあります。多様性が重視される昨今、意識的にしろ無意識的にしろ、女性やマイノリティを排除する考え方の組織に対し、ネガティブな印象を持つ方も少なくありません。同等のものであれば、女性やマイノリティが活躍している企業の商品やサービスを選択したいという消費者も増えてきました。また、採用市場においても、ガラスの天井が存在しない企業はイメージがよいため、優秀な人材に選ばれやすくなります。人材獲得競争が激しさを増すなか、女性やマイノリティーにかかわらず、即戦力の人材を獲得することが重要です。

ガラスの天井を排除する方法

柔軟な働き方を導入する

女性やマイノリティでもライフステージの変化に合わせて働きやすいよう、柔軟な働き方を導入することが重要です。例えば、テレワークやフレックスタイムを導入すれば、さまざまな事情を抱えた方でも無理なく働けます。特に、妊娠・出産・育児・介護などを理由に離職する方が多いため、柔軟な働き方を導入すれば、このようなライフステージの変化があっても、仕事を継続することが可能です。場所や時間といった制約がなくなることで、育児や介護と仕事の両立ができる方も増えるかもしれません。企業としても、貴重な人材の流出を防げるというメリットがあります。

組織風土や意識を改革する

女性やマイノリティに対する考え方は、組織風土に大きな影響を受けます。そもそも組織風土とは、組織の共通認識となっている価値観やルールで、経営層や管理者層の考え方によって形成されるものです。そのため、組織が一丸となってガラスの天井の打破を目指す場合は、経営層や管理者層が率先して意識を変えていく必要があります。経営層や管理者層が問題を認識し、積極的に意見を発信していけば、配下のメンバーは自然とフラットな考え方ができるようになるはずです。

家事・育児・介護に男性が積極的に参加する

妊娠・出産・育児・介護といったライフイベントを経験したあとも、女性が仕事を続けていくためには、男性が積極的に家事や育児・介護に参加することが大切です。特に日本では、「家事や育児・介護は女性がやるべきである」という、ジェンダー・ステレオタイプが根強く残っています。しかし、女性がキャリアを継続するには「女性らしさ」「男性らしさ」といった固定観念は改め、男性も女性もキャリアの選択肢を平等に持つことが重要です。また、性別やマイノリティを理由に不当な扱いをする行為はハラスメントにも該当するため、経営層や管理者層にジェンダー・ステレオタイプが見られる場合は、積極的に排除する必要があります。

まとめ

今回はガラスの天井について解説しました。ガラスの天井とは、優れた素質や十分な実績があるにもかかわらず、性別やマイノリティを理由に昇進が妨げられている状態を指す言葉です。ガラスの天井が存在すると多様な意見が生まれにくく、人材が流出しやすくなります。また、イメージが悪化し、企業価値が低下する恐れもあるため注意が必要です。当記事を参考に、ガラスの天井の打開を目指しましょう。

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