ランチミーティングとは、社内のコミュニケーション活性化や時間を効率的に活用するために、お昼の休憩時間に会議を行うことです。普段とは異なる和やかな雰囲気のなか会議が進行できるため、ランチミーティングを取り入れる企業は増えています。しかし、ランチミーティングは労働時間に含まれるのでしょうか。今回はランチミーティングの内容、ランチミーティングと休憩時間の考え方、違法となるランチミーティングについて解説します。
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ランチミーティングとは
ランチミーティングとは、会議やミーティング、意見交換会などをお昼休みの時間を用いて行うことをいいます。ランチを食べながらリラックスして話ができるため、議題がポジティブな方向に進行しやすく、深刻になりがちなテーマを扱う際や、大切なお客様と打ち解ける機会にもランチミーティングは活用されています。また、ランチは会議の参加者それぞれが持参する場合もありますが、ランチミーティングのために特別なランチを用意するケースも少なくありません。雰囲気の良いお店を予約したり、社内で食べる場合は評判のお店でテイクアウトをしてみたりと、ランチそのものを楽しむ姿勢も大切です。
ランチミーティングの規模はさまざまですが、より親密な関係を構築したい場合は少人数のほうが成功しやすいようです。
ランチミーティングのメリット
重要な会議であっても、皆でランチを囲みながら実施すれば楽しそうな印象になります。ランチミーティングには具体的にどういった魅力があるのでしょうか。代表的なメリットをまとめてみました。
- リラックスして会話ができる
- 新しいアイデアが出やすい
- 従業員同士の交流の機会になる
- 昼食の時間を有効活用できる
普段は緊張して発言を控えてしまう方でも、リラックスした雰囲気であれば気軽に意見を述べられることは少なくありません。また、斬新な意見は、冗談が飛び交うフランクなコミュニケーションのなかから生まれやすいことがわかっています。畏まった場では出てきそうにない意見に出会えるのもランチミーティングの魅力でありメリットといえるでしょう。また、ランチミーティングをきっかけに従業員同士の距離が縮まる場合もあり、社内のコミュニケーションの活性化にも効果が期待できます。
ランチミーティングの注意点
ランチミーティングは、参加者の負担にならないよう開催頻度に気を遣いましょう。毎週のようにランチミーティングが行われていると、参加するのが億劫に感じてしまう従業員も増えてしまいます。有意義で楽しい時間を過ごしたと思ってもらえるように、ランチミーティングへの参加は強制せずに費用負担もなるべく軽減する工夫が大切です。また、ランチミーティングの内容が業務に関連する場合は、休憩時間として扱うことはできません。別途休憩時間を設ける必要があるので、注意しましょう。
ランチミーティングと休憩時間の考え方
そもそも休憩時間とは
休憩時間は、「従業員が休息のために労働から完全に解放されることが保障されている時間」と定義されています。休憩時間は従業員が自由に利用できなければなりません。加えて、付与すべき休憩時間の長さも法律で定められています。労働基準法第34条によって、労働時間が6時間を超え8時間以下の場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないと定めているのです。多くの企業はこの45分あるいは1時間はお昼休みに充てているため、この時間を会議に使ってしまうと業務から解放される時間がなくなってしまうことをよく認識しなければなりません。
労働時間の定義も整理しよう
労働時間とは、雇用主の指揮命令下で労働者が企業のために働く時間を指します。雇用主からはっきりと指示された業務に従事する時間以外にも、以下のようなケースは労働時間とみなされます。
- 業務上必要な所定の作業着に着替える時間
- 業務で必要な朝の清掃やラジオ体操
- 参加が強制の社内研修
- 休憩時間中の電話番
ランチミーティングは労働時間にあたる可能性がある
このように、ランチミーティングであっても、企業や上司の指揮命令下に置かれていると判断されるケースでは労働時間として扱われ、休憩時間としてカウントはされません。実質的に強制参加である場合は労働時間として扱い、休憩時間は別途付与しましょう。仮に自由参加のランチミーティングの場合であっても、業務に関連する内容が濃い場合は労働時間として扱われる可能性が高いです。ランチミーティングという名のもと、食事中の従業員に午後の業務の指示や打ち合わせをする行為も法律違反になる可能性があるので注意しましょう。
ランチミーティングを成功させるポイント
最適な議題を選ぶ
ランチミーティングに適した議題を選ぶように心がけましょう。メモや議事録が必要な議題はランチミーティングにふさわしくありません。どちらかというとカジュアルな雰囲気で、交流を深めたりお互いのことを良く知ったりしたいときにランチミーティングはふさわしいでしょう。例えば、研修の振り返り、社員旅行や社内イベントの企画出し、ブレインストーミングなど、誰もが楽しく自由に会話できることを目的にすると効果を発揮しやすいです。頭を悩ませてしまうような重い内容は避けて、ランチとミーティングをどちらも楽しめる議題を選定しましょう。
話しやすい空間を選ぶ
参加人数やミーティングの目的にマッチする、話しやすい空間を選びましょう。ランチの楽しさとミーティングの話しやすさが両立する空間が望ましいです。人気のレストランを予約できたとしても、ランチタイムは混雑していて騒がしいかもしれません。大切なお客様をお招きするランチミーティングであれば、賑やかなお店は避けて個室のあるレストランなどが良いでしょう。一方で、普段から一緒に働いている従業員同士であれば、いつもの会議室が一番落ち着いて話ができるでしょう。
料理に気を使う
ランチミーティングを成功させるためには、料理にも気を遣う必要があります。美味しいことはもちろん、珍しい料理や彩りが美しい料理などは話題にしやすく、リラックスした会話の糸口となるでしょう。せっかくのランチタイムを活用するのですから、美味しいものが食べられるという「お得感」を参加者に持ってもらうのも大切なポイントです。
また、食べやすさも大切です。マナーや食べ方を気にしなければならない料理よりは、片手で食べられるサンドイッチやピザのようなものの方が会話に身が入るでしょう。
まとめ
自由で闊達な意見交換の場として、ランチミーティングは最適です。しかし、業務に関連する話をする以上は、ランチミーティングは労働時間として扱われます。休憩時間の付与も別途必要となる場合もあるため注意しましょう。休憩時間や労働時間に対する考え方を正しく理解して、上手にランチミーティングを活用しましょう。