出勤率の計算方法をマスターしましょう!

2020年3月9日

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出勤率は、年次有給休暇の付与要件となり、労働者の出勤日数と所定労働日数から算出されます。育児休暇や介護休暇など、実際に出勤していなくても出勤率の計算上は出勤したことになる場合もあるため、注意が必要です。今回は、年次有給休暇の付与要件と出勤率の意味、出勤率の計算方法について解説していきます。

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年次有給休暇の付与要件

「採用日から6か月間継続的に勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者」であることが、年次有給休暇の付与要件です。当該労働者は、継続あるいは分割した10日間の有給休暇を得る権利があります。ただし、労働者の1週間当たりの労働時間に応じて、付与する有給休暇の日数は異なります。違いを以下で詳しく解説します。

一般の労働者

1週間に30時間以上働く一般の労働者に付与する有給休暇の日数は以下のとおりです。正規雇用者・非正規雇用者など雇用形態にかかわらず適用されます。

表はスライドできます

勤続年数 0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5
付与日数 10 11 12 14 16 18 20

週所定労働時間が30時間未満の労働者

表はスライドできます

所定労働日数 年間所定労働日数 勤続年数
0.5 1.5 2.5 3.5 4.5 5.5 6.5
付与日数 4日 169~216 7 8 9 10 12 13 15
3日 121~168 5 6 6 8 9 10 11
2日 73~120 3 4 4 5 6 6 7
1日 48~72 1 2 2 2 3 3 3

出勤率の意味

出勤率は「出勤した日数」を「全労働日」で割って算出します。年次有給休暇を付与するためには、この出勤率が8割を超えている必要があります。「出勤した日数」は、算定期間の全労働日のうち出勤した日数、「全労働日」は、算定期間の総暦日数から就業規則などで定めた休日を除いた日数を指します。また、出勤日数は、休日出勤した日は除き、遅刻・早退した日は含めるという規定があります。就労時間を通して就労していなくても、出勤日数とみなすという点を念頭に置かなければなりません。なお、出勤率の算定にあたって、次の日数の取り扱い方に注意しましょう。

全労働日から除外される日数

  1. 使用者の都合・責任によって休業した日
  2. 正当なストライキその他の正当な抗議活動により労働していない日
  3. 休日労働させた日
  4. 就業規則で休日とされている日に労働させた日

出勤したものとして取扱う日数

  1. 業務が原因とされるケガや疾患の療養のために休業した日
  2. 産前あるいは産後の女性が休業した日
  3. 法に基づいた育児休暇・介護休暇を取得して休業した日
  4. 年次有給休暇を使用した日

出勤率の計算方法

出勤率の計算式は以下のとおりです。
「出勤率=出勤日数÷全労働日」
よって、「出勤率(%)=出勤日÷全労働日×100」となります。上述のとおり、この計算式で算出される出勤率が80%を超えた労働者が、有給休暇付与の対象になります。

出勤率の計算における注意点

出勤率に関して注意するべきポイントが2つあります。

  • 遅刻や早退は出勤率に影響しない
  • 出勤率は日ごとの計算となるため、実労働時間は影響しません。出勤率に遅刻や早退は影響しないことを覚えておきましょう。
    例えば、遅刻や早退が多く、所定労働時間に対して実労働時間が少ない場合でも、出勤率が8割を超えていれば年次有給休暇を付与する必要があります。
    「○回以上の遅刻・早退は欠勤扱いとする」といったように就業規則などに明記しても無効となるので注意しましょう。遅刻や早退があまりにも多い従業員に対しては、減給などの懲戒処分とすることが適切です。

  • 出勤率が8割に満たない場合でも、有給日数の加算はリセットされない
  • ある算定期間の出勤率が8割に届かない場合があっても、次年度における年次有給休暇の付与日はリセットされず、勤務年数に応じて加算されます。
    例えば、新しく雇用したフルタイム正社員が、最初の6ヶ月における出勤率が8割未満となり有給休暇付与日数が0日だったとします。それについてはその後に影響せず、次の算定期間1年の出勤率8割を満たすことで、2年目の有給休暇付与日数は11日となります。

年次有給休暇の計画的付与および時間単位年休について

年次有給休暇の計画的付与

年次有給休暇の付与日数のうち、5日を超える部分に関しては、労使協定を結ぶことで計画的に休暇取得日を割り振ることが可能です。

時間単位年休

年次有給休暇は、原則として1日単位で与えることになっていますが、労使協定を結ぶことで、1時間単位で与えることが可能になります。なお、上限は1年で5日分までと規定されています。

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年次有給休暇に対する疑問

使用者・労働者双方が働くうえでトラブルが生じないようにするには、年次有給休暇に対する疑問を解決しておくことが重要です。以下では代表的な疑問について解説します。

年次有給休暇の有効期間は何年か

労働基準法第115条において、年次有給休暇は発生日から2年間で時効になり消滅すると規定されています。

年次有給休暇を買い取ることは可能か

年次有給休暇の買い取りは法律違反です。ただし、退職時に消化しきれなかった年次有給休暇に対し、残日数に応じて給与に上乗せすることは認められています。

年次有給休暇を取得すると職場で不利益な扱いを受けそう

労働基準法に基づいて、使用者は労働者が有休を取得したことを理由に、当該労働者を不利益に取扱うことを禁じられています。不利益な取り扱いとは、賃金の減額をはじめとして、年次有給休暇の取得を妨害するすべての対応が対象となります。

「うちの会社では有休を認めていない」と言われた

年次有給休暇の取得は、すべての労働者の権利で、要件を満たしていれば必ず取得する権利があります。従って、使用者が労働者の有休取得を妨害することは違法にあたります。

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まとめ

本稿では、出勤率の計算方法と年次有給休暇の付与要件について解説しました。出勤率は、有給休暇を付与するうえで非常に大切な条件です。使用者は、労働者にとって不利益とならないよう、出席率を正確に算出する義務があります。正式な計算方法と注意事項に基づき年次有給休暇を付与するように留意しましょう。

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