外国人労働者問題とは?受け入れに関しての注意点を解説します

2021年10月4日

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近年、多くの業界、企業において、外国人労働者の受け入れが活発化しています。少子高齢化が進み労働人口が減少している日本において、外国人労働者の存在は、経済全体の大きな助けとなるでしょう。しかし、外国人労働者が増加するに従い、彼らを取り巻く労働環境に大きな課題があることがわかってきています。今回は、外国人労働者問題の内容とその原因、外国人労働者の受け入れの方法、そして企業が外国人労働者を受け入れる際に注意しなければいけないことを解説します。

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外国人労働者問題について考えよう

外国人労働者とは

外国人労働者とひとことでいっても、その在留資格はさまざまで、それぞれ異なるバックグラウンドを持って来日しています。外国人労働者は以下のように分類されます。

  • 身分に基づき在留する者
  • 定住者、永住者、日本人の配偶者などを指します。これらの在留資格は、在留中の活動に制限がないため、さまざまな分野で報酬を受ける活動が可能です。

  • 専門的・技術的分野で在留資格を持つ者
  • 企業経営者や医師、教員など、高度な技能を持った人が該当します。在留資格の根拠となる専門的業務のみを行うため、単純労働はできません。

  • 技能実習
  • 技能移転を通じた開発途上国への国際協力を目的としています。来日時点で日本語能力を習得している必要はなく、特別な試験なども原則ありません。外国人技能実習生の受け入れができる職種・作業は2020年現在、82職種146作業で、最も受け入れが進んでいる職種は建設関係です。また、ベトナムからの受け入れが半数を占めます。

  • 特定活動で在留している者
  • 法務大臣が個々の外国人について、活動を指定する在留資格のことをいいます。例えば、経済連携協定(EPA)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者、ワーキングホリデー利用者、外国人建設就労者、外国人造船就労者などが該当します。

  • 資格外活動
  • 本来の在留資格の活動を阻害しない範囲内で労働ができます。留学生のアルバイトなどが該当します。

外国人労働者の現状

将来的な労働人口の減少を見据え、外国人労働者の受け入れは、官民一体となって進められています。2016年に初めて100万人を突破した外国人労働者数は、2019年には約165万人を超えました。コロナ禍による出入国制限で勢いは抑えられたものの、今後さらに増加すると予測されています。労働者の国籍は中国・ベトナム・フィリピン・ブラジルなどが多く、近年では特にベトナム人の増加が顕著です。在留資格の面でみると「特定活動」「資格外活動」「技能実習」などに大きな増加がみられます。

外国人労働者問題とは

外国労働者の増加に伴って、外国人労働者を取り巻くさまざまな問題が顕在化しています。言葉の壁や文化の違いだけでなく、受け入れ企業側の認識不足によって発生している状況も少なくありません。特に問題視されているのは以下のような状況です。

  • 長時間労働
  • 外国人労働者であっても、日本で働く以上、労働基準法を遵守しなければなりません。しかし、日本語が得意でなかったり、日本の法律に詳しくなかったりする外国人労働者は多く、不当な長時間労働を強いられているケースは少なくありません。実際に技能実習生を受け入れる企業の違反事項でも、もっとも多いのが不当な長時間労働になっています。

  • 低賃金
  • 特に技能実習生で問題視されているのが、低賃金の問題です。本来、技能実習は「外国人に日本の技術を学んでもらい、母国で生かしてもらおう」という制度です。しかし、特に人材不足が著しい業界では、技能実習生が主要な労働力を担っている現場も多く、「安い労働力」という間違った期待がされている現状があります。技能実習生を受け入れるために監理団体への支払いや採用のための費用など、技能実習生1人にかける人件費は決して安くはなく、賃金を上げにくいという背景もあります。

  • 劣悪な労働環境
  • 外国人労働者は、日本の職場において弱い立場に置かれるケースが少なくありません。本来はそのようなことはあってはなりませんが、日本語の習熟度が低く、専門的な技能を持たない外国人労働者は、景気後退期などには解雇の対象になりやすく、再就職も容易ではありません。このような状況を悪用し、外国人労働者に対して、危険で不衛生な労働を押し付けたり、不合理な労働条件を承諾させたりするのです。ほかにも、労災隠しや、割増賃金の未払いなど、現在判明しているよりもさらに多くの問題が存在するといわれています。

外国人労働者の受け入れるステップ

採用活動

上述の通り、外国人労働者の在留資格には種類があるため、どのような人材を雇いたいかによって受け入れプロセスは変わってきます。例えば、ただ単に外国語が話せる人材を雇入れたい場合は、一般的な求人情報サイトに求人広告を載せるだけでも効果は見込めます。国籍や海外文化への理解度にこだわりたい場合は、外国人専門の求人情報サイトや外国人労働者に特化した派遣・紹介会社もあるので、活用すると良いでしょう。また、技能実習生を雇入れる場合は、監理団体と契約する必要があります。このとき、自社の業務が技能実習生の受け入れ対象になっているか確認しましょう。

ビザの取得と確認

外国人労働者を雇い入れる際は、就労ビザが必要です。外国人は、出入国管理および難民認定法で定められている在留資格の範囲内において、日本における職業活動が認められています。就労ビザにも種類があるため、外国人労働者の持っている就労ビザが、自社の事業内容と合致しているか確認しましょう。また、就労ビザを取得していない場合は新しく取得する必要があります。取得までは数か月程度かかる場合もあるため、この間に受け入れ準備を進めておくと良いでしょう。

雇用契約の締結

就労ビザの申請は、企業と正式な雇用契約を締結していることが前提条件です。そのため、雇用契約は前もって締結する必要があります。しかし、就労ビザの申請をしたものの、審査結果が不許可である可能性もあるため、契約には注意が必要です。このような場合は、「この雇用契約は、日本政府による、正当で就労可能な在留資格の許可および在留期間の更新を条件として発効する。」のような文言を入れておくと良いでましょう。また、外国人本人に対しても、就労ビザが許可されなかった場合の採用取消の可能性を伝えて、了承を得ておくことが大切です。

就労スタート

外国人を雇用する際はハローワークへの届け出が義務付けられています。ただし、外国人労働者が雇用保険に加入する場合は必要ありません。
就労がスタートしたら、在留期間に気を付けましょう。期間満了が近づいたら更新しなければなりません。もし期限を過ぎても更新せずにいると、労働者本人や企業が罰せられる可能性もあります。更新手続きは外国人自身が行いますが、確実な更新のために企業でも期間を管理しておきましょう。

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外国人労働者を受け入れる際の注意点

働きやすい就労環境を整備する

多くの外国人労働者は、言語・文化・気候などさまざまな環境が異なる国から来ています。日本語だけでなく、日本の職場文化への理解も浅いでしょう。また、来日して日が浅いうちは、住まいや日常生活に関してもわからないことばかりです。このような場合は、経験豊富なほかの外国人労働者や、海外文化に理解の深い従業員をサポートに付け、公私に渡って信頼関係を構築することが大切です。また、毎日の仕事の指示や社内の掲示物に、外国人労働者の母国語を取り入れるなど、職場の環境整備を積極的に行いましょう。

日本語のレベルを確認する

外国人労働者の日本語レベルを確認することは、とても重要です。一般的に、日本で就職活動やビジネスを行うためには、日本語能力試験でN2レベル以上の水準が必要といわれています。しかし、最初からこのレベルに到達している外国人労働者はまれでしょう。入社後、簡単な日本語テストなどを行い、外国人労働者の日本語レベルを把握する必要があります。その後、習熟度に応じて、日本語学校への通学や、社内における日本語学習などを手配すると良いでしょう。

雇用時と離職時の届け出を忘れずに

外国人を雇用している企業では、外国人労働者の雇用時・離職時に「外国人雇用状況の届出」を提出する必要があります。正社員・アルバイト・派遣社員のいずれも届け出が必要です。派遣社員に関しては雇用主である派遣元が届け出を行うため、派遣先の企業では不要です。届け出を怠ると30万円以下の罰金が科されるため、忘れずに行いましょう。

まとめ

多くの外国人労働者は、日本におけるさまざまな学びや、仕事のやりがいを求めて来日しています。受け入れる企業側においても、彼らの想いや願いに応え、外国人労働者がいきいきと働ける環境づくりをしなければなりません。彼らが幸せになれる環境は、回りまわって私たち日本人の幸福にもつながるでしょう。外国人労働者にまつわる問題を真摯に受け止め解決していくことで、新たな共生社会の実現を目指しましょう。

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