生活残業とは?詳しく解説します

2022年1月18日

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生活残業とは、従業員が生活費を稼ぐため、意図的に残業することをいいます。現在は、働き方改革によって、残業時間が制限されるようになりました。過度な残業をしないための仕組みは整いつつありますが、生活残業にはさまざまな企業の課題が隠れているため、きちんと対策しなければなくすことは難しいでしょう。この記事では、生活残業の実態や問題点、発生する原因、対策方法について解説していきます。

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生活残業の課題が問題視

生活残業とは

通常、残業が発生するのは、所定労働時間内に業務が終了しない場合です。しかし、時間内で十分に完了できる業務量でありながら、わざと業務のペースを下げて残業を行う行為を、生活残業と呼びます。なぜ「生活」なのかというと、残業代によって賃金を少しでも増やすため、いわば、生活のために行う行為だからです。生活残業は、多くの場合、一時のお小遣い欲しさから行われている訳ではないため、常態化しやすく、問題視されています。

生活残業の実態

一般に、「年収」には、賃金のほか、支給される手当や、残業代が含まれます。そのため、生活残業が常態化している企業では、実態よりも収入が多いかのように見えてしまう場合があります。実際は、基本給だけでは生活できない従業員が数多く存在し、長時間労働が蔓延しているということになるため、企業組織としても良い状態とはいえません。
基本的に、従業員の業務処理能力に見合った業務量を提供している限りは、残業は発生しません。しかし、生活残業の場合、業務をわざと残したり、余計な業務に時間を費やしたりという行動のもと行われるため、適正な業務量が見えにくくなり、効率化も実現できないでしょう。これでは、企業の収益アップは難しく、将来の賃上げにもつながりません。つまり、生活残業は、企業運営と組織マネジメントの不備が悪循環に陥った結果、生じる行為といえるのです。生活残業は、企業経営を徐々に蝕む要因として、危機感を持たなければなりません。

生活残業の問題点

人件費がかさむ

生活残業は、業務を効率的に行えば、本来発生しない、不要な労働です。しかし、いくら非効率で意味のない労働であっても、労働である以上、企業は残業代を従業員に支払わなければなりません。生活残業が慢性化している職場では、必要以上に人件費がかかっていることになります。加えて、残業が法定時間外労働に相当する場合、本来の賃金に比べて割り増しされるため、1時間あたりの労働単価は大きくなります。

従業員の意欲が低下する

生活残業が常態化している職場には、はたから見て、「いつも残業しているけど、何が忙しいのかよくわからない」という従業員が存在しています。また、「非効率な業務に忙殺されている」ように見えることもあるでしょう。このような状況では、業務の効率性や生産性を重視する従業員は、やりがいを持てません。生活残業をする従業員と同じように、ダラダラと業務を進め、残業代を稼ぐことを目的に働く人以外は、職場に定着しない可能性があります。
質の高い業務を効率的に行い、定時にしっかり退社を目指すのが、仕事のあるべき姿です。真面目に働いていない従業員に対して多くの残業代が支払われているという事実は、優秀な従業員の労働意欲を低下してしまうしょう。生活残業は、組織全体に悪影響を及ぼしかねないのです。

生産性が下がる

生活残業は、必要性のある残業とは異なり、ただ単に収入の増加を目的に行われます。業務の進捗をコントロールしたり、不要な業務を行ったりして残業代を発生させているので、生産性が高い仕事とはいえません。これでは、業務にどの程度の人件費をかけるべきなのか、企業側が判断できなくなってしまいます。その結果、不必要な人数の従業員を採用してしまったり、業務にかけるコストを下げられなかったりするなど、経営判断にも支障をきたします。

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生活残業への対策方法

残業許可制の導入を検討する

残業許可制とは、従業員が残業を行う際に、事前に上司などの許可を取る、もしくは事後に承認を得る方法です。残業許可制を導入することで、生活残業の発生抑制が期待できます。ただし、残業許可制は、適正な業務量の配分と進捗管理によって機能する方法です。もし、明らかに業務時間内で完了できない量の業務を抱えながら、残業も許されないとなれば、マネジメントに大きな矛盾を生じ、従業員が不満を募らせる原因になるでしょう。
また、残業許可制を実際に導入する際は、就業規則に明記し、従業員への周知を徹底しましょう。残業ができる場合とそうでない場合を明確に定めることが大切です。

業務を「見える」化する

職場でどういった業務が行われているのが、整理してみましょう。誰が具体的にどんな業務に携わっているのか、またどれくらいの時間がかかっているのか、すべて書き出し、業務を「見える化」します。ブラックボックス化している業務や、属人化されている業務は、生活残業を発生させる大きな要因になります。必要な業務と工数、人員数を、企業側がしっかりと把握することが大切です。そうでなければ、適切なマネジメントが行えず、業務の主導権を従業員に握られてしまうことになりかねません。生活残業をしやすい職場環境を改善するためにも、業務の「見える化」をしましょう。

給与形態を見直す

生活残業が行われる背景には、基本給だけでは生活が難しい従業員の存在があります。昨今の経済状況では、従業員の賃金を上げたくても上げられない企業は多いでしょう。しかし、法定労働時間を働いてもなお、生活に困る金額の賃金しか得られない状況は、健全な企業経営とはいえません。また、残業を見越して基本給を低く設定している場合は、生活残業をする従業員ではなく、企業側に問題があるといえるでしょう。
こうした問題を改善するためには、基本給を増額して賃金アップを実施することも検討しましょう。残業を行わなくても、生産性の高い仕事に対しては十分な賃金を支払うという姿勢をアピールし、効率的に働くことで従業員が「得する」体制を目指しましょう。

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まとめ

生活残業は、単に残業を規制すれば良い訳ではありません。残業ができなくなったことで収入が下がれば、従業員の退職を招きかねない、非常にデリケートな問題です。従業員が業務に専念するためには、生活への安心感と、企業へのエンゲージメントが大切です。両者を成立させるためには、労働条件を改善し、生活残業をしなくても十分生活できるようにしなければなりません。従業員のことを思いやる姿勢をアピールすることで、従業員との貴重な信頼関係が構築できるはずです。

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