残業が評価される企業文化を改善するには?

2021年2月3日

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残業時間が多い人には、仕事の難易度が高く量が多い場合と、仕事が適正量なのに定時に終わらせられないまたは終わらせる気がない場合の2つのパターンが考えられます。後者の場合には残業代が無駄になってしまうため、残業削減に向けた意識改革と制度改革が必要です。「残業が多い=頑張っている」といった風土を撤廃し、能力の高い人を評価できる仕組みを構築しましょう。今回は、残業をする理由や残業が減らすための意識改革の方法、残業時間に依らない評価方法について解説していきます。

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残業をする理由

仕事が適切に分担されていない

残業をする理由の一つに、仕事の量が多すぎて定時内に終わらないというものがあります。これは、与えられた仕事の難易度が高すぎる場合や、終わりがはっきりしていない仕事でだらだらと続けてしまう場合などに起こりがちです。また、優秀な従業員の担当業務が増えすぎてしまい、ほかの従業員にうまく配分できていないことも原因として考えられるでしょう。いずれにせよ、上司は従業員それぞれの能力を活かすように、適切に仕事を配分する必要があります。

残業の多い人が評価される雰囲気がある

日本の企業文化には、定時で仕事を切り上げて帰る人よりも残業で長い時間仕事をしている人のほうが「頑張っている」、「真面目で責任感が強い」と評価する価値観がありました。このような昔ながらの価値観と雰囲気によって残業をせざるを得ない状況は徐々に改善されつつありますが、企業によっては今もなお色濃く残っています。残業をしないと、やる気がないと思われたり、真面目に仕事をしていないと思われたりするのではないか、という不安から残業している従業員も多いようです。また、上司や先輩、同僚などが仕事をしているなか、自分だけが帰るのは申し訳ない、という気持ちから残業をしているパターンも見受けられます。

残業代が欲しい

生活のために残業をしなくてはならない状況にいる人もいます。いわゆる生活残業といわれるもので、基本給が低く残業代がないと生活が成り立たないなどの理由で、残業代を目当てにして残業しているケースです。

残業削減のための意識改革方法

残業に対する正しい考え方

慢性的に残業がある企業文化は改善していく必要があります。残業を繰り返すことで仕事にかける時間が長くなり、疲れがたまってミスをする可能性が高くなります。また、仕事とプライベートのバランスが崩れて、ストレスや健康面の問題が発生するリスクも軽視できません。
残業への意識を改めるには、効率的な仕事の進め方や業務改善への注力が重要です。例えば、タスクの優先順位を決めたり、業務プロセスの見直しを行ったりすることで、効率的な時間管理ができるようになるでしょう。また、ツールやシステムの導入・作業手順の改善・チームメンバーの役割分担の見直しなども、改善効率化につながります。このように、残業に頼らずに業務改善に注力すると、効率的に仕事を進められます。そうした工夫によって社員のモチベーション向上や生産性の向上、プライベートと仕事のバランスの改善など、多くのメリットが得られるでしょう。

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企業が残業時間を把握する

残業削減のためにまず企業が行うべきことは、残業の実態を把握することです。残業が多くなる根本的な原因を突き止めれば、有効な対策方法を講じることができます。例えば、一人に仕事が集中している場合は仕事の分担を見直すきっかけになるでしょう。実態を確認する際は、従業員がそれぞれどんな仕事を受け持っていて、その仕事にはどれだけの工数が必要なのかをはっきりさせましょう。これにより無駄な工程や時間がかかりすぎている工程を見つけ出し、非生産的な作業を削減することができます。

ルールを作成し徹底する

残業を削減するための対策には、残業をしにくくするルールを作成するのも有効です。例えば週に1回残業をしてはいけない日を設ける「ノー残業デー」は、多くの企業で取り入れられています。いつでも残業できるという環境をなくすことで、定時のうちに仕事を終わらせようという気持ちにさせる効果が期待できます。ほかにも、残業を行う際に事前に上司などに申請し承認を得るという制度を取り入れるのも良いでしょう。残業をすることに対するハードルが上がり、残業時間削減につながります。これらのルールは例外を設けず、徹底して守られることによってより一層効力を発揮します。
また、生活残業が多くなっている場合などは、みなし残業制度を取り入れるのも一つの方法です。みなし残業制度とは、毎月の固定給に加えて決まった時間分の固定残業代支給する制度です。例えば「基本給28万円の中に40時間分の固定残業代8万円を含む」とあらかじめ決めておきます。この場合、残業が40時間未満であっても基本給は28万円から減ることはなく、40時間を超えた場合、企業はその分の残業代を加算して支払わなければなりません。従業員は残業が少なくても決まった収入が保証されます。企業にとっては、残業代の単価が安くなるというメリットがあります。ただし、この制度は、基本給に含まれる固定残業代の金額と残業時間を明確にして、従業員に周知しなければなりません。また、固定残業代を支給しているからといって、従業員の残業時間を管理しなくていいわけではないので、運用に注意が必要です。

残業時間だけで評価しないことを周知する

前述のとおり、日本の企業では残業をしている人のほうが評価されやすいと感じている従業員がまだまだたくさんいます。評価する側とされる側、どちらの意識も変えるには、企業の人事評価の方針を改革する必要があります。そのためには、従業員の評価は残業時間の長さには関係しないこと、評価基準には仕事の成果を重要視することを周知しましょう。長時間働いても評価が上がるわけではないという理解が広まれば、無意味な残業をする価値観も変わっていくでしょう。

業務をローテーション化する

業務が特定の人に集中しほかの人の手が空いているなど、業務の配分に偏りがある場合には、業務をローテーション化するのが良いでしょう。さまざまな業務を順番に経験することで、部署内での業務の共有化ができます。また、それぞれの従業員の得手不得手が見えるため、より効率的な業務配分を考える材料にもなります。

残業時間に左右されない人事評価とは

評価項目と時間をセットにする

長時間労働だけを評価基準にしない評価制度は大切ですが、必要な労働時間は評価しなければいけません。大切なことは、「どんな業務にどのくらいの時間をかけているか」という点です。従業員の業務習熟度や得意不得意はさまざまであるため、それぞれのスキルと時間をセットにして評価することが必要です。例えば、一枚の書類の作成について、一人で作成できるのか、少しのサポートがあれば作成できるのか、細かいサポートが必要か、などを評価し、それぞれについて適正な時間内で行えているかを評価する、という方法です。

社員教育を行ってスキルアップを評価する

繰り返しになりますが、従業員のスキルはさまざまです。上司は、それぞれの持っている力を活かした内容や量の仕事を配分する必要があります。しかし、適正な仕事量でも予想以上に時間がかかってしまう従業員の場合は、必要に応じて社員教育などを受けさせ、仕事に対処できるようスキルアップを促すサポートも必要になるでしょう。

業務の効率化に対する取り組みを高く評価する

労働時間を評価基準にしないためには、効率の良い仕事の進め方やそのための工夫をする取り組みについて、高く評価するべきでしょう。残業時間の削減には、いかに短時間で質の良い仕事をするかが鍵となります。それは従業員一人ひとりが業務の効率化を考え行動することで実現することでしょう。

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まとめ

この記事では、従業員が残業する理由と、その対策についてご説明しました。長時間の残業が常態化している従業員は、やる気と責任感に満ちているようにも見えますが、その価値観こそが非効率な長時間労働が発生する原因かもしれません。世の中の「残業時間」の多くは、非効率な働き方を是正せず放置した結果発生しています。まずは上に立つ者の意識改革として、短時間で効率的に仕事を終わらせる働き方が、本当の意味で会社のためになることを認識しなければいけないでしょう。社内の人事評価制度を見直し正当な評価を示すことによって、長時間労働が減り、従業員の心身の健康や企業全体の生産性向上につながるのです。

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