リバースメンタリングとは、部下や若手社員がメンターとなってメンティーである先輩や上司に指導や助言を行う取り組みのことを指します。リバースメンタリングを導入することによって、ベテラン社員のデジタルリテラシー向上や新たな知識の獲得を得ることが可能になるだけでなく、実際に教えることによって若手社員が更に理解を深めることが可能になります。しかし部下が上司に指導するのは、部下に心理的負担を与える可能性もあるので上司や人事担当者は配慮が必要です。
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リバースメンタリングとは
リバースメンタリングとは若手社員がメンターとして先輩社員に助言を行う施策のことです。仕事での立場とは逆に先輩社員に対して若手社員が指導を行うため、若い世代の価値観やデジタルスキルの共有といった内容が実施されます。組織の活性化や若手社員の育成、イノベーションの創出などを目的として、リバースメンタリングを行う企業が広がっているのです。
メンタリングとの違い
メンタリングとは指導者であるメンターと指導を受けるメンティーが、1対1となって行われる総合的な支援の仕組みです。リバースメンタリングとは異なって、メンターは上司や先輩社員、メンティーは若手社員でペアを組みます。このメンタリングは先輩社員の知識や経験を若手社員へと共有することを目的に行われます。リバースメンタリングとメンタリングは従業員同士の対話という点では共通していますが、それぞれの役割や目的が異なるので注意しましょう。
リバースメンタリングの導入が推奨される組織
リバースメンタリングの導入が推奨されるのはどういった組織でしょうか。具体例としては以下のような課題を持つ組織が挙げられます。
- 平均年齢が高い
- 年功序列の傾向がある
- ヒエラルキーが強い
- ダイバーシティを推進したい
年齢や性別など多様なバックグラウンドを持つ従業員が能力を発揮して働くために、新しい取り組みをスタートさせてみてはいかがでしょうか。
リバースメンタリングを導入するメリット
コミュニケーションが活発になる
リバースメンタリングを行うと、世代間を超えたコミュニケーションが発生しやすい環境が生まれます。職場では先輩社員には気を使ってしまい、思うように自分の意見を言えないという方も少なくないのではないでしょうか。リバースメンタリングでは上下関係に縛られずに、上司や先輩社員と若手社員が自由に意見を交わす風土が創られます。リバースメンタリングをきかっけにしてコミュニケーションが活発になる職場が少なくないのです。
従業員の視野が広がる
従業員の視野が広がることもリバースメンタリングのメリットの一つです。リバースメンタリングではデジタルリテラシーの向上や知識の獲得だけでなく、普段の仕事ではわからない従業員のさまざまな価値観や考えについて会話できます。若手社員ならではの感覚に触れることで視野が広がり、働き方改革や新規事業などの施策や企画の立案につながる可能性もあるのです。
マネジメント力の向上につながる
リバースメンタリングの実施は、管理職層のマネジメント力向上にもつながります。定期的に対話を行うと若手社員と管理職との間のコミュニケーションが増えるので、普段の仕事では話さない会話も生まれるはずです。回数を重ねれば管理職として部下をマネジメントする際に、気をつけるべきポイントも明確になってきます。社内の世代を超えた相互理解が深まるので、管理職のマネジメントの質の向上も期待できるのです。
リバースメンタリングの注意点
目的を明確にする
リバースメンタリングを行う目的を明確にしましょう。リバースメンタリングの効果を最大限に高めるためには、実施目的をメンターとメンティーの双方に理解してもらうことが大切です。目的がはっきりすれば行動指針や達成基準も明確になるので、メンターとメンティーは迷わずに行動できます。解決したい課題や実施後にどういった効果を得たいのかを決めてから、リバースメンタリングを導入しましょう。
メンター側の負担に配慮する
メンター側の負担に配慮するように工夫しましょう。先輩社員や上司など目上の方に、メンターとして指導する行為にストレスを感じる若手社員も少なくありません。スムーズに対話を行うために、以下のような取り組みを検討してみましょう。
- メンターを2名体制にする
- コミュニケーションに関連する研修を実施する
- メンティーからメンターへの助言や指導は禁止する
また、メンターの若手社員に対して改善点や要望をヒアリングすることも有効です。職場ごとに適した運用方法を探してみましょう。
価値観の違いを尊重し合う
お互いの価値観の違いを尊重し合えるように意識してみましょう。リバースメンタリングでは通常のメンタリングと役回りが逆になっていることに加えて、メンターとメンティーの年の差がかなり離れているケースが珍しくありません。世代の差による価値観の違いが発生してしまうことが懸念されるのです。意見の食い違いで衝突してしまうのではなく、相手の言葉をまずは受け入れて考え方を尊重しましょう。
まとめ
少子高齢化が影響して人材不足に悩む企業が少なくありません。限られた人材の力を最大限に発揮させるためには、年功序列に縛られるのではなくダイバーシティを推進していく必要があります。そうした際にリバースメンタリングを導入すれば、新たなコミュニケーションが生まれます。若手社員のさまざまな意見に触れて、組織を活性化させる機会を増やしてみてはいかがでしょうか。