ぶら下がり社員とは?発生する原因、問題点や解決策について徹底解説

ぶら下がり社員イメージ

ぶら下がり社員とは、仕事に対するモチベーションが低く、与えられた仕事以外行わない社員のことを指します。ぶら下がり社員が増えることで、周りの社員にも悪影響を及ぼし、企業全体の成長が停滞します。ぶら下がり社員が増加する企業の特徴として、キャリアパスが不明確であることが挙げられます。キャリアアップの可能性が低いとチャレンジ精神がなくなり、モチベーションが失われてしまいます。人事評価制度の見直しなどによって、社員のモチベーションを向上させて、ぶら下がり社員の発生を防ぎましょう。

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ぶら下がり社員とは?

意欲が低く与えられた仕事しか行わない社員

ぶら下がり社員とは、仕事に対する意欲が低く、与えられた仕事しか行わない社員です。あなたの会社や組織にもモチベーションが低く、仕事があるのにだらけている人や、いつまでも仕事に関係のない雑談を続けている人がいるかもしれません。ビジネスシーンでは特に社会的怠慢と呼ばれる現象を指し、英語では「社会的な怠け者」を意味する「social loafer」などと表現されます。社会的怠慢が蔓延するとチームに悪影響を及ぼし、組織の成長が停滞する恐れもあるため注意が必要です。

フリーライダーやローパフォーマーとの違い

似たような意味合いの言葉として、フリーライダーやローパフォーマーが知られています。フリーライダーとは、他人のパフォーマンスに便乗し、あたかも自分の働きによって成果を生み出したかのように見せる社員です。自分では求められるパフォーマンスを発揮しないものの、ふるまい方がうまく、周囲からは実力以上にハイパフォーマーだと見なされる傾向にあります。ローパフォーマーは、実力が伴わずに、生産性が低い社員です。生産性が低い点は同様ですが、仕事に対するやる気や意欲はあるローパフォーマーに対し、ぶら下がり社員は意欲も低い点が異なります。組織全体でみると、ハイパフォーマー・一般的な社員・ローパフォーマーの比率は「262」で、いわゆる「2-6-2の法則」が成り立つケースが多いようです。

ぶら下がり社員が発生する原因

ぶら下がり社員が発生する原因としては、変化の乏しい巨大な組織や、不明確なキャリアパスなどが挙げられます。ある程度大きな組織になると、自ら率先してパフォーマンスを発揮しなくても、毎月決まった給料を受け取れるのが一般的です。変化の乏しい組織では緊張感が低下し、次第に意欲を失ってしまう社員も珍しくありません。不明確なキャリアパスもまた、ぶら下がり社員を誘発する原因です。そもそも、ぶら下がり社員は出世競争に敗れ、自信を失ってしまっているケースも少なくありません。「頑張っても誰も評価してくれない」「自分の働きはチームのためにならない」といったネガティブな思考に陥り、次第に与えられた仕事しか行わなくなってしまいます。

ぶら下がり社員の問題点

周囲のモチベーションが低下する

ぶら下がり社員は、必要最低限の仕事しか行いません。生産性を高めるためのその他の業務は、周りの社員がサポートする必要があります。仕事量の増加に伴い周囲の負担が大きくなり、チーム全体のモチベーション低下を招く恐れもあるため注意が必要です。また、生産性の低下を防ぐためにぶら下がり社員より積極的に働いたとしても、給料は変わらない可能性もあります。仕事量に対する給料に不公平感が高まった結果、周囲のモチベーションはより一層低下してしまうケースも少なくありません。

人材が育たず組織力が低下する

ぶら下がり社員は仕事に対する意欲が低いため、責任感のある仕事を避ける傾向にあります。キャリアアップに消極的なケースも多く、リーダーや管理職になりたがらない社員も珍しくありません。特に、ぶら下がり社員は3050代のミドル層やシニア層に多いと言われています。キャリアを積んできたこの年代はスキルや知識が豊富で、業務遂行能力も高いのが一般的です。しかし、意欲が低く必要最低限の業務しか行わない社員に要職を任せるのは、組織にとってリスクがあります。ぶら下がり社員が多い組織は人材が育たず、組織力が低下してしまうケースも少なくありません。

生産性が低下し企業の成長が停滞する

ぶら下がり社員は必要最低限の仕事しか行わないため、生産性も高くありません。仕事に対する意欲が低いぶら下がり社員に対し、周りの社員は不平不満が高まり、チームのモチベーションも低下してしまいます。モチベーションが低いとチャレンジ精神も損なわれるため、新たな発想や挑戦も生まれません。結果として組織の生産性は低下し、企業の成長も停滞してしまいます。そもそも、意欲の低い姿勢は、周囲に悪影響を及ぼしかねません。ぶら下がり社員は企業の成長を妨げるため、注意が必要です。

ぶら下がり社員の解決策

公平公正な人事評価制度を導入する

前章でも述べた通り、ぶら下がり社員とその他の社員の間にある不公平感は、組織のモチベーションを大きく低下させます。必要最低限の仕事しか行わないぶら下がり社員と、仕事の不足をサポートするため積極的に働くその他の社員で、評価や給料に差がないようだと、モチベーションが低下するのも当然です。モチベーションの低下を防ぐには、不公平感が生まれにくい組織を構築する必要があります。具体的には、公平公正な人事評価制度を導入するのが効果的です。自分の働きが正しく評価されるようになれば、不公平感は生まれにくくなります。また、仕事に対する意欲や姿勢を多角的に評価し、フィードバックをすることで、ぶら下がり社員にもポジティブな変化が見られるかもしれません。

チャレンジを促す社内制度を導入する

意欲の低下を防止するには、チャレンジを促す社内制度を導入するのも効果的です。例えば、社内公募制度や社内FA制度などを導入する方法が挙げられます。多様な働き方を提案することで、自身のキャリアを主体的に捉えることが可能です。たとえ出世競争に敗れてやる気を失ってしまったとしても、新たな可能性を示すことで、意欲を取り戻せるかもしれません。その他にも、定期的にジョブローテーションを実施し変化を促すことも、意欲の低下を防ぐ大切なポイントです。環境や役割の変化は刺激となり、ぶら下がり社員にも良い影響をもたらす可能性があります。

上司部下の信頼関係を構築する

上司と部下の信頼関係が構築できている組織は、社員の意欲が低下しにくくなります。そもそも、ぶら下がり社員は組織や上司に対する不満や諦めから、仕事に対する意欲を失ってしまっているケースも少なくありません。定期的に面談の機会を設け、部下の思いを受け止めて一緒に解決策を検討することが重要です。特に、近年はリモートワークが当たり前になり、コミュニケーションの機会が減っています。たとえリモートであっても、成果を出した場合は褒め、ミスを犯した場合はフィードバックをする機会を、積極的に設けてください。コーチングによって潜在意識に働きかけ、積極的な行動を促すことも大切です。

まとめ

今回はぶら下がり社員について解説しました。ぶら下がり社員とは、仕事に対する意欲が低く、与えられた仕事しか行わない社員です。意欲の低い姿勢は周囲に悪影響を及ぼし、企業の成長を妨げる恐れがあります。ぶら下がり社員を防ぐには、公平公正な人事評価制度、チャレンジを促す社内制度、上司部下の信頼関係などが重要です。

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