第三の賃上げとは?具体的手法・導入効果や注意点について徹底解説

2026年3月6日

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第三の賃上げとは?具体的手法・導入効果や注意点について徹底解説

第三の賃上げとは、従来の定期昇給(第一の賃上げ)やベースアップ(第二の賃上げ)と異なり、福利厚生制度の充実などを通じて従業員の実質的な手取りや生活の質を高める取り組みを指します。例えば、食事補助や育児支援、健康支援、柔軟な働き方の制度などが具体例です。こうした制度は、給与だけでなく生活支援として従業員満足度や採用率・定着率の向上につながりますが、公平に利用できる制度設計や運用コスト、法令遵守の検討が必要です。今回は、第三の賃上げの具体的手法、導入効果や注意点などについて解説します。

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「第三の賃上げ」とは

福利厚生で実質的な収入と生活の質を高める仕組み

第三の賃上げとは、給与の金額を直接引き上げるのではなく、福利厚生を通じて従業員の実質的な収入を増やす考え方です。非課税枠を活用した生活支援を行うことで、手取り額の向上や生活の安定につなげる点が特徴といえます。この背景には近年、中小企業では少子高齢化を背景に採用難が深刻化し、人件費や労務コストの増加から、従来のような賃上げによる人材確保が難しくなっていることが挙げられます。そのなかで、従来の賃上げだけでは一定以上の満足感を得られにくいという指摘もあります。こうした状況を踏まえ、働きがいや働きやすさを高める手段として注目されているのが第三の賃上げです。福利厚生による間接的な支援は、従業員満足度や定着率の向上に寄与すると考えられています。

従来の賃上げとの違い

従来の賃上げは、基本給や手当を引き上げることで手取り額を増やす方法ですが、同時に税金や社会保険料の負担も増える点が課題でした。一方、第三の賃上げは福利厚生の充実を通じて待遇を改善する点に特徴があります。これらは従業員の生活に直接的な支援を行うもので、可処分所得の増加と同様の効果が期待できるでしょう。給与の金額を単純に上げるのではなく、負担を抑えながら実質的な収入増を実現できる点が、従来の賃上げとの大きな違いといえます。

第三の賃上げの主な取り組み例

前述の通り第三の賃上げでは、福利厚生を通じて従業員の生活や働き方を支援する取り組みが中心です。代表的な施策には、次のようなものがあります。

  • 住宅手当の拡充や住居費負担の軽減
  • 食事補助による日常的な支出支援と健康管理
  • 通勤手当の見直しや柔軟な通勤制度の導入
  • 育児・介護支援による就業継続の後押し
  • 健康増進施策や自己啓発支援による長期的な人材育成

これらは単なるコスト負担ではなく、従業員の満足度向上や定着率の改善、さらには企業全体の生産性向上につながる施策として位置づけられます。

 

「第三の賃上げ」のメリット

手取り増加と生活の質向上につながる

給与を直接引き上げる方法とは異なり、福利厚生を通じて従業員の負担を軽減する賃金施策では、実質的な収入増を実現しやすいという特徴があります。住宅手当や通勤手当などは、一定の条件を満たすことで、所得税や社会保険料の算定対象外となるケースがあり、現金支給と比べて手取り額が増えやすくなります。そのため、企業はコスト増の懸念が少なく、従業員にとっては可処分所得の拡大を実感しやすい仕組みといえるでしょう。加えて、住居費の負担軽減や通勤ストレスの緩和、健康管理支援など、従業員の日常生活を直接支える制度を整えることで、生活全体の質向上も期待できます。私生活の充実はワークライフバランスの改善につながり、働く意欲の維持にも寄与します。さらに、自己啓発支援などを取り入れることで、スキル習得やキャリア形成を後押しし、将来的な収入増加につながる可能性も広がるでしょう。

採用力と定着率の向上が期待できる

企業が優秀な人材を確保し、長期的に維持するためには、待遇面の工夫が重要な要素です。中でも、福利厚生を充実させた処遇制度は、求職者への魅力を高めるだけでなく、入社後の従業員満足度向上も期待できます。その結果、従業員の帰属意識が高まり、離職率の低下や採用コストの抑制といった効果が見込まれます。また、働きやすい環境はモチベーションの維持や健康状態の改善を後押しし、欠勤率の低下や業務効率向上を通じて、組織全体における生産性の底上げにもつながります。こうした取り組みを継続することで、従業員を大切にする企業としての評価が定着し、顧客や取引先からの信頼性を担保できるため、企業価値全体の向上にも寄与するでしょう。

経済活性化や働き方改革に寄与する

福利厚生を活用した賃金施策は、企業だけでなく社会全体にも影響を及ぼすかもしれません。例えば、手取り収入の増加や福利厚生の充実により、個人が利用できる可処分所得が拡大すれば、消費活動の活発化を通じて経済全体の好循環が期待できます。さらに、生活の安定は社会保障制度への依存度を低下させる可能性があり、長期的には公的制度の持続可能性向上にも役立つ可能性があります。加えて、多様な働き方を支援する制度を導入することで、従業員のワークライフバランス改善や活躍の機会拡大につながり、企業の生産性向上だけでなく、社会全体の働き方改革の推進にも結びつくでしょう。こうして、個人・企業・社会の三者にわたる好循環が形成される点が、この施策の大きな特徴です。

 

「第三の賃上げ」の注意点

継続可能な制度設計と適切な運用体制を整える

第三の賃上げは、導入しただけですぐに効果が表れるものではありません。継続的に活用されるためには、誰がどの条件で利用できるのかを明確にし、従業員間に不公平感が生じないよう制度設計を行う必要があります。また、ライフステージや価値観の多様化を踏まえ、選択型福利厚生制度など柔軟な仕組みを検討することも有効です。あわせて、制度の目的や従業員にとってのメリットを丁寧に伝え、理解を深めることが欠かせません。導入後は利用状況や満足度を定期的に把握し、定着率や生産性と合わせて検証することで、第三の賃上げとして機能する運用体制を構築できます。

従業員のニーズを踏まえて設計する

福利厚生や制度を通じて第三の賃上げを効果的に機能させるには、従業員のニーズを正確に把握することが必要不可欠です。経済状況や生活上の不安、求めるサービスの具体的な内容を把握することで、実務的に効果のある制度設計が可能になります。そのため、アンケート調査で具体的な意見を集めたり、1on1面談や職場懇談会を通じて個別の声を聞く仕組みを整えたりすることが重要です。収集した意見は共有し、対応方針や検討状況を伝えることで、従業員の納得感やモチベーション向上につながります。

法令や税務の取り扱いに留意する

第三の賃上げを導入する際は、税務や法令上の取り扱いに注意しましょう。現金以外の支給物も原則として給与課税の対象となるため、商品券やクオカードなどの扱いには誤解がないようにする必要があります。非課税扱いとする場合は、借り上げ社宅や食事補助など、国税庁が定める条件を満たすことが求められます。また、労働基準法に抵触しない制度設計や、社会保険上の報酬認定との整合性も確認しなければなりません。必要に応じて税理士や社会保険労務士と連携し、法令遵守と適切な税務対応を前提にした制度運用を行うことが、企業にとって安全かつ持続可能な施策の鍵となります。

 

まとめ

第三の賃上げは、給与を直接引き上げるのではなく、福利厚生を通じて従業員の生活支援や実質収入の増加を図る施策です。適切な制度設計と運用、各従業員のニーズを把握、法令や税務への対応を徹底することで、手取り増加や生活の質向上、採用力・定着率の向上につながります。この施策は、企業の安定的成長と社会の働き方改革に役立つでしょう。

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