36協定を違反したらどうなる?新様式の36協定で注意すべきポイントまとめ

2021年11月11日

NEW

イメージ

36協定とは時間外、休日労働に関する労使協定です。36協定に違反した場合、企業や現場の労務管理者に対して罰金や罰則刑が適用されるだけでなく、企業名が公表されるため、企業のイメージ悪化につながります。この記事では、36協定の概要と違反した際の罰則、様式の変更点、企業が注意するポイントを解説します。

労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>

36協定の違反に気をつけよう

36協定とは

36協定の締結が必要になるのは、法定労働時間である、「1日8時間・1週40時間」を超えて従業員を業務に従事させる場合です。正式名称は「時間外労働・休日労働に関する協定」ですが、労働基準法第36条に規定があることから「36協定」と呼ばれています。36協定では、時間外労働を行う業務の種類や1日・1ヶ月・1年当たりの時間外労働の上限などを定めなければなりません。また、36協定を締結した際は、所轄の労働基準監督署への届出が必要なので、忘れないようにしましょう。

36協定で定める時間外労働時間の上限

36協定で定める時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」です。繁忙期などの臨時的かつ特別な理由がなければこれを超えることはできません。臨時的で特別な理由がある場合は、特別条項付き36協定を締結すれば、上限を超えた時間外労働に従事させることができます。しかし、特別条項付きであっても、「年720時間以内・複数月平均80時間以内・月100時間未満」の条件をオーバーできません。また、月45時間を超えることができるのは、年間6ヵ月までと決められているので、注意しましょう。また、新技術や新商品の研究開発など、これらの限度時間が適用除外・猶予されている事業や業務もありますが、従業員の健康と福祉の確保のためには、働き方への充分な配慮が必要です。

36協定に違反した際の罰則

36協定で定められた労働時間を超過した場合、6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。また、労働基準法32条には、「1週間40時間・1日8時間を超えて労働させてはならない」と定められています。この条文からわかる通り、本来、従業員を労働させるにあたっては、前提として残業時間は発生しません。残業は、あくまで特別な事情によって生じるものということを認識しましょう。そのため、企業が36協定を締結せずに残業を命じることは違法です。

関連記事:

36協定の新様式の変更点

36協定届の様式が2021年4月から新しくなりました。従来の様式から、変更された箇所があるので、スムーズに手続きを進められるようにチェックしておきましょう。

押印と署名が不要

新様式では、使用者や従業員の押印と署名が不要です。これまでは、労使双方が合意のうえで36協定が締結されたことを明らかにするため、記名と押印、または署名が必要でした。新様式では押印と署名が廃止され、記名のみでの届出が可能になりました。この変更により、協定届を以前よりスムーズに作成できるようになったといえるでしょう。労使協定の締結が雇用開始日近くになった場合でも、早めの手続きを進めることが可能です。

チェックボックスの新設

36協定の適正な締結に向けて、過半数代表者選出についてのチェックボックスが新設されました。過半数代表者には、36協定に記載された内容について企業と協議し、必要があれば内容の変更を求める役割があります。企業が36協定を締結するためには、この従業員の代表者を選出しなければなりません。今回新設されたチェックボックスの目的は、過半数代表者の選任にあたっての以下の留意事項について確認することです。

  • 管理監督者でないこと
  • 36協定を締結する者を選出することを明らかにしたうえで、投票や挙手などの方法で選出すること
  • 使用者の意向に基づいて選出された者でないこと

電子申請がより便利に

今回の様式変更によって、電子申請が利用しやすくなりました。2021年4月からは、e-Govという総務省管轄の行政情報のポータルサイトにアカウント登録をして、フォーマットに必要項目を入力すれば、電子署名と電子証明書の添付が不要になります。さらに、事業所ごとに従業員代表が異なる場合であっても、電子申請であれば36協定の本社一括届出が可能になりました。36協定については各事業場で締結する必要はありますが、電子申請を活用すれば所轄の労働基準監督署への届出の手間を低減できます。

36協定を違反しないために、企業が注意したいポイント

時間外労働の管理を徹底する

36協定を締結して届出をしても、時間外労働は推奨されるものではありません。従業員に残業を命じるのは、臨時的で特別な理由がある場合のみと認識しましょう。そのため、恒常的に残業が発生する職場では、業務量を調節したり、業務フローを改善したりする必要があります。また、時間外割増手当を支払うのはもちろんですが、誰がいつ何時間残業したかをしっかりと管理し、業務の偏りや、アサインメントに無理がないかなどを常に確認することが大切です。

企業には安全配慮義務がある

労働契約法第5条には、企業の安全配慮義務について定められています。ここでいう安全への配慮には、適切な労働時間の管理も含まれます。残業時間が月45時間を超過するほど、脳・心臓疾患の発症との関連性が徐々に強まるとされており、月100時間または2~6ヵ月の平均で80時間を超える場合には特に注意が必要です。従業員の重大な健康リスクを軽減させるためにも、時間外労働は最小限に抑える努力が必要です。

従業員の健康と福祉を確保する

新様式の36協定届では、「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康および福祉を確保するための措置」について、以下のような具体例が挙げられています。企業はこれらの項目について実践していくことが大切です。

  • 長時間労働者に対する医師による面接指導
  • 深夜労働の回数制限
  • 終業から始業までの休息時間の確保(勤務間インターバル)
  • 労働者の勤務状況およびその健康状態に応じて、代償休日または特別な休暇を付与すること
  • 労働者の勤務状況およびその健康状態に応じて、健康診断を実施すること
  • 年次有給休暇についてまとまった日数連続して取得することを含めてその取得を促進すること
  • 心とからだの健康問題についての相談窓口を設置すること
  • 労働者の勤務状況およびその健康状態に配慮し、必要な場合には適切な部署に配置転換をすること
  • 必要に応じて、産業医などによる助言・指導を受け、または労働者に産業医などによる保険指導を受けさせること

関連記事:

まとめ

「業務時間内に仕事が終わらなければ残業をする」このような認識でいる事業主や労働者は多いものです。しかし、本来、時間外労働とは、やむを得ない場合のみ許される特別な労働です。36協定は、時間外労働の発生条件や限度時間を明確にすることで、行き過ぎた時間外労働を抑止する機能があります。しかし、企業の認識の甘さによって、しばしば36協定が形骸化し、過重労働が発生する原因となっています。従業員の健康を守り、健全な事業経営を推進するためにも、労働基準法を遵守し、適切な労務管理を行いましょう。

労務管理に便利なクラウド型勤怠管理システムAKASHIの資料はこちら>>
tag

勤怠管理システム
「AKASHI」

カンタン登録ですぐにお試し可能です