オフボーディングとは?注目される背景や成功させるためのポイントについて

2024年11月11日

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退職面談イメージ

オフボーディングとは、従業員が退職の意思表明をしてから、最終的に退職にいたるまでをサポートする取り組みです。近年SNSの普及によって、退職者の経験や意見が広まりやすくなっています。退職時に嫌な思いをさせてしまうと、SNSを通して企業イメージが悪化してしまうため、オフボーディングは必要不可欠です。オフボーディングを成功させるために、退職者の転職サポートや企業に対するフィードバックのヒアリングなどを実施しましょう。

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オフボーディングが注目されている

オフボーディングとは

冒頭でも述べた通り、従業員が退職を申し出た際、退職までの過程をサポートし、退職エクスペリエンスを高める一連の取り組みがオフボーディング(offboarding)です。新たに入社した社員を即戦力に育て上げるオンボーディング(onboarding)の対義語でもあります。インターネットが普及した現代では、退職時の不快な経験がSNSを通じて拡散するケースも珍しくありません。また、雇用の流動化に伴い近年注目を集めるアルムナイ採用を推進するためにも、退職した元従業員と良好な関係を築くオフボーディングが重要です。

オンボーディングとの違い

オンボーディングとは、新たに組織に加わった人材の職場定着を促進し、即戦力に育て上げるための一連の施策です。具体的には、新入社員研修を実施したり、職場のルールや業務プロセスをマニュアルにまとめたり、定期的に面談の機会を設けて悩みや課題を共有したりする、一連の取り組みを指します。オンボーディングが注目を集める背景にあるのは、深刻な人材不足です。人材獲得競争が激化するなか、組織に馴染めず早期退職してしまった従業員の代わりを確保するのは、容易なことではありません。採用ミスマッチを防ぎ、早期退職を回避するために必要な取り組みが、オンボーディングです。一方、退職希望者を対象としたオフボーディングは、退職エクスペリエンスを高める一連の取り組みを指します。企業イメージの維持向上や、退職者との関係構築が主な目的です。

オフボーディングが求められる背景

オフボーディングの必要性が高まる背景にあるのは、終身雇用の崩壊と雇用の流動化です。一つの会社で定年まで働く時代は終了し、キャリアアップを目指して転職や独立を積極的に検討するなど、キャリアに対する価値観は多様化しています。雇用の流動性が高まり、価値観が多様化した結果、何らかの理由で一度辞めた企業に再び出戻るケースも増えてきました。出戻り採用はアルムナイ採用とも呼ばれ、即戦力が期待できる、ミスマッチが起こりにくい、採用コストを抑えられるなどのメリットから、企業からの注目も高まっています。アルムナイ採用を効果的に推進するには、退職者との関係構築が重要です。元従業員と良好な関係を築くための施策として、オフボーディングが求められています。一方、退職に至る一連の手続きにおいて、不快な経験をする退職者も少なくありません。このような経験がSNSを通して拡散すると、企業のイメージが低下してしまう恐れもあります。オフボーディングは企業イメージの悪化を防ぐ意味でも、必要不可欠な取り組みです。

オフボーディングで期待できる効果

突然の退職を回避できる

オフボーディングによって、従来ネガティブなことと捉えられてきた退職のイメージを変えることができれば、突然の退職を回避できる可能性があります。退職の意思を示すと「無理に引き止められるのではないか」「叱責されるのではないか」とネガティブに考え、萎縮してしまう社員も少なくありません。オフボーディングによってこのようなイメージを払拭できれば、退職の意向を事前に相談しやすくなります。また、退職意思が芽生えた段階で早期に相談があれば、退職希望に至った要因を解決し、退職を回避できるかもしれません。意思は変わらず退職に至ったとしても、事前に退職予定がわかっていれば、人員計画を立てやすくなります。

企業価値がアップする

オフボーディングによって退職エクスペリエンスが向上すると、企業価値がアップします。優れた退職エクスペリエンスによってエンゲージメントが高まった結果、口頭や転職サイトの口コミ、ブログやSNSなどで、ポジティブな評判を拡散する退職者も少なくありません。結果として、退職者が企業のアンバサダーやインフルエンサーのような役割を担う可能性があります。退職までの過程で企業に対するイメージが向上した、またはネガティブなイメージが改善したというケースもあるため、オフボーディングの取り組みは非常に重要です。

従業員のロイヤリティが向上する

その性質上、オフボーディングは退職者にフォーカスしがちです。しかし、既存の従業員に対しても、良い影響が期待できます。なぜなら、退職面談をはじめとしたオフボーディングによって、企業や組織が抱える問題点を可視化できるからです。そもそも、退職者はキャリアアップのための転職や独立など、必ずしもポジティブな理由だけで退職という選択肢を選ぶわけではありません。企業や組織に対する不平不満が蓄積した結果、退職に至るケースが多いのも事実です。オフボーディングの取り組みによって組織が抱える問題を把握し、フィードバックをすることで、より働きやすい職場を実現できます。働きやすい職場は満足感や納得感を得られやすいため、従業員のロイヤリティを高めることも可能です。

オフボーディングを成功させるためのポイント

退職者の転職をサポートする

オフボーディングを成功させるには、退職者の転職をサポートする姿勢が重要です。例えば、気兼ねなく転職活動を進められるよう、有給休暇の取得希望があった場合は快く許可を出すといった、退職希望者に寄り添う姿勢が求められます。いまだに終身雇用の考え方が根強い日本では、退職希望者に対して有給休暇の消化を認めない、離職証明書など必要な書類の発行を遅らせるといった、嫌がらせのような対応をするケースも少なくありません。しかし、雇用が流動化しアルムナイ採用も一般化した現在では、退職者と良好な関係の構築がなにより重要です。オフボーディングを通して、退職者を気持ちよく送り出す姿勢を示しましょう。

企業へのフィードバックをヒアリングする

オフボーディングを有意義なものにするには、企業に対するフィードバックをヒアリングすることも重要です。繰り返しになりますが、退職者は企業や組織に対する不平不満が蓄積した結果、退職を選択するケースも少なくありません。オフボーディングで組織が抱える問題点を引き出し、適切に改善できれば、より良い職場環境を実現できます。優れた職場環境は既存の従業員に良い影響を及ぼすため、企業に対するロイヤリティが高まり、離職率を改善することも可能です。

普段から面談を実施する

オフボーディングは、退職希望者の退職エクスペリエンスを高める施策です。しかし、退職を申し出たタイミングで慌てて退職面談を実施しても、高い効果は期待できません。なぜなら、普段から面談を行う文化のない組織が急に退職面談を実施しても、退職希望者の本音を引き出せないからです。普段から面談を実施し、キャリアの意向を共有しておけば、企業内での異動や他社への転職などに対する必要性を判断しやすくなります。また、キャリアの実現に対し、管理職が異動や転職の必要性を見出しやすい組織を構築できれば、従業員も気兼ねなく退職という選択肢を選ぶことが可能です。

まとめ

今回はオフボーディングにスポットを当て、注目される背景や成功させるポイントを詳しく解説しました。従業員が退職を申し出た際、退職に至る過程をサポートし、退職エクスペリエンスを高める一連の取り組みがオフボーディングです。終身雇用が崩壊し、雇用が流動化した結果、退職者と良好な関係を構築するオフボーディングが注目を集めています。退職を申し出やすくなることで突然の退職を回避できる、エンゲージメントの向上により企業価値がアップする、フィードバックによって既存社員のロイヤリティが高まるといった点も、代表的なメリットです。

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