継続雇用制度とは?企業が気をつけるべきポイントを解説します

2021年11月12日

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継続雇用制度とは、雇用している高年齢者を、本人が希望すれば定年後も引き続き雇用する「再雇用制度」などのことをいいます。人生100年時代ともいわれる現代、定年を過ぎても働きたいと考える人は増えています。この記事では、継続雇用制度の概要と継続雇用制度の導入方法、そして企業が気をつけるべきポイントについて解説します。

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継続雇用制度を導入する企業が増えている

高年齢者雇用安定法の改正について

高年齢者雇用安定法とは、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう環境整備を図るための法律です。高年齢者雇用安定法は、我が国の高齢社会化の進行に伴い、高年齢者のより充実した雇用環境の創出を目指すため、改正法が2021年4月1日に施行されました。改正内容は、現行法で定められている65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業確保措置をとることが努力義務として追加されます。具体的には継続雇用制度を含む、以下の措置のどれかを行うことが推奨されています。

  • 70歳までの定年引き上げ
  • 定年制の廃止
  • 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務延長制度)の導入
  • 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  • 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
  • 事業主が自ら実施する社会貢献事業
  • 事業主が委託、出資などする団体が行う社会貢献事業

継続雇用制度とは

継続雇用制度は、定年後も従業員の希望に応じて雇用を延長する制度です。継続雇用制度は、「再雇用制度」と「勤務延長制度」に分けられます。

  • 再雇用制度
  • 再雇用制度とは、定年年齢で一度退職扱いにしてから再度雇用して雇用を延長する制度です。定年まで働いていた役職は失い、契約社員や嘱託社員などの新たな雇用形態で再度働き始めることになります。勤務日数や勤務時間などの労働条件を見直すので、再雇用時に従業員が希望する働き方や、責任の程度を再度設定することが可能です。また、既存の定年制度に再雇用制度をプラスして活用できるので、企業にとっても導入しやすいといえるでしょう。

  • 勤務延長制度
  • 勤務延長制度は、定年年齢に達した従業員を退職させることなく、雇用を延長させる制度です。勤務延長制度は、業務の特殊性や業務遂行上の特別な理由により、定年退職予定の従業員の後任を見つけることが難しく、従業員の定年退職によって事業の運営に支障が生じると認められるケースを想定して設けられました。勤務延長制度では、退職せずに雇用形態を維持し、役職・賃金・仕事内容などは大きく変えず、勤務期間だけ延長するという特徴があります。

継続雇用制度の対象者

継続雇用制度は、定年後も継続勤務を希望する方が対象です。改正法の施行により、たとえ60歳定年と定めている場合であっても、従業員が継続雇用を希望した際は、企業は原則として65歳までの雇用確保措置を講じなければなりません。また、原則として継続雇用制度の対象者の基準を設定が認められず、男女別定年なども禁じられています。有期雇用の従業員に関しても、有期雇用契約が繰り返し更新されている場合は、継続雇用制度の適用対象になると解されているので、パートタイムだからといって継続雇用の対象外にできません。
しかし、「継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止」や「継続雇用制度の対象者を雇用する企業の範囲の拡大」は、2012年の法改正で初めて定められました。この2012年よりも前に、継続雇用制度の対象者に基準を定めていた事業主については、2021年までは63歳以上の人に対して、2024年までは64歳以上の人に対して、継続雇用制度の対象者基準の適用が可能です。

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継続雇用制度の導入で気をつけたいポイント

賃金を見直す

継続雇用制度のうち再雇用を選択した場合、賃金を見直す必要があります。新しい雇用形態では、それまでの役職よりも職位が下がるケースが多いため、再雇用後の働き方に見合った賃金の適用を考えなければなりません。同一労働同一賃金の原則を踏まえ、従業員の賃金と所定労働時間や仕事内容のバランスを考える必要があります。高年齢の従業員だからといって、極端に賃金を低くしたり、不自然なほど高給を与えたりしてはいけません。一方、勤務延長を選択した場合は、雇用形態や労働条件が基本的には変更されないので、賃金も定年前の水準が維持されます。

勤務形態を再考する

再雇用制度を選択した場合は勤務形態の再考が必要です。従業員の再雇用後の働き方について希望を良く聞き、できる限り勤務形態に反映させるようにしましょう。体力面なども良く考慮し、高年齢者が健康に働き続けられる雇用条件を考えなければなりません。例えば、フレックスタイム・短時間勤務・隔日勤務などを採用して、勤務日数や勤務時間を調整している企業も多いようです。

労働環境や制度を整備する

継続雇用制度は、ただ単に雇用期間を延長するだけではなく、高年齢者の従業員がモチベーションを維持しながら元気に働ける労働環境を整備する必要があります。働く意欲のある高年齢者の能力を十分に発揮できるように準備を進めましょう。また、高年齢者の身体的機能の低下に対応できるように作業施設を改善するなど、安全に仕事を進められる環境づくりも大切です。また、長年培ってきた高年齢者のスキルやノウハウを活かせる専門職制度を導入する取り組みも効果的です。

助成金を活用して継続雇用制度を導入しよう

65歳超雇用推進助成金

65歳超雇用推進助成金は、高年齢者が意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会を実現するために設立されました。65歳以上への定年引き上げや高年齢者の雇用管理制度の整備など、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う事業主に対して、以下の3コースで助成金を支給します。

  • 65歳超継続雇用促進コース
  • 65歳以上の従業員が希望した場合に継続して働くことができる制度を導入した企業が助成を受けられるコースです。

  • 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
  • 高齢者の雇用を促進するために、賃金制度・人事制度・労働時間・健康管理など雇用管理に関する制度を整備した企業が助成を受けられるコースです。

  • 高年齢者無期雇用転換コース
  • 50歳以上で定年年齢に満たない有期契約の従業員を、無期契約の雇用に転換させた企業が助成を受けられるコースです。

特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)

雇入れ日の満年齢が65歳以上の求職者をハローワークなどの紹介により、1年以上の継続雇用が確実な労働者として雇い入れる企業に対して、助成する制度です。働く意欲や技術のある65歳以上の求職者を継続して雇用することで、誰もが長く働ける社会づくりや企業の人手不足の解消を目的としています。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

高年齢者や障害者などの就職困難者をハローワークなどから採用や継続雇用した際に企業に支給される助成金です。一時的な雇用ではなく、雇用保険を適用して継続雇用することが支給条件になっています。障害を抱えていても働きたいと希望する高齢の働き手に対し、企業が積極的に受け入れる体制づくりを支援することが、この助成金制度の目的です。

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まとめ

少子高齢化が進む日本において、多くの企業で人手不足は深刻な問題となっています。労働人口の減少に対応するため、高年齢者や障害者など、これまでマイノリティとされて来た方々の活躍が期待されています。また、平均寿命の伸長により、年金など将来の収入への不安や、社会的な居場所を持ち続けたいという想いを理由に、定年以降も働きたいと希望している方は少なくありません。一億総活躍社会の実現のためには、働き盛りの若者だけでなく、意欲のある高齢者や一度挫折を経験した方、障害を抱えている方など、すべての方に平等に働く機会を与えていかなければならないでしょう。継続雇用制度を上手く活用して、いつまでも元気に働ける社会を目指しましょう。

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