割増賃金とは?割増賃金が発生する条件とその計算方法について解説

2023年8月9日

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割増賃金とは、企業が従業員に対して法定時間外労働、深夜労働、休日労働をさせた場合、通常の賃金に上乗せして支払わなければならない賃金のことです。時間外労働は、1日8時間、週40時間を超える労働のことを指し、深夜労働は22時~翌5時の労働のことを指します。割増賃金には、従業員への補償だけでなく、企業に対して経済的負担を課すことによって時間外労働を抑止する目的もあります。割増賃金は、「1時間あたりの基礎賃金×対象の労働時間数×各種割増率」で計算されます。

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時間外労働をさせる場合は割増賃金の支払が必要

割増賃金とは

企業が従業員に対して法定時間外労働、深夜労働、休日労働をさせた際に、通常の賃金に上乗せして支払う賃金のことです。労働基準法において、法定労働時間は1日8時間、1週40時間と定められており、この時間を超えた労働は時間外労働となります。時間外労働における割増賃金は、通常の賃金の25%以上です。平成22年4月からは、大企業において月60時間を超えて労働者に時間外労働をさせた場合、50%以上に割増賃金率が引き上げられました。令和5年4月1日より、大企業だけでなく中小企業にも月60時間以上の時間外労働における割増賃金率の引き上げが適用されています。

割増賃金の目的

割増賃金の支払いは、以下の2点を主な目的としています。

  • 通常の勤務時間とは異なる特別の労働における労働者への補償
  • 使用者に経済的負担を課すことによる時間外労働の抑止

少子高齢化が進行し労働力人口が減少しているなか、子育て世代の男性を中心に長時間労働の割合が高い水準で推移しています。労働者の健康を維持し、労働以外の生活のための時間を確保できるようにするためにも、労働環境の整備が重要な課題となっているのです。前述した割増賃金率の引き上げによって、特に長い長時間労働の抑止の強化を図っています。

割増賃金の適用除外

労使協定が締結されている等の条件の下、一定期間内を平均した労働時間が法定労働時間を超えないように労働時間を定める「変形労働時間制」を採用している場合は、割増賃金は適用されません。労働基準法において、1か月単位の変形労働時間制・1年単位の変形労働時間制・1週間単位の非定型的変形労働時間制が定められています。主に繁忙期と閑散期があるサービス業で採用されている労働時間制度です。ただし、変形労働時間制の場合でも一定期間内を平均した法定労働時間を超えた分は割増賃金として支払わなければなりません。

割増賃金が発生する条件

法定時間外労働をさせた場合

使用者は、過半数組合と労使委協定を締結し、労働基準監督署に届け出ることで労働者に法定労働時間を超えて労働させられます。これを時間外労働と言い、時間外労働をさせる場合は通常の賃金の25%以上を支払わなければなりません。時間外労働には限度時間が定められており、原則、1か月45時間、1年360時間を超えないようにしなければなりません。

深夜労働をさせた場合

深夜労働とは、22時から翌5時までの間に労働させることです。深夜労働における割増賃金は25%以上となります。時間外労働が深夜労働となった場合は、割増賃金が重複して発生することになり、合計で50%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

休日労働をさせた場合

休日労働とは、労働基準法で定められた法定休日に労働させることです。休日労働に対おける割増賃金は通常の賃金の35%以上です。法定休日には法定時間労働が存在しないため、休日労働をさせた場合は時間外労働における割増賃金を支払う必要はありません。従って、休日労働の場合は深夜労働とは異なり、時間外労働における割増賃金は重複しない点に留意しましょう。

割増賃金の計算方法

1時間あたりの基礎賃金を算出する

月給制の場合も、以下の計算式を用いて1時間あたりの賃金を算出します。
月給÷1年間における1か月平均所定労働時間
以下のものは月給に含まれません。

  • 家族手当・扶養手当・子女教育手当※一律支給の場合は月給に含める
  • 別居手当・単身赴任手当
  • 住宅手当※一律支給の場合は月給に含める
  • 臨時手当(結婚手当、出産手当、大入り袋など)

具体例は以下のとおりです。
基本給234,000円、精皆勤手当9,000円、年間所定休日122日、1日の所定労働時間が8時間の場合
まず、1年間の所定出勤日数×1日の所定労働時間を12か月で割り、1年間における1か月平均所定労働時間を算出します。
(365-122)×8÷12=162
次に、基本給と精皆勤手当を足したものを1年間における1か月平均所定労働時間で割り、1時間あたりの賃金を算出します。
243,000÷162=1,500
算出した結果、この場合の1時間あたりの賃金が1,500円であることがわかりました。

割増率を選択する

以下の3種類の割増賃金から、適したものを選択します。

表はスライドできます

種類 支払う条件 割増率
時間外手当・残業手当 法定労働時間を超えたとき
(1日8時間・週40時間)
25%以上
時間外労働時間が限度時間を超えたとき
(1か月45時間、1年360時間等)
25%以上
時間外労働が1か月60時間を超えたとき 50%以上
休日手当 法定休日に勤務させたとき 35%以上
深夜手当 22時から5時までの間に勤務させたとき 25%以上

具体的な計算方法

実際に割増賃金を計算します。具体例は以下のとおりです。

  • 時間外労働の割増率(所定労働時間が9時から17時(休憩1時間)までの場合)
  • 17時~18時⇒1時間あたりの賃金×1.00×1時間(法定時間内残業)
    18時~22時⇒1時間あたりの賃金×1.25×4時間(法定時間外残業)
    22時~5時⇒1時間あたりの賃金×1.50×1時間(法定時間残業+深夜労働)
    所定労働時間は企業ごとに定められた「従業員が働く時間(休憩時間を除く)」のことです。この例の場合は所定労働時間が7時間のため、17時から18時まで残業をしても法定労働時間内におさまります。従って、この時間は「法定時間内残業」となり割増賃金は発生しません。

  • 法定休日労働の割増率(9時から24時(休憩1時間)まで労働させた場合)
  • 9時~22時⇒1時間あたりの賃金×1.35×12時間(休日労働)
    22時~24時⇒1時間あたりの賃金×1.60(1.35+0.25)×2時間(休日労働+深夜労働)

まとめ

今回は、割増賃金の概要や、割増賃金が発生する条件とその計算方法について解説しました。割増賃金の目的は、通常の勤務時間とは異なる特別の労働における労働者への補償と使用者に経済的負担を課すことによる時間外労働の抑止です。割増賃金を支払えば良いというわけではないことを念頭に置き、時間外労働自体を発生させないように努めましょう。

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目次

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  • 4.中小企業に求められる割増賃金率引き上げへの対応
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