高度プロフェッショナル制度とは?制度が与える効果と問題点について

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高度プロフェッショナル制度とは、一定の年収要件を満たし、高度専門知識等を有する労働者を対象に労働時間に基づいた制限を撤廃する制度のことを指します。この制度では、労働基準法が適用されず、労働者自身で出社・退社時間、休暇を自由に決められます。そのため育児や介護と仕事の両立が可能になり、ワークライフバランスの実現が期待できます。しかし、この制度は労働基準法の適用外となり、残業手当や深夜手当の支給義務が発生しないため、長時間労働が発生したとしても賃金が保証されることはありません。

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高度プロフェッショナル制度とは

高度の専門的知識を有し、職務の範囲が明確かつ一定の年収要件を満たす労働者を対象に労働基準法に定められた労働時間、休憩、休⽇及び深夜の割増賃⾦に関する規制を免除する制度のことです。この制度を適用するためには、労使委員会の決議と労働者本人の同意に加え、年間104日以上の休日確保措置健康管理時間に応じた健康・福祉確保措置が必要となります。この制度は、実労働時間ではなく労働の成果・業績に対して報酬を支払うことが特徴です。労働者は効率的に働きやすく、できるだけ時間をかけずに成果や業績を上げる努力をするため、生産性の向上や残業代の削減が期待できるでしょう。

高度プロフェッショナル制度のメリット・デメリット

メリット

高度プロフェッショナル制度のメリットは以下のとおりです。

  • ワークライフバランスを実現できる
    この制度では労働者の裁量で働く時間を調整できるため、私生活と仕事のバランスを取りやすくなります。また、テレワークや在宅勤務といった就業場所にとらわれない働き方も可能です。育児や介護、家事との両立をしやくすなり、ワークライフバランスを実現できます。
  • 労働者間の不公平感を是正できる
    従来は、労働時間に応じて賃金を支払う残業ありきの働き方が主流でした。この働き方では、長時間働くほど残業代が増えるため、効率良く働く労働者ほど不当な待遇を受けるおそれがあります。高度プロフェッショナル制度であれば、個人の成果や業績に基づいて評価されるため、労働者間の不公平感を是正でき、労働者のモチベーション向上を図れます。

デメリット

高度プロフェッショナル制度のデメリット(問題点)は以下のとおりです。

  • 長時間労働や過労死被害を拡大させる懸念がある
    この制度では労働時間や休憩、休日などの規制が免除されるため、長時間労働や過労死被害を拡大させる恐れがあります。健康確保措置のインターバル措置により24時間労働は防げるものの、働き方は個人の裁量に委ねられるためです。成果や業績を求めるあまり、長時間労働が続いてしまう労働者も出てくる可能性があります。
  • 成果の評価が難しい
    専門性が高い仕事の中には研究開発業務のように成果が出るまでに数年かかることがあるものや、時間をかけても成功するとは限らないものもあります。成果が出ないからといって低い賃金を設定すれば、労働者のモチベーション低下や離職を引き起こすかもしれません。どの範囲までを成果とみなすのか考慮し、公正な評価方法を模索する必要があるでしょう。

高度プロフェッショナル制度の対象範囲

対象労働者の範囲

対象労働者は以下のとおりです。

  • 使用者との間の合意に基づき職務が明確に定められている
    使用者は「業務内容」「責任の程度」「求める成果」を明記した書面に労働者の署名を受けることで、労働者の合意を得る必要があります。
  • 使用者から確実に支払われると見込まれる1年間当たりの賃金の額が少なくとも1,075万円以上
    個別の労働契約または就業規則において、具体的な報酬額を支払うことが約束され、支払われることが確実である賃金が必要です。労働者の勤務成績や成果に応じた支給額が事前に確定していない賃金は含みません。賞与や業績給における最低保証額が定められている場合は対象となります。
  • 対象業務に常態として従事している
    対象労働者は対象業務に常に携わっていることが原則であり、ほかの業務にも常に携わっている労働者は対象になりません。

対象業務の範囲

対象業務は以下のとおりです。

  • 金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発業務
  • 資産運用の業務又は有価証券の売買その他の取引の業務
  • 有価証券市場における相場等の動向または有価証券の価値等の分析、評価またはこれに基づく投資に関する助言業務
  • 顧客の事業運営に関する重要な事項に関する調査または分析およびこれに基づく当該事項に関する考案または助言業務
  • 新たな技術、商品または役務の研究開発業務

高度プロフェッショナル制度の導入の流れ

①労使委員会を設置する

まずは、労使委員会を設置します。労使委員会の要件は以下のとおりです。

  • 労働者代表委員が半数を占めていること
  • 委員会の議事録が作成・保存されるとともに、事業場の労働者に周知が図られていること

②労使委員会で決議し、労働基準監督署長に届け出る

決議は、委員の5分の4以上の多数によるものでなければなりません。 決議すべき事項は以下のとおりです。

  • 対象業務
  • 対象労働者の範囲
  • 対象労働者の健康管理時間を把握すること及びその把握方法
  • 対象労働者に年間104日以上かつ、4週間を通じ4日以上の休日を与えること
  • 対象労働者の選択的措置
  • 対象労働者の健康管理時間の状況に応じた健康・福祉確保措置
  • 対象労働者の同意の撤回に関する手続
  • 対象労働者の苦情処理措置を実施すること及びその具体的内容
  • 同意をしなかった労働者に不利益な取扱いをしてはならないこと
  • その他厚生労働省令で定める事項(決議の有効期間など)

労使委員会で決議した内容は、労働基準監督署長に届け出る必要があります。

③対象労働者の同意を書面で得る

以下の内容を明記した書面に労働者の署名を受けることで、労働者の同意を得ます。

  • 同意をした場合には労働時間等の規定が適用されないこととなる
  • 同意の対象となる期間
  • 同意の対象となる期間中に支払われると見込まれる賃金の額

④対象労働者を対象業務に就かせる

書面による同意を得たら、対象労働者を対象業務に就かせます。運用の過程で以下の事項に関する確認を済ませておかなければなりません。

  • 対象労働者の健康管理時間を客観的な方法で把握すること
  • 対象労働者に年間104日以上かつ、4週間を通じ4日以上の休日を与えること
  • 対象労働者の選択的措置及び健康・福祉確保措置を実施すること
  • 対象労働者の苦情処理措置を実施すること
  • 同意をしなかった労働者や撤回した労働者に不利益な取扱いをしないこと

なお、対象労働者は、同意の対象期間内であれば同意の撤回が可能です。

まとめ

今回は、高度プロフェッショナル制度の概要や、制度が与える効果、問題点について解説しました。この制度では労働基準法の規制が免除され、実労働時間ではなく成果や業績に応じて報酬が決定されます。労働者は効率的に働きやすく、生産性の向上が可能です。一方で、成果を求めるあまり長時間労働が続いてしまう労働者が出ることが懸念されます。使用者は労働者の健康管理を適切に行い、公正な評価方法を設定するようにしましょう。

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