その経費、ホントに必要ですか? 企業の経費削減のポイントまとめ

2020年8月5日


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企業の利益を増大させるためには、売上の増加だけではなく無駄な経費削減も必要になります。あらゆる費用について削減の余地を見出すことは重要ですが、むやみなコストカットで不便が生じてしまわないよう、目的を定めてからはじめましょう。今回は、経費削減の意義や注意点、経費削減するためのアイデアについて解説していきます。

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経費削減の意義

経費削減を目的とする施策には、業務の効率化をはじめさまざまな効果が付随してきます。しっかりと施策を進めていけば小さな経費削減で自社の利益を大幅に増加させることも可能ですが、実際には経費の見直しを後回しにしている経営者も多いでしょう。自社の売上拡大に直結する営業に投資を続けていくのか、今現在の経費を少しでも削減することで利益向上を目指すのか。現状を踏まえてしっかりと施策を見極めることが重要です。

経費削減は売上増加より利益に寄与することがある

小さな経費削減がどうして自社の利益を大きくすることに繋がるのか、以下で簡単な計算式を交えながら解説します。売上1,000万円の会社でかかっている経費の合計が800万円の場合、営業利益は200万円、営業利益率は20%です。

  • 1,000万円-800万円=200万円
  • 200万円÷1,000万円=20%

この会社が経費を10%削減すると、営業利益率は28%になります。

  • 800万円×0.9=720万円
  • 1,000万円-720万円=280万円
  • 280万円÷1,000万円=28%

ではこの会社が売上増加のみで営業利益280万円稼ぐには売上をどれだけ増やす必要があるでしょうか。

  • 100%-80%=20%
  • 280万円÷X=20%から、X=1,400万円
  • 1,400万円÷1,000万円=140%

経費の割合を据え置きとすると、営業利益が280万円になる売上は1,400万円となり、1,000万円と比べると40%増加させる必要があることがわかります。

売上増加は経費増加により利益が小さくなることがある

現実的に考えると、売上を40%も増加させれば利益率の低下が予想されます。顧客交渉が発生すれば値引きなどの条件も加わり利益率を低下させる要因となるでしょう。このように、当初の売上目標額を達成できたとしても同時に経費がふくらみ「売上は伸びたのに利益は期待より少ない」という結果になることは想像に難くありません。一方、経費削減であれば自社内である程度完結させることができ、結果として前述の例のように売上増加よりも大きな利益を生み出すことも可能です。

経費削減をする際の注意点

実行メンバーを選抜して計画を立てる

経費削減のための施策は、いわば業務改善そのものです。社内で中心となって施策を推進していく改善メンバーを選抜したら、可能な限り細かく具体的に、実行レベルでの目標を記入した業務改善計画表を作成しておきましょう。各部署に充分なヒアリングを行うことはもちろんですが、初めから完璧な計画を作ろうとするのではなく、修正の余地も残しておくことが大切です。

フォローアップを行いながら推進する

施策の実行後には定期的に進捗状況をチェックし、実施しているものについては赤字で表示を行うなど、社内の誰が見てもどのようなプロセスで作業が行われているのかがわかるよう配慮しましょう。全体像を把握できるようになれば、改善メンバー・マネージャー職以外の多くの従業員が当事者意識を持って計画へ参加することが可能になります。特に業務フロー・オフィス内環境の見直しは従業員の生産性に直接関わる部分も多くなるため、彼らのモチベーションを維持するためにも適宜フォローアップ・フィードバックを行いながら施策を推進していくことが必要です。

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経費削減のアイデア

ペーパーレス化による人件費削減

経費のなかでも特に大きな比率を占めるものが人件費ですが、この削減に一役買うのが昨今注目を集めている業務のペーパーレス化です。書類の印刷・綴じ・配布といった単純作業は、長時間労働が発生しやすくなる要素として特によく挙げられる業務でもあります。ペーパーレス化を行い生産性が向上すれば残業代の削減にも繋がるでしょう。

間接経費の見直し

人件費以外にも、間接経費の見直しも有効な手段です。間接費用は、オフィスの家賃・光熱費・業務で使用する備品・設備など、事業や製品に直接関わりのない経費が該当します。

ツール導入や目的共有などのフォロー

上記を始めとする施策を遂行する際は、ツールの導入や施策を定着させていくための全社的な目的の共有が欠かせません。より効果的な経費削減を実現するためには、しっかりとしたフォローも同時に行うよう心掛けましょう。

経費削減の成功事例

株式会社野村総合研究所

株式会社野村総合研究所は紙にとらわれない働き方をするというノンペーパーの取り組みにより、業務の効率化やセキュリティーの向上を目指しました。具体的には、紙の書類を廃棄したり電子化したりすることで810箱分の書類を廃棄・焼却し、さらに195箱分の文書を電子化しました。また、ノンペーパー会議の取り組みでは会議のルールを設定し紙の書類をなくすことで、会議時間を約40%削減するとともに議事録作成割合を約50%から約90%に高めることに成功しました。

札幌市

札幌市は民間企業によるコールセンターを設置することで、住民満足度の向上と業務改善を目指しました。具体的には、年中無休で朝8時から夜9時まで電話を受け付けたり、コールセンター運営企業の専門的なノウハウを実践したりしてサービスの向上を図りました。問い合わせ内容はデータベース化され、コールセンタースタッフが使うとともに市民にも公開されています。
問い合わせに正職員が対応すると1,000円のコストがかかるところ、コールセンターであれば400円で済みます。札幌市はコールセンターの設置に加えてWeb上のQ&Aの割合を増やすことで46%のコストダウンが可能になるとしています。

株式会社良品計画

株式会社良品計画は、徹底した業務マニュアルの作成、残業の抑制、会議の見直しにより業務の効率化に取り組みました。
本部の業務マニュアルとして業務基準書、店舗のマニュアルとして「MUJIGRAM」(13冊、1,780ページ)を作成しました。各マニュアルは事務職が作成したフォーマットを元に、業務を担う現場の担当者が作成しました。内容は詳細かつ具体的であり、変更があればマニュアルも更新されます。
また、「毎日ノー残業デー」の掛け声のもとに残業を原則的に禁止しました。平均残留率を10%以下にすることを目指しており、社長や会長でも定時に退社しなければなりません。毎日ノー残業を実現するために、詳細な業務マニュアルに加えて「見える化ボード」による情報共有や不要なメールの削減などに取り組みました。さらに会議ルールの設定、紙の資料の禁止、会議の回数と時間を削減などにも取り組んだ結果、残業の削減などによるコスト削減とともにワークライフバランスが推進され、働きがいのある会社ランキングで上位を獲得しました。

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まとめ

企業が経費の削減を検討する際にまず対象となるのは、オフィス内環境や高い比率を占める人件費です。しかしこうした経費をむやみに削減するだけではかえって業務効率を下げ、従業員の離職へ繋がることも大いに考えられます。経費削減を成功させるには1つひとつの経費について本当に削減するべきか否かをしっかりと検証し、関係部署へのヒアリングを行った上で全社的に計画を進めていくことが重要です。

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